さあダンジョンを進もう
scene3:ここで荷物を忘れた事を後悔した
ロリバ…………もとい、ホリンさんとダンジョン化した酒場兼宿屋をかれこれ数時間は徘徊している。その間、モンスターと遭遇する事はあれども人とは誰一人として出会っていない。そう考えると、ホリンさんと遭遇する事が出来たのは本当に奇跡と言ってもいい確率だったんじゃないかと思えてきた。
ちなみに、遭遇モンスターは殆どホリンさんが蹴り倒していた。スゴイ。
「なんて言うか…………今回は何時にもましてダンジョンが物騒なのですよ」
携行食として常備していたのか、ホリンさんはオニギリを食べながらそう呟いた。
「何時もはもっと物騒じゃないの?」
「当然なのですよ。本来こんな浅い所で
けど『こんな浅い所で』ってホリンさんは言ってたけど下(案外上もあり得るかもしれない)に行けば行く程、凶暴なモンスターが増えるって事なのだろうか?
「大体の場合ですね、この
確かに、ここが仕様でダンジョン化するって知っている人はお宝探しとか腕試しで潜る人がいるかもしれない。ここまでで金貨が沢山入っていた宝箱とか幾つか見つけたし。しかし、げぇむって………
…………それは置いておいて、そんな時にまたモンスターと遭遇した。今度もあからさまにヤバげなやつ。たぶん
「先手必殺!
モンスターを視認するなりやっぱりホリンさんは間髪を入れずに蹴りを入れる。
このホリンさんが使う
吹き飛ばされるモンスター、そしてゆっくりと着地するホリンさんを眺めながら僕はふと、ある事に気付いた。
そう。ホリンさんが
だから僕は後悔した。宿の部屋に置いてきてしまった僕の荷物の中には使い捨ての
「僕は…………なんて馬鹿野郎なんだ…………」
「本当にただの馬鹿野郎ですよ」
ガックリと膝を落とす僕にホリンさんは冷たく一言言うのだった。
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