第11話「最強すぎて困っちゃうぜ」
「カツヨシ様、お代わりお注ぎいたします!」
「おお、よろしく頼むよ」
「カツヨシ様、肩をお揉みいたします!」
「おお、よろしく頼むよ」
「カツヨシ様、お墓をご用意いたします!」
「おお、よろし――いやそれはいらん。というかてめえ! 縁起でもないこと言うんじゃねえぶっ殺すぞ」
俺はふざけたことを抜かす男を怒鳴りつけた。
そう、俺はいろいろあって例の転生クラスの長になっていた。
「いやあ、悪いね皆。スキル全部奪っちゃって。まあでも、その代わり皆に利益は還元してるし? というか俺みたいな天才が有効活用してやってるからむしろ百益あって一害なしっしょ?」
俺はこの前殺したぼっち君からスキル強奪能力を拝借して、見事クラス全員のスキルを強奪することに成功したのだ。武器がなかろうと、この死神パワーで余裕だった。
「んー。でもなんかこの世界飽きてきたな。もういいわ。全員地獄行き! バイバイ!」
俺は強制命令執行スキルを駆使して、クラス全員に閻魔行きの契約書に名前を書かせた。
「そ、そんなあああああああ」
「ひえええええええええええ」
「ふざけるなあああああああ」
「ばかやろおおおおおおおお」
辺りが阿鼻叫喚で包まれる。
「いやあ、いい仕事したなあ。大漁大漁っと」
「あ、勝吉!」
冥界に戻ると、ちょうどヒメが仕事を終えて一段落しているところだった。
「おお、ヒメか。おつかれさん」
「うん、ありがとー。それにしても、今回は凄かったね、あんなにたくさん! 武器とか取り上げられちゃったらしいけど、どうやってあんなに?」
「俺は何かに頼らなくてもやっていける男なのサ」
スキル強奪能力にクッソ頼ったけど、まあそれはノーカンでしょ。
「さすが私の勝吉! 凄い!」
「ははは、それほどでもあるぜ」
面倒そうな任務だったが、存外楽しめた上に楽々終わったし、俺の株も上がったし、一石無限鳥だったな。
全く、俺ってば最強すぎて困るぜ。
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