第3話 村紹介
僕は、とりあえず村長に聞きたいことを聞いた。
まず、この村について。
「えっと…この村ってなんて名前の村なの?あと、どんな人がいるの?」
「この村の名前は、エリアナ村です、それと人は…ガンデス、マリー、メリア、アルバが主な人です」
なるほど…
ガンデスさんは鍛冶師でこの村の討伐隊の武器や防具を作っている。
マリーさんは、料理人で、この村の食を支えている。
メリアさんは、医師で、村の健康を支えている。
アルバさんは、討伐隊団長で、この村を守っている。
「そっか、なるほどね」
「えぇ、特にアルバについては、アキト様に命を救われましたから…」
「えっと、じゃあ次に…この世界について教えてよ」
「わかりました、この世界は、一つの大陸でできており、村や国がいくつもあり、さらにドラゴンのようなモンスターがいます」
「モンスターねぇ…」
ここら辺は、よくある異世界ものと同じようだ。
他に聞きたいこと…はないな。
「うーん…とりあえず聞きたいことは、これぐらいかな」
「わかりました、それでは、アキト様、これからどうしますか?」
「うーん」
どうしようか?特にすることもないし…
「それじゃあ、この村をまわってみるよ」
「わかりました、では、ご一緒しましょうか?」
「いや、大丈夫だよ」
そう言って、僕は外に出た。
「うわぁ」
そこは、なんというか、幻想的な風景が広がっていた。
「「「「英雄様⁉︎」」」」
あ…どうしよう。
「皆の者、静まれ、この村を救ってくれた英雄はこの村に住んでくれるそうだ、それとこれからは英雄様をアキト様と呼ぶように」
「「「「ははぁ!」」」」
すごい…これが村長か。
なんか…見直した。
「おい!」
その時、一人の男性が話しかけてきた。
誰だろう?
「えっと、アキト…でいいか?」
「うん、大丈夫だよ」
「じゃあアキト、俺の名前はガンデスだ、この村の鍛冶師をしている」
この人が、ガンデスさんか…
「よろしく、ガンデスさん」
「あぁ、それとガンデスでいいぞ」
「じゃあ、ガンデス、僕に話しかけてきたっていうと…何か用があるの?」
「いや、特にこれといった用事はないんだが…この村を救ってくれてありがとう」
…面と向かって言われると恥ずかしいな。
「いやいや…」
「感謝の印に、今度武器でも防具でもタダでやるよ」
「本当ですか?」
それはありがたい。
「あぁ、本当だ」
「ありがとうございます」
「なぁ…」
そこへもう一人、男性が話しかけてきた。
誰だろう?
「お前がアキトか…今回みんなを救ってくれてありがとう、本当に今回はダメかと思った…」
この人が、団長か…
「そこで、アキトにお願いがある」
お願い?
「なんですか?」
うーん…めんどくさいことはいやだな…
「討伐隊に入ってくれないか?」
え⁉︎討伐隊⁉︎
「僕がですか?」
「あぁ、そうだ…だめか?」
「うーん…」
どうしよう、この世界ですることがないのは本当だけど…
討伐隊か…
「アキトが入ってくれたら、もっと多くの人が救えると思うんだ」
人を救う…か。
前の世界では考えたことがないな…
なにせ、僕は…救えなかった人だから…
「…わかりました、入りましょう」
「おお‼︎本当か?」
「はい、よろしくお願いします」
「それと、一人紹介したい人がいる」
「誰ですか?」
「まぁそろそろ来るから待ってくれ」
そうしていると
「アキトさんですか?」
背後から女性の声で呼ばれた。
僕は声がする方へ振り向くと…
…………佐奈?
…いや違う、似ているだけだ。
あいつは…もう…いない…僕の…せいで…
『彰人?』
…佐奈?
…頭が…いたい…
バタリ
「「「アキト(さん)⁉︎」」」
僕は意識を失った…
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