第11話 イルティー

「イルティーというのはだな、さっきも言ったようにこの世界ではない違う世界から来た人のことをいう」


 僕はガロンさんにイルティーについて聞くために自分の部屋に来ました。


 あ、自分の部屋というのは村長さんに借りてる部屋です。


 そして今この部屋には、僕とガロンさんとレイカと師匠と村長さんがいます……せまい。


「ちょっといいですか?」


「ん?なんだ?」


「いえ、ガロンさんではなくて……みんな何でいるの?」


 僕はみんなに聞いてみた。


「いや、俺も知らないことだからな……何かわかればいいなと」

「アキトさんがいるからです、いつも一緒です」

「わしも知らなくてな……村長として知っておこうと思ってな」


 それぞれ理由があるみたいだ……なんか理由がおかしいのもいるけど。


「ガロンさんすみません、続けてください」


「お、おうそれでイルティーがこの世界に来る理由はまだ分かっていないんだ、偶然、神様のせいとかいう奴もいるがな、まぁようは謎ってことだ」


 そこらへんは分からないのか……当人ですらわからないし、当然か。


「そうなんですか、まぁ僕もいつの間にかここにいましたからね」


「私もです」


「あと、イルティーは集まって軍や国を作ってる奴らもいる、ただ一人一人が強すぎて常に警戒されている」


 そうなのか……イルティーは珍しいのに集まるなんて……


「それとイルティーは特殊な能力を持っているんだ、例えばアキトのように魔法が効かないやつとかだな」


 え……それって前の世界が影響してるのでは?


「え、僕に魔法が効かないのって前の世界が影響してるのでは……?」


「いや、そんなことはないぞ、それは偶然だろう、前の世界で魔法が使えなくてもこの世界で使えるやつはいるみたいだからな」


 そうなんだ、それだったら僕も魔法が使えたかもしれないのか……


「何を落ち込んでいるんだ?」


 おっと、顔に出てたのだろうか?


「いえ、僕はこの能力で魔法が使えないので魔法を使ってみたかったなって……」


 炎とか手から出してみたかった……


「そのことなんだが、多分アキトにも使えるぞ?」


 え⁉︎


「なんか、能力は成長するらしいぞ、だから今は使えなくてもいつか使えるようになるのでは?」


 え⁉︎ 本当に?


「本当ですか‼︎ それなら僕頑張ります‼︎」


 やった‼︎ 炎……


 手から炎‼︎


「他に言うこと……あ、この村のギルドのトップは誰だ?」


「ギルドではないが……討伐隊の団長は俺ですけど」


 師匠が返事をした、何かあるのだろうか?


「一つ言っておく、イルティーと普通の人は分けて組んだほうがいい」


 ん? なんでだ?


「それは何でですか?」


「アキトと、えっと……」


「レイカです」


「レイカか、その二人のどっちかの能力を見たんだろ」


「見ました……普通ではあり得ないほどでした」


 そうだよね、魔法が効かなかったり……クレーター作ったり……


「そうだろう、だから分けたほうがいい、一緒だとイルティーからしたら本気で戦えない、普通の人からしたら近くにいるだけで危ない」


 僕はあまり影響はないけど……レイカは……


「……まぁ、そうですね」


 一瞬ちらっと師匠がレイカの方を向いた気がした。


「というわけで宜しく頼む」


「わかりました」


「というわけで、アキトとレイカこれから宜しく頼む、争いだけではなくてモンスター討伐の協力や貿易などもしていこうと思うから……」


「「はい、よろしくお願いします‼︎」」


 そうして僕たちは解散した。


 ガロンさんが帰り際……


「アキトって村長の家に住んでいるのか?」


 やっぱりおかしいよね、村長の家に住むなんて。


「はい、空いている家がなくって……」


「なら俺の村のやつで作らせようか? 今回の謝罪として」


 おお嬉しい、ついに自分の家が……


「私もそこにすみますから大きいのお願いしますね」


 ……レイカ、本当にどこでも一緒にいるな。


「お、おう……まかせろ」


 ほら‼︎ ガロンさんも困ってる……


「……それじゃあ、またな」


「「はい、ありがとうございます!」」


「こちらこそありがとうな」




 ……イルティーか。


 僕やレイカ以外にもいるのか……そして能力は成長する。


 魔法が使えるかもしれない……


 僕は新しい目標が見つかったような気がした。




 次の日……


 ギャオオォォォォォォォ‼︎


「なに⁉︎」


 え⁉︎ なんの声⁉︎


「なんですか……うるさい」


 隣で寝ているレイカも起きたようだ……


 ……………え⁉︎ レイカなんでここに⁉︎


 え⁉︎ ちょっと……


「ドラゴンだあぁぁぁぁぁ‼︎」


 ドラゴン⁉︎ また⁉︎


 ……僕はとんでもない目覚めをしたようだ。

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