第4話 師匠登場? 『緑霧の忍者 村正』

第4話《アバン》

 リヴァーズ。それは、魔法が生き、幻獣が生き、剣の力と人の心が輝く、幻想の世界。

「この世界は、美しい」

 暗闇の中でそう語るのは、灰色のフードを深く被り、顔を一切見せようとしない男だった。

「だから、私はこの世界が愛しいのだよ。いや……この世界だけではないさ……」

 ふふ、と口から洩れる笑い声。

「愛しい、だからこそ、手に入れたい。そう考えるのは、何もおかしなことではないだろう?」

 体の全てを隠すように被ったマントの隙間から、男の手が伸びる。不健康な白い手は、闇の中で強く拳を握った。

「――世界よ、我が手の中に」

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