第8話 異世界サイト『ナルナル』に出撃

 2016年3月26日8時5分。今は、ヨムヨムサイトの新着更新をするか否かで迷っている。金曜日の21時30分頃、読者が多くいるような時間帯を狙って撃った弾丸はPV3。見事に儚く散った。

 だから、とりあえずは近況ノートを更新しツイッターでつぶやく。私の近況ノートがどのくらいの効果を生むかはわからなかったが、当初は結構期待していた。それは、私が意外と他の作家の方の近況ノートを覗くからである。

 しかし、そんなことで本当に大丈夫だろうか……そもそも、私の近況ノートは滑りまくっている。いや、滑っているかは厳密に言えば分らないが、返信機能も無いので公開しても虚しく響くだけ。

 ってか、そんなん誰でもやってるじゃないか。普通すぎるだろそれ。

 そう思いながら、自分のラインナップを眺める。そして、次男『異世界蹂躙』に目をとめた。これは、異世界サイト『ナルナル』の出世作でそちらでは一番評価が高い。ヨムヨムサイトで好評を博したので『医魔女』は敢えなく、そこそこの評価で続いている。

 あー、また更新しなきゃ。やれることは全部やっとか――ん?

 ……その時、ふと思った。

 この話も異世界サイト『ナルナル』でやれないだろうか? 

 ヨムヨムサイトで起きたこの1ヶ月間。果たしてナルナルでの動きはどうだったのか? ヨムヨムの事を気にしない人はいなかったのか。いや、それは無い。絶対にヨムヨムサイトの興味は持っているはずだ。そんな中、赤裸々に語ったこの話題を持って来れば……もしかすると。

 そう思って、異世界サイト『ナルナル』のボタンを検索する。

 見る限り、エッセイめいたものは無い。しかし、今一番読者の興味をそそるものはエッセイなどこのヨムヨムの動向だろう。


 戦じゃー、戦の準備じゃー!


 これは、いける。勝算はある。異世界サイト『ナルナル』に逆輸入してPV数を増やすんだ。あの世界は圧倒的な軍事力を持っている。もし、こちらへ寝返らせることが出来たなら。現代ドラマ部門における優位性を持つことが出来る。

 しかし、ある程度覚悟もせねばならない。ヨムヨムサイトを明かすのだ。売り込むと同時にこちらの弱点を曝すことになる。覚悟は持っていなければいけない。異世界サイト『ナルナル』の上位ランカーの侵略の危険を。


  時間は10時が、いい。ヨムヨムに前話を9時に投入。そして、10時にこれを投入する。そうなってくると、もう時間はあまりない。まずは、異世界サイト『ナルナル』への出撃準備。あちらにも近況ノートがあるようなので、近況ノートにはこの文章をそのまま載せる。最初からこのノリでいくと、狂人扱いされかねないので少々の説明文を載せて。近況ノートにはPVが無いがコメント欄はある。ある程度反響があると嬉しいのだが。


 それより本丸(本編)の準備だ。必ず10時を過ぎた時間帯で投入する。定石だ。あくまでフィクションだから、あらすじもそのまま全て載せてやればいい。紹介URLは、『医魔女』のものを活用すればいい。

 『医魔女』は9時に投稿しよう。まずは、先頭で走らせて様子をうかがう。惜しむらくは『異世界蹂躙』の更新が止まっていること。筆さえ進んでいれば、これを異世界サイト『ナルナル』の柱にして戦うことが出来たのに。

 そんな愚痴を言っても仕方がない。とにかく、奇襲。それしかないのだ。

 全然読まれないから困ってる? 馬鹿だった。そんな待ちの姿勢だから今まで読まれなかったのだ。読者が読んでくれてるのをひたすら待って。違う、討って出るんだ。どうぞ、これがヨムヨムです。そう言って彼らに弾丸の嵐を見舞ってやれ。


              *


 さて、準備は整った。今は9時30分。新着更新の1話のPVは3。30分経過した時点ではそんなに悪くない。と言うか、今更後戻りなんてできない。

 ヨムヨムサイトの新着更新、ナルナルサイトの新着更新、近況ノート、そしてツイッター。多面的同時爆撃を敢行する。ツイッターは惜しいことに、異世界サイトのURLがわからない。だから、途中まで作成しておく。頼むから一昨日みたいに、パソコンの故障によるデリートは勘弁してくれよ。まあ、あれからこまめに保存をかけるようにしているがナルナルやツイッターは保存がきかない。

 リツイート爆撃はどうするか、未だに迷うところだ。ありがとうと感謝されるのでやった方がいいのか。それとも、迷惑だと捉えてやらないようにするのか。

 ……いや、これはやろう。特にナルナルの方々に向けてやろう。新しくナルナルに進撃したことを示してやる必要があるのだから。

 

 とりあえず、これが終わったら医者に行く。胃の調子が悪いので医者に行く。土曜日に空いているところを探して、ついでにがっつり系の飯も食う。矛盾しているが、これが私だ。

 願わくば、下克上を起こしたい。世間から完全に無視されて、『稀代のうつけ』の烙印は押されたくない。

 さて、準備は整った。戦の始まりだ。

 

 読まれぬなら、読ませて見せようホトトギス


 いけー、焼き討ちじゃ―。本能寺を焼き討ちじゃー。



 

 

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