第6話地獄の庭

なにがヤバいって地形は乱れてるくせに、空は晴れ渡っている。これはが出るかもな。」

耀よう、準備はしとけよ。」

「帰りたい。切実に」

ここまでげっそりしている耀はあまり見ない。

「諦めろよ、もう丹樹にきが報告してるだろ。」

「はぁ…、あのくそ閻魔。早く世代交代しろよ。」

だんだん耀の”素”が出てきてるな。いい傾向だ。

それにしてもいつもやかましいくらいいる獄卒がいない…。初めは避難してると思ってたが、この程度ならあいつらは普通に仕事をしている。

「雍州さん、なんか来ます。」

大きな影が、現れた。

その影の正体は…

「何百年ぶりだろうな。耀、わかるな?」

「地獄に堕ちた亡者の怨念の塊、呪倆じゅろうですね。」

呪倆は大きなその体を揺らしながら、こちらにゆっくり近づいてくる。

「丹樹がこいつを見逃すとは思えないが、あいつはすっとこどっこいだからな。仕方ないな…。耀、始末しろ。」

「わかりました。」

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妖死妓楼 kurn @kurozatou

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