第十四話
大陸暦100年7月23日
「昨日は平和だったな…」
昨日は魔力最大値が50増加に増えていて、メアの機嫌が一昨日よりよかったこと以外は特に代わり映えのしない一日だった。
そう。魔力強化もメアとの勝負も相変わらずだったのだ……
「そろそろ勝つか魔力強化の調整できないかな〜。」
まあ、とりあえずはやるしかないか。
「ほらほら、現実逃避してないで、とっととやる!」
そう、俺は今魔力強化の特訓をやっているのだ。
「こう……」
昨日よりは感覚掴めてるんだけどな……
「そうだ!あと少し!」
パシュン…
「くっそ、またか…」
魔力供給を絞りすぎてしまうんだよな…
「ほら、休むなお兄ちゃん!またやる!」
ちなみに、見張りはリリィである。メア?…………庭でひなたぼっこ兼昼寝してる…
「つ、次で行けるから…」
「だったら尚更休んじゃダメ!」
メアよりスパルタだ………
「うーん……………」
ここでいつも絞りすぎるから、ここで…こう絞りを少なく………
フッ
「あれ?消えた?でも、魔力は消費されて……」
「おめでとお兄ちゃん。それが魔力強化だよ。」
これが…………
「地味だな。」
「うん。よく見ると揺らめいてる、くらいじゃね。」
つ、疲れたー…
「師匠起こして「来ないで待って」わかった。必要なかったね。」
「え?」
その時――メア《悪夢》が起きた。メアの名前って
「よし、出来たんだな!次はそれを瞬時に出す練習だ!」
メアさん…………元気だなーー…………
「あの、休憩とかは「そんなのない!」……わかりました。」
思わず敬語になってしまう……
こうなったらやけくそだ!
「んで、何やるんだ?」
「さっきのを一発で出す。これを10回連続やってもらう。」
神様。どうか
―あるわけ無いでしょ。
そんな声が、聞こえたような気がした。
まあ、当然実際は聞こえてないんだけど。
酷い………
「さあさあ、やるんだ!」
リリィに助けを求めるために、視線を向ける。ん?口だけで何か言ってるな…
(がんばってね、おにいちゃん?)
援軍は、消え去った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ハッ!」
「どうした?」
今俺は、メアと相対していた。
「あれ?昼ごはんは?食べたっけ?」
「何を言っているんだ?ちゃんと食べたではないか。」
…確かに、満腹感はあるな…
なんか、いろいろ飛ばされた気がするけど、まあ、気にすることも無いか…無い、よな?
「さあ、続きだ。行くぞ!」
逝くぞ!に聞こえる俺はおかしいのだろうか。
でも、前と違って見えるようにはなってきたな。直線的な動きだけだけど。
「フベラッ」
「クギュッ」
「ホゲッ」
これ、全部俺の叫びだぜ?驚きだろ?
これでも、避けてる方なんだぜ?
「ふむ、少しずつ動きに追いついていけるようになったな。じゃあ、速度上げるか。」
…………今何て、
「それはあんまりダルォッヒャー!」
もはや自分でもなんて言ってるかわかんない。
意識が…途絶えてい……
「まだ続けるに決まってるだろう。」
そこで目覚めさせるなよ!メア《鬼》!
「ほう……」
空気が…………凍った。
「あと20戦、しようか。」
20戦の間、意識が途絶えることもなく。メアのモノ《サンドバック》となった。ただ、最後の方はある程度、動きは目で追えていたから良かったと思う。そう信じたい。
夕食は………………メア、リリィ→オークの肉のステーキ、俺→豚のステーキだった。
一見、『豚のほうがよくね?』となるが、オークを侮るなかれ。脂が程よくのり、だからといっておもすぎることもない、そこそこ美味しい肉なのだ。下手な牛より美味しく、高級食材となっている。
メアの機嫌は、メアの部屋を訪れて土下座するまでなおらなかった。
〜自室〜
「つっかれた…」
今日こそは、時の魔法を創らなくてはならない。
時間の加速を想像するのではなく、他の時間を遅くすると想像してみたり、感覚を加速させてみようとしたり、いろいろしたが、どれも無理だった。
「うーん、無理かな〜。」
せめて、メアに勝てるような魔法は創ら無いとな…
「一番の問題は、身体の動きが圧倒的に遅い事…………身体?身体を加速させると考えてみるか。」
身体の加速…………できた!
なるほどな。時間だと、世界が崩れる可能性がある。感覚は、大雑把すぎる。と、こういう事かな。なんとなくだけど。
そうして出来た魔法がこれだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
フィジカル・アクセラレーション
消費魔力:100
5秒の間、時間を10倍に引き延ばす。現実世界で5秒経つと、自動的に解除される。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出来た! キタキタキタァ!
時空魔法レベルは……………Lv5!上がった!っしゃあ!
早速日本刀を召喚しますか。
「【召還魔法】。」
詠唱かっこ悪いとか言わないの。
おっと。何を召喚したいか……『日本にある』……『東京都内の』………そういえば、『陽菜』今頃どうしてるかな…じゃなくて、都内にある俺の日本と、
ピカッ
突然目の前に魔法陣が現れ、輝きだした。
「なんだ!? まだ日本刀思い浮かべて……ッ!しまった!」
直前に陽菜を思い浮かべて……! マズイ! このままじゃっ!
カッ
魔法陣の輝きが急激に増し、部屋中を光が埋め尽くした。
そして……魔法陣から、何かが飛び出して、俺の方にきた。
「キャア!」
「グッ……クゲッ」
とっさに受け止め……切れずに、そのまま床に倒れる。
ドゴッ
頭ぶつけた………痛い。
「一体なんなの!? って優太!?」
「陽菜!すまん。今説明…」
ここで、不味いことが起きるという
「なんだ!? 今の音は!? まさか、またユウタを!?」
「お兄ちゃん!?」
まずい!
ガチャッ!
扉が開き、メアとリリィが飛び込んでくる。
「ユウタ………この状況はなんだ?」
ちなみに、今までずっと言ってこなかったが、この世界にはスカートというものは、メイド服と正式の場で着用するドレス、そして王族の着用するドレス以外は貴族が女性に履かせて楽しむ衣服である。
女性にとっては『天敵』とも言える存在。
そして今、目の前にいるこの女性は『制服』を着ている。きちんとスカートだ。
それを見たメアとリリィの視線が急激に冷めていく。
「………………ユウタ、これは、どういう事か、説明してもらおうか。」
「お兄ちゃん、サイテーです。」
そしてなぜか、上に馬乗りになっている陽菜も参加してきて…
「ねえ優太君、この人たちは誰? ちょーっと話聞かせてくれないかな?」
青筋立てて話しかけてきた。
そして―――深夜のディーネ家緊急会議が開かれることになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
名前:ユウタ ジンノ
種族:人間族、異世界人
ステータス
レベル50
体力…570/570
魔力…250/550
筋力…203(+8)
敏捷…210
耐久…206(+3)
器用…177
精神…215
意志…205
幸運…7
装備
アイアンソード絶
革の鎧
スキル
鑑定Lv1
魔法
光魔法Lv1
ヒール
ハイヒール
フェアリーソング
フラッシュ
ホーリーソード
炎魔法Lv2
フレイムアロー
フレイムランス
フレイムウォール
ファイヤーストーム
水魔法Lv2
記憶操作
風魔法Lv2
エアーカッター
木魔法Lv1
ツリーカーニバル
ドレインシード
雷魔法Lv2
ライトニング
サンダーボルト
トールハンマー
スパーク
時空魔法Lv5
転移門
転移
アイテムボックス
召喚魔法
フィジカル・アクセラレーション
闇魔法Lv2
ダークボール
ダークエクリプス
ブラックドレイン
複合魔術
風+光:閃光弾
称号
異世界人
武術の心得
残金:558540
ギルドランク:D
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