第4話魔法と貧乳はいかが?
まず言いたいことは3つである。
1つめにスライムってなんかプルプルで可愛い。
2つめに悪魔だから窒息しないべリアを適度に痛め付けるスライムって俺の味方っぽい。
3つめにべリアの服がスライムに消化されたことでところどころ肌が露になっている。
この3つをふまえて俺が言いたいことは1つ。
「スライム万歳!」
両手を挙げてそんなことを言う俺の後ろから詠唱が叫ばれた。
「我が魔力にて旋風を轟かせ!『シルフィスウィンド』!」
魔法が唱えられた刹那、旋風があたりに吹き荒れる。そうとうな風力にあてられたスライムは吹き飛んで消えた。おまけとして俺も吹き飛んで地面に顔を強打した。
「大丈夫ですか?うわ…スライムの粘液でベタベタだ。」
涙目で顔を押さえる俺をほって後ろでべリアの介抱をするこの声…忌々しいこの声。俺に変態糞冒険者の称号を与えた貧乳の声だ!
「まぁたぁお前かぁ!俺にも少しは気を使えよ、お前のせいで鼻が折れるかとおもったわ!この貧乳が!」
実際少し曲がったがそこは持ち前の回復力でカバーしよう、首切られてもすぐにくっつければ治るそんなところは魔族の特権だ。
「うるさい!貧乳って言うな、私にはキルテっていう名前があるんだから!」
キィーっとなっているキルテを足蹴にしてやるとまたもや風魔法で吹き飛ばされる。
「魔法は卑怯だぞ!貧乳貧乳貧乳!」
「うるさい!童貞童貞童貞!」
言い争う俺たちの足元から力ないかすれ声が聞こえる。キルテと俺が下を向くとテカテカになったべリアがそこにいた。
「良いから早く助けて…。」
「「さーせん」」
見事にハモった俺とキルテだった。
べリアはキルテに付き添われて街の銭湯に直行してしまい、俺は我が家である物置小屋でぼーっとしながら呟いた。
「…魔法…か。」
ちなみにスライム討伐のクエストはリタイアということになり、討伐出来た1体分の報酬はキルテとべリアで山分けされた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます