第2章 魔法学校と復讐
第7話 魔法学校
「…は?」
僕の目の前には、千人はいるであろう人だかりが出来ていた。
けど、みんなの服装や気合の入れ方を見るとみんな目的は同じだと思う。
なんてったって、今日は魔法学校の入学試験なんだから。
僕は受付を済ませて、試験はなんだろうと思っていると、係員の人が説明してくれた。
…なるほど、水晶に触る…と。
「…はぁ⁉︎」
簡単すぎないか?なんか魔法学校の試験ってもっと、こう、実技とか…
…っと、やばい、声が大きすぎた、みんながこっちを見てる…ヒソヒソ話もしてる…帰りたい。
「何あの人…怖くない?」
「うん…左目に眼帯はめてるし…」
…変なこと言われてないだろうか。
『大丈夫よ…多分』
多分か…
僕は、ティーネに左目のやつがバレるとヤバイと教えてもらい、僕は眼帯をはめています。
そうこうしているうちに、僕の番になりました。
「では、こちらの部屋に入ってください」
「は…はい」
「では、そこにある水晶に手をかざしてください」
「はい」
ぼくは、言われた通りに水晶に手をかざしてみると…
パキッ…
水晶が割れました。
「…あ…あの…すみません」
「…………」
…逃げよう。
「す…すみませんでした!…で…では!」
「ちょ、ちょっと待って」
呼び止められた。
「な、なんですか⁉︎」
怒られるんだろうなぁ…
「893」
「え⁉︎」
なんだ893って。
「これがあなたの番号です、明日もう一度ここにきたらボードに番号が書かれています。そこに番号があれば合格、というわけです」
「りょ、了解です」
はぁぁぁ…良かった、怒られると思ってた。
僕はその部屋から出て、居候する家に向かった。
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「…ここか」
僕が居候する家は、なんというか、普通だった。
それと、どうして僕がこの家に居候するかというと、どうやらこの家の人が、僕の両親を知っているようで、快く引き受けてくれた。
といっても、まだ合格が決まったわけじゃないけどね。
「すみませーん、居候させてもらうアルフレイン=レオーネです」
そういうと扉が開かれた。
「は、はい、ようこそ、私の名前は、シーナ=メロードです」
「……………」
「…あのぉ…アルフレイン君?」
「……………あっ、はい、はじめまして」
……めちゃくちゃ可愛い。
「どうぞ、中に、パパとママが待ってます」
僕はそう言われ、家の中に入った。
「おぉ、君がアルフレイン君か」
「うふふ、いらっしゃい」
「えっと、はじめました、アルフレイン=レオーネです、今日からよろしくお願いします」
「うん、よろしく」
「といっても、合格できたら、ですけど」
「えっ、アルフレイン君も魔法学校の入学試験受けてきたの?」
「うん、そうだよ、シーナさんも?」
「うん、私も受けてきたよ、あとシーナでいいよ」
「そうなんだ、あ、僕のことも呼ぶときは、アルでいいよ」
…というか。
「…あれ?僕の両親、何も言ってませんでした?」
「あぁ、僕の友人、つまり君の両親だな、なんも言ってなかったぞ、ただうちの息子をお願いって」
…父さん…母さん。
「あ、そう言えば、自己紹介がまだだったな」
「私は、近くの魔工場で鍛治師をやっているジェイク=メロードだ、これからよろしくな、アル」
おっと、いきなりアルと呼んでくれた、これは嬉しい。
「私は、この家の家事をしてますカレン=メロードです、よろしくね?アル」
優しいご両親だ。
「ねえねえ、アル君?アル君は、試験どうだった?」
おっと、アル君だって…めっちゃ嬉しい。
シーナは、やはり今日受けた試験のことが気になるらしい。
「私は、水晶が真っ白になったから多分合格だと思うけど…」
えっ⁉︎あれって白くなるの?といっても、僕の場合、手をかざした瞬間に割れたんだけどね。
「えっあれって白くなるんだ?」
「うん、あの水晶は自分の中にある魔力を測定するものだから、白くなったら多い、透明のままだったら少ない、そう聞くってことは…透明だった?」
「いや、なんか…手をかざした瞬間に割れた」
「「「割れた⁉︎」」」
え、え、なに?
「えっと…はい、パキッって割れました」
「アル君、同じクラスだったらいいね?」
「え、うん、というかどうして?」
「そりゃあ、水晶が割れるってことは水晶が測れないぐらいの魔力があるってことだから…」
あぁ、だから、係員がびっくりしてたのか…というか僕ってそんなに力があったの⁉︎
…ティーネのおかげ?
『魔力はアルの実力だよ』
良かった、じゃないとなんかズルした感じがあるし。
「ま、シーナ、アル、今日は明日に備えて早く寝なさい」
「はーい」
と、いうわけで僕の入学試験がおわった。
-------
「やったーアル君!一緒のクラスだね‼︎」
「うん、そうだね」
「どうしたの?テンションが低い気がするけど…嬉しくないの?」
そんなわけない、こんな可愛いこと同じクラスだったら嬉しいよ‼︎
「いや、嬉しいけどさ」
「…けど?」
…なんでだ?
「どうして…クラス首席?」
「えー、いいじゃん、一番すごいってことだよ?」
…僕はこうして、魔法学校に合格した。
僕が、クラス首席で…大丈夫だろうか?
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