scene1:いきなり追いかけられるしたまったもんじゃない
よし、状況を説明しよう。
・意気揚々と可愛い女の子を探しにダンジョンへ突撃したのだがまずいきなり迷子になる。ダンジョン化してるって言っても広すぎ
・そしてここで武器も道具も何も無い事に気付く
・迷子化してるので部屋に戻れない
・可愛い女の子よりも先にヤバげな三つ首のモンスターと遭遇
・逃走するも追いかけられる
たまったもんじゃない!!逃げ延びなければ女の子とラブイチャする前に果ててしまう。だから僕は全力疾走。自分自身の持てる力を全力で振り絞る。たぶん、自分史上最速を更新していると思う。
ところがどっこい。そんな僕の全力疾走よりも更に速いスピードで三つ首のモンスターは追いかけてくる。熊よりも大きくてメタボ体型の
ぶっちゃけ、デッドエンド一直線な気がしなくもない。
あと少しで追いつかれる…………そんな時だ。眼前から巨大な鎖鉄球が振り子の原理で僕の方に向かってきた。何処かで僕はトラップでも踏んだのか、それともモンスターが踏んだのか判らない。幸いにも僕はその鎖鉄球をひらりと華麗に回避する事が出来た。冷静な判断は己を助ける良い例だね。
僕は回避出来た。しかし追いかけてきたモンスターは見事に鉄球の直撃を喰らった。
物凄い勢いで吹き飛ばされるモンスター。そして、勝った…………そう思って足が止まっている時に戻ってきた鉄球に吹き飛ばされる僕。
(嗚呼…………可愛い女の子と巡り合う前に僕は果ててのか…………このままデッドエンドでサヨナラ世界なのかな…………)
完全に凡ミスした僕は空中を華麗に錐揉み回転しながらそう思った。
床に落ちれば立ち上がる事が出来ないだろう。鉄球に吹き飛ばされてるのだからきっと骨は砕け散っているハズだ。そしてやってきたモンスターに美味しく召し上がられてしまう事は想像に難くない。
(せめて…………可愛い女の子に看取られて逝きたいな………)
ゆっくりと床に向かって落下していく。僕は目を閉じた。
だが、床に落下する衝撃はやってこない。それどころか、誰かに抱えられている感じもする。
僕は目を開けた。
「大丈夫ですか」
奇跡。まさに奇跡。長い黒髪でサファイアブルーの瞳のとんでもなく可愛い女の子が僕を助けてくれていた。
けども残念な事に、僕が吹き飛ばされた鉄球とはまた違う鉄球トラップに僕共々吹き飛ばされるのだった。
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