第6話「学生の死神」

 いろいろ面倒くさい手続きを経てなんとか学園に所属することができた俺は、例の転生者の様子をうかがっていた。


 転生者は絶賛ヒメと会話中。ヤツの脳はやはり性欲で支配されているようで、同じ編入生の俺には目もくれず真っ先にヒメに話しかけてきた。



「もし何かわからないこととかあればいつでも僕に聞いてよ」


「は、はい……ありがとうございます」


 パッと見紳士を装っているが、その実脳内は下心で満ちているに違いない。



 俺はこちらへ戻ってきたヒメに注意する。



「もっと気を引くような態度を取らなきゃだめだ。あいつを惚れさせるつもりでだな」


「ええ……でも、難しいよ」


「男なんて単純なんだからさ、とりあえず一番最初にできた友達なんですぅとか言って食事でも取り付けて、どうぞ」



 ヒメはしぶしぶとうなずき、明日実践してみると言って寮のほうへ戻っていった。



 明日からは授業のようなものも始まるようだし、それに関してのアドバイスとかも聞きにいかせれば不自然じゃないだろう。



「早く冥界に叩き込みてえなぁ」


 俺はもう今日は特にすることがなかったので学園の女子生徒を一人ナンパして一夜を共にして寝た。

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