第3話 男を知る
中学2年の終わり頃になると某動画サイトの生放送といものが始まり、私はそれに入り浸るようになった。そこで、自らも生放送を配信するようになった。顔こそ出さなかったが、女子中学生です、というと下心しかない男がたくさん集まってきた。そうじゃない人もそれはある程度いたが、大半の男はみんな何かを期待していたのか、女子中学生という響きに興奮していたのか、やらしい目で私を見る人ばかりだった。私はそんな男にちやほやされることに快感を覚えた。誰だか知らないが自分のことを可愛いといってくれ、すべてを認めてくれることが嬉しかった。
青い無料通話ソフトが安定した音質や通信状況になってきた頃でもあり、通話をしながらゲストという形でリスナーを呼ぶ生放送が流行りだした。そのおかげでリスナーたちとの関係は親密になっていった。配信をしない日でも、暇だったり寂しかったりすると男に通話で構ってもらっていた。
その男のうちの1人と私は会うことになった。そして、寝た。これが私の初めてだった。
その男は醜い見た目をしていた。髪はボサボサ、体重は100kg以上、顔も不細工、そして汗っかき。なぜこんな男に初めてをささげてしまったのだろうかと今でも時々後悔するレベルだ。
それでも、その時はどんな人でも自分を認めてくれる人が欲しかったから、それでよかった。いや、実際は抱かれるときあまりにも気持ち悪くて(見た目から何からすべてが)涙が止まらなかった。通話をしているときの優しい男ではなく、ただの気持ち悪いおっさんだった。その後その男とは何度か会って寝たが、嫌悪感がなくなることはなく、連絡を取らなくなっていった。
堕落 もふねころん @mofucat
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