第2話 妖死妓楼
妖鬼の間では一人の女性が座っていた。
かれこれ10分は待っただろうか。あの青年はだれかを呼んで来ると言っていたが、遅い。
本当にここが噂に聞いた九尾が願いを叶えてくれる妖死妓楼なのだろうか。そんなことを考えていると襖があいた。
「待たせたな客人。俺はこの妖死妓楼の店主・
現れたのは、陶器のように白い肌にその肌を際立たせる腰まである長い黒髪。鋭い目付きだが、どこか幼さが残る顔。そして真っ赤な羽織りを羽織っている。
雍州は流れるように座る。
「さて、俺に依頼したいことはなんだ。」
「まず自己紹介させてください。私は
咲姫が言う事件は10年前のことだ。
その頃はよく殺人事件が起こっていた。短期間で20人死んだ。一連の事件の犯人は同一人物だった。
「私の父はその事件の最後の犠牲者です。そして犯人は兄です。でも私には父が兄に殺される理由がわからないんです。兄に面会に行っても自分の事を忘れろしか言いませんでした。そして兄は処刑されました。」
こいつが言いたいのは、兄が父を殺した理由を調べろと。
その兄はもう死んでいる。
「ここに来る前にもどっかに依頼しに行っただろ。」
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