12:終わる時
金井にとっては、いつエイリアンに襲われるか判らない、と言う怖さと、すぐそばに麗香がいるという緊張感から、一晩、まんじりとせずに過ごした。
さすがに寝不足がこたえて、明け方近くになると、うつらうつらしていた。夜が明けてくると、目が醒め、少し気力が戻ってきた。
朝日が差してきたので、窓を開けると、水気を含んだ澄んだ空気が流れ込んできた。
山の夏の朝は気持ちいい。
これがなんでもない日常だったら、きっと心も浮かれたことだろう。
だが、今のままではにっちもさっちもいかなかった。
「なんとか一晩無事に過ごせたわね」
麗香が側に立った。
「大丈夫ですか、寝てないんじゃ」
「二、三日なら大丈夫よ。でも、睡眠不足は判断を鈍らせるから、あまり望ましい状況じゃないわね。早いところ解決しないと」
「いったん村の外に出て、再度出直すことは出来ないのですか? 山側の方から回れば、見つからずにいけるかも」
「そう言う余裕はないわね。村人がいなくなったことは、遅かれ早かれ、他の人たちにもばれてしまうわ。そうなってからでは、対応が取れなくなってしまう。私としては、まだ知られていないうちに、エイリアンと交渉に持ち込みたいのよ」
「じゃあ、ここ数日くらいに、ってことですか?」
「出来れば今日中には。でもまあ、私が引きつけている間に、あなただけ逃がすという手はまだ残されているわ。私は構わないわよ」
「残るつもりですか?」
「それが私の仕事だからね」
仕事と言われると、金井も自分の仕事がある。
「そう言うことなら、僕も残りますよ」
「金井君も? どうして?」
「僕だって、古文書を調べる仕事があります。それに、」
「それに?」
「僕が必要になるかもしれないんでしょう。エイリアンとの交渉には」
それに対して、麗香は何か言おうとしたが、フッと笑うと、
「そうね。その時は助けて貰うわ」
そう言った。
「問題は、どうやって穏便に接触を図るか、よね」
「ある程度までは近づけるんじゃないですか? あの蛇部分も、一定の距離までしか伸びないでしょうし」
「襲われないところまで近づいて、現れた蛇男に交渉を持ちかけるって事?」
「だめですか? 蛇男の人はお知り合いなんでしょう。うまく行くかも」
「そうね……」
麗香は考えてみた。
そこが本当に蛇胴体の伸びる限界点なのかの見極めが難しそうだ。
だが、少しずつ近づいていくのは、一つの方法だろう。相手に無用の警戒をさせず、様子を見させる余裕を与えることが出来る。野生動物と接触する場合もそうだ。
蛇男と化した木田と交渉するよりも、むしろ、あの少女が出てきてくれれば、こちらの意志を伝えさせることが出来る。
「あの女の子、名前はなんていうのかしら」
「ああ、たしかルミちゃんと、言ってましたよ」
「名乗ってくれたの?」
ええ、と金井はうなずき、少し顔をしかめた。
「向こうは僕のことを、おじさん、と呼んでました」
おじさん? 麗香は金井の表情を見て、ぷっと吹き出した。
「だから、自分の名前を教えて、年齢も言ったら、今度は金井、と呼び捨てにされましたけど……」
「よかったじゃない、あの子に親しまれてて、金井オジサン!」
「麗香さんまで。やめて下さい」
金井は真顔で文句を言った。麗香は笑い、
「じゃあ、ここから出て少し進んだら、ルミちゃん、って呼びかけてみようか。金井君も一緒だったら、顔を見せてくれるかもしれない」
「そうですね」
十時頃に、ふたりは家を出た。
時間をやや遅くしたのは、留美が確実に起きていていることを想定したためだが、ふたりが寝不足で、いざというときに身体が思ったように動かないことを考え、少し準備運動をする時間を取ったこともある。
来た道を戻るように、ふたりは支流沿いに村の中心部へと歩き出した。
見たところ、お屋敷の方から何か出てくるような様子はない。
麗香が先導するようにゆっくりと進む。
村は静まり返っているが、麗香にはまだ、何者かに見られているような気配が感じられた。
こっちを見ているのかしら。それとも感じている……?
金井が連れ込まれた家に続く路地まで来たので、角に立って、そっと覗き込んでみた。
誰もいない。
少しホッとして、念のため、路地の中に入ってみる。
奥の方に壊れた家が見えた。たぶんこの家に連れ込まれたようだが、慌てて逃げたので、金井は良く覚えていない。ただ改めて見ると、かなりひどく壊れている。
その手前、右の方にある狭い路地をなにげに見た二人は、思わず足を止めた。
先端に老人の付いた蛇胴体がぐったりと地面に横たわっていた。
金井は思わず後ろへ二、三歩後ずさった。
しかし、老人も蛇胴体も全く動く様子がない。
「……?」
麗香が慎重に近づいてみたが、やはり動く様子はない。
「死んでるんですか……?」
金井も近づいてきた。金井が泊まっていた家の老人ではなかった。別の男性だ。
「死んでいるみたい。でも蛇胴体の方は死んでいるのか、あるいは、死にかけなのか、ちょっとわからないわね」
麗香は触ってみようかと思ったが、余計な刺激を与えてエイリアンの警戒を高めるのもまずいだろうと思った。
気の毒に、と金井は老人の遺体を見て思ったが、蛇胴体の方も気になった。
「なにかあったんでしょうか」
「弱っているのは間違いなさそうだけど……」
エイリアンが弱っているとすれば、墜落のせいか。
出来れば死ぬ前に接触を果たし、説得が可能ならそうして、五月機関に収容したいところだが。
「たどって行って見ますか?」
「そうね……。いや、まず先にルミちゃんを捜しましょう。何か知っているかも」
そう言って、麗香は「ルミちゃーん」と大声を出した。
金井も名前を呼んでみる。
「……」
しばらく様子を見てみる。セミの声以外、本当に静けさが拡がっている。
再度、二人は大声を出して呼んでみた。
「麗香さんはそっちで、僕は川の方から呼びかけてみます」
金井がそう言って、路地を支流の方へと駆け出した。
「蛇胴体に気をつけるのよ」
「はい、わかってます」
麗香は壊れた家並みの方へ呼びかけてみる。金井の声も聞こえてきた。
何度か間をおいて呼んでいると、
「カナイ」
とどこかで声がした。
金井が振り向くと、下流の方から女の子がかけてくるのが見えた。
「ルミちゃん! 麗香さん、ルミちゃんいました」
留美の姿は、かなり薄汚れていた。ここ数日着替えていない上に、麗香と金井をあちこち探し回ったからだ。日が暮れて一旦は戻ったが、朝になるとまた探し回っていた。ちょうどそこに声が聞こえてきたのである。
留美は側に駆け寄ってくると、
「おねがい、助けて!」
と金井の裾を掴んだ。
「どうかしたのかい?」
「助けてほしいの」
駆けつけてきた麗香は、その様子に勘違いした。
「大丈夫よ、私たちと一緒にいれば護ってあげるから」
「ちがうの。あの人を助けてほしいの」
「あの人……?」
留美は涙を浮かべていた。
「あの人って、誰のこと?」
留美は涙を拭くと、
「ノラーンのこと。ノラーンはあなたを殺そうとしたけど、あの人はわるい人じゃないのよ。怖がってるだけなの」
麗香と金井は顔を見合わせた。
ノラーンって……。
留美は二人の袖を掴んだ。
「お願い、あの人を助けて……」
「あの人って、あの怪物のことなのかい?」
金井が尋ねると、
「怪物じゃないよっ、ノラーンはいい人なのっ」
留美は涙声で怒鳴った。
「ご、ごめん……」
金井は慌てて謝った。
「ノラーンって言うのね?」
留美はうなずいた。
「あの人は、ノラーンっていうの。自分でそう言ってたの」
「ノラーンか。そう言う名前なのね。で、どうかしたの?」
「病気みたいなの」
「病気?」
「空から落っこちてきた時に怪我したのかもしれない。様子が変なの」
そう言うと、留美は、麗香の腕を取った。
「ねえ、たすけて。ノラーンを助けてほしいの」
「うーん……。でも、お姉ちゃんは、ノラーンに警告されたのよ。あなたが言ってたじゃない。近づいたら殺されちゃうかもしれないじゃない」
「たぶん大丈夫。ノラーンも前みたいに警戒してないもの。それに……」
「それに?」
「ノラーン、あなたたちに何かしてもらいたいことがあるみたい」
「僕にも?」
留美はうなずいた。
金井は麗香を見た。麗香も金井を見る。
「どうしますか? 様子も変だし、この子の感じでは罠だとは思えないけど……」
「そうね。いい機会かもしれない」
ふたりは留美についてお屋敷へ行くことにした。
お屋敷の方へと上がる道の交差点まで来たところで、麗香が突然、「ごめん、ここで待ってて。車を取りに行くるから」と言って返事も聞かずに橋の向こうに止めたままの車の方へ走っていった。
金井と留美が待っていると、ほんの二分ほどで四輪駆動車が戻ってくる。
「わざわざ車で来なくても、すぐそこですよ」
金井が運転席の麗香にそう言うと、麗香は小声で、
「いざというときのためよ。昨日のようなことがまたあったらまずいでしょ。それにエイリアンを乗せて運ぶことだってあり得るわ」
「そっか、怪我で動けないと言うこともありますからね」
麗香はお屋敷の下の坂道の途中に向きを変えて車を止めた。ここからさらに短い坂を上げるとお屋敷だ。坂の下に止めたのは、車を壊される可能性も考えたからだ。
門の所まで来ると、古くて立派な母屋が見えた。
表側は一見すると何事も起こってないように見えた。
だが、木材の破片や、瓦などが散らばっている。
左手の奥には、立木に隠れて白壁の蔵が半ば壊れて見えた。
「あれは……」
金井は壊れた蔵の方に近づいていった。
「金井君?」
麗香が呼びかけて付いてくると、母屋の後ろの方が見えてきた。
建物の後ろ半分はめちゃくちゃになっていた。
「これで良く建っていられるわね」
「たぶん、柱や梁が太くて頑丈な自然木を使ってるんでしょう。昔のお屋敷には良くあります。地震にも強いんですよね」
建物の後方には山の斜面があり、立木が倒れ、えぐり取られたように崩れ落ちて、茶色い地肌が見えていた。
そしてその枝や瓦礫の隙間に、金属らしきもので出来た物体があった。
全体像はよくわからなかったが、そう言うことに疎い金井でさえ、それが地球のものではないことは想像が付いた。
大きさは最大見積もっても2~30mというところか。
もし遠い宇宙から飛来してきた宇宙船であれば、かなり小型の乗り物だと言える。
「あれって、もしかして……」
「たぶん、そうでしょうね」
「こっちにきて」
と声がした。
留美が玄関側で二人を見ていた。不安そうな顔をしている。勝手に動き回る大人にやきもきしているのか、それともノラーンというエイリアンのことが心配なのか。
「戻った方が良さそうよ」
「すみません、つい……」
玄関からお屋敷に入った。
建物はなんとか倒壊せずに残っているが、かなりの振動だったのだろう。窓が割れていて、家具も転倒している。床のほとんどが散らばった置物や本や破片だらけだった。
「こっち……」
留美に連れられて、屋敷の中をどんどん奥へ行く。たくさん部屋がある。いかにもお屋敷だ。途中で二本の蛇胴体が現れた。力なく横たわっている。
「ここ」
そう言って留美が振り返った。蛇胴体が中へと続いている。
斜めになった障子戸をくぐると、部屋の中はかなり暗かった。和室でほかの部屋や廊下に囲まれて、外に面する窓がないのだ。電灯も壊れていた。
留美が入り、麗香、金井の順に部屋の中に入った。麗香は警戒しているようだった。
なにか薄暗がりに、小さな光が何個か見える。
それに目が止まり、それから目が慣れてくると、真正面にいる「者」が見えてきた。
金井はあんぐりと口を開けて、それを見上げた。
「こ、これが、ノラーン……」
部屋の奥にいたのは、身長三mはあるかという大きな「人」だった。
ノラーンは黒にちかい焦げ茶色の皮膚をしていた。
女性のような顔があり、大きめの目も正面を向いていた。目は人間のそれによく似ていたがまぶたや瞳のようなものはない。薄い膜の張った青い色をしている。鼻と口はない。痕跡もなかった。頭の上からは、太い髪の毛、と言うより、細い蛇のような物が多数生えている。それはわずかにわさわさと動いていた。神話に出てくるメデューサを実際に見たら、こういう物かもしれない、と金井は思った。もしかすると古代にノラーンの仲間が地球に来たことがあって……。
胴体は皮膚と同じ黒っぽい色の機械のような物で半分ほど覆われていたが、皮膚がむき出しになっているところもあった。機械にはダイオードのような小さな灯りが所々に点滅している。
女性の身体を思わせるなめらかな曲線を描いていて、肩の辺りから腕が生えており、機械に覆われた胸のあたりも女性のように少し膨らんでいる。腰はくびれ、その下はどっしりと大きく拡がっていたが、足はなく、機械のような金属風の物で覆われていた。それは後ろの壁から突き出ている膨大な機械とつながっていた。さっき少し見えた宇宙船の一部だろうか。
全体を見ると、表現は悪いが、メカニックな金属ナメクジの上に人間の腰から上が乗っかっているような、そんな外見をしていた。
ただ、大きさは人間よりもかなり大きい。頭が天井まで届いていて、窮屈そうだった。
麗香と金井を襲った太くて長い蛇状のものは、ノラーンの身体の後ろの方から、左右三本ずつ出ていた。
そのうち一本はぐったりとして力が無く、二本は部屋の外へ伸びており、一本は部屋の中をうねりながら、ぐるっと回っていて、その先端に男がくっついていた。金井は男に気づいて思わず声を上げそうになった。
「木田さん……」
麗香は眉をひそめてつぶやいた。木田の身体はぼろぼろになっていた。顔も無残に潰れている。生きているようには見えなかったが、それでも立っていた。
木田のくっついた蛇状のそれは麗香や金井の様子を探っているようだ。
残りの二本はそれほど太くなく、長さも短くて、なぜかノラーンのお腹のあたりにめり込んでいた。
金井が蛇状のものをぐるっと見回していると、
「これはワタシの腕だ」
突然木田がそう言った。もちろん木田自身が言っているのではなく、ノラーンがそう言っているのである。
「腕なのね……副腕ってところかしら」
「フクワン……」
「副次的な……、うーん、説明するのが難しいけど、その腕とは別の腕、と言う意味で言ったの。気にしないで」
と麗香はノラーンの手を指さした。
ノラーンの肩から伸びている二本の腕は細長いが人間にそっくりで、先には四本の指を持つ手がある。
蛇のような副腕は、腕とはまるで似ても似つかぬ代物だが、確かに使い方から見れば腕、あるいは手の範疇に入ると言えるかもしれない。
それで麗香は副腕と呼んだのだろう。
ノラーンはその太くて長い蛇のような副腕を使って、人間や動物に突き刺し、コントロールするのだが、それだけでなく、その肉やその他の有機物を吸収して再合成し、成長していた。長さは腕によってまちまちで、短い副腕は収縮しているときで二~三m程度しかないが、長いものは、のばすと二百m以上にもなった。最初からその長さだったのではなく、吸収してどんどん伸びていったのだ。太さも短い腕はおおよそ十cm程度だが、長い腕は五十cm近くの太さがあった。
村人や村で飼われていた牛などを吸収して、そこまで再合成したのである。
副腕の先端は開くようになっていて数本の触手があり、触れながら相手の生き物や物の様子を探ったり、肉体を乗っ取った状態の人間の中枢に接続して、コントロールすることができるわけである。
ノラーンは、ぐぐーっと上半身を動かした。壊れた天井板の破片が落ちてくる。
金井が思わず二、三歩後ずさりした。
「オマエたちが、来るのヲ……待っていタ」
木田がしゃべる。ノラーン自身は言葉をしゃべらない。
口がないのだから当然だが、仲間とはどうやって意思疎通するのだろうか。
私の能力はあまり活かせそうにないわね。
メタ言語学を修めたゆえに交渉するよう命じられた麗香だったが、しゃべるのとは異なる方法なら意味がない。また木田の持つ中枢を介しての会話しかできないのであれば、メタ言語学は必要ないだろう。でも、ノラーンの人間を乗っ取って行う会話能力は興味ある事例であった。ノラーンの知的体系が、人間のそれと近いことを意味している。
「私たちになにか話がしたいのね」
「オマエたちに……危害、加えることナイ」
「ありがとう。それで?」
「オマエたちは……、どれくらいのチカラ……、技術があるノカ?」
「技術? どういった分野の?」
「分野……」
ノラーンはちょっと考え込んだようだ。木田の脳の分析を進めて解読しているのだろうか。
「宇宙へ出る技術ダ。星々をまたいで飛行出来るノカ?」
恒星間飛行の事かしら……。
「宇宙へ出ることは出来るけど、この星の周辺を移動するのがやっとの程度しかないわ」
「……理解シタ。他にモ聞きタイ……オマエたちは……レイビア、を扱えるノカ?」
レイビア?
「レイビア、っていうのがわからないわ」
「この男はレイビアを判らナイ。オマエたちも判らないノカ?」
「判らないわ」
「……」
ノラーンは上半身を揺らした。麗香にはそれが「彼女」が困惑しているように見えた。
「光……を、どれくらい扱えるノカ。集める事は出来るノカ? 光の波……波を一つに整えられるノカ? 張り巡らせて浮かすことは出来るノカ? 拡張……して重ねることは出来るノカ?」
麗香は考えた。光学的な技術のことのようだ。
「たぶん、集めて整えることは出来ると思うわ。でも、あとの二つは出来ないと思う」
「出来ないノカ……」
麗香はなんとなくわかってきた。
ノラーンは、私たち人類の技術のレベルを諮っているんだわ。
しかも、何か特定の方面に必要な技術を。
なんだろう……。
宇宙船を修復する技術だろうか。
「ケヅグは判るノカ?」
「ケヅグ……それもよくわからない」
「ケヴ……の三つめと四つめを……作り替えることは出来るノカ?」
「ケヴというのが判らないわ」
「ケヅグは、ケヴの三つめダ。……フネ……、フネのギネディルは……、ケヅグを作り替えると動かせル」
「ごめん、ほとんどわからないわ。宇宙船のことだとは思うんだけど」
「動力源のことを言ってるんでしょうか」
金井が麗香に聞いた。
「たぶんね。なにかの物質を変換すると動力に使える、と言うようなことだと思うんだけど。核融合とかそういうことなのかも。本部に帰って私が使っているデータベースで分析しないと、この場だけでは正確なことは無理だわ」
「本部って、昨日言っていた五月機関とか言う」
「そう」麗香はうなずいて、ノラーンを見た。
「ノラーン、と言ったわね。あなたが了承してくれたら、あなたを私の組織に連れて行きたいの。そこなら、あなたの言葉もわかると思うわ。どう?」
ノラーンは黙り込んだ。
「私たちは、あなたに危害を加える気はないの。むしろ友だちになりたいわ」
「トモダチ……?」
「そうよ。あなたには教えてほしいことがたくさんあるの。あなたが乗ってきた宇宙船、フネのことや、宇宙でいま起こっていることを」
「……」
「あなたの役に立てると思う。宇宙船も修復出来るかもしれない。あなたの技術に比べれば、私たちの技術は後れている。でも、理論の研究は行われているの。あなたに教えて貰えれば、私たちの技術は、あなたたちの技術にまで進められると思うの」
ノラーンは黙っていた。
うまく通じただろうか、麗香には自信がなかった。出来るだけ、意味が通じるように単純化してみたのだが。
「オマエたちには、無理ダ」
「無理って? なにが無理なの?」
ノラーンの技術を手にすること?
「オマエたちは、スールーの事を知らナイ」
「スールーってなに?」
ノラーンは上半身を動かした。うめき声のようなものが聞こえる。木田の口からではなく、ノラーンの身体から聞こえた。背後から、高音域の信号音のような音が聞こえた。
副腕の一つががくん、と大きく脈打った。
「ノラーン、しっかりして」
留美がノラーンの機械で覆われた腰のあたりを触った。
「大丈夫? 調子が悪いみたいだけど……」
「ノラーン、もう、無理しないで。……ねえ、お願い、ノラーンを助けて」
留美は二人を見た。
「わかってるわ。ごめんね、なかなかうまく言葉が通じないの」
留美はどうやって、ノラーンと意志をかわしているのだろう。
ノラーンの手が伸びてきて、指が留美を触る。
「無理しちゃダメだよ、ノラーン」
留美はノラーンの指から意志を感じられるのかしら。私もあの指を触れば判るのかしら。
「オマエ……タチは、スールーを知らナイ」
同じ事を繰り返した。
「スールーってなに? 何かの技術のことなの?」
「スールーは、宇宙を破壊……。オマエたちには……無理ダ。スールーは、ノラーンよりも……上の力をモッテイル……オマエたちの……」
そのあと、木田の口からは、なにか意味のわからない言葉が数語出てきた。
麗香は、ハッとしてノラーンの顔を見上げた。
まさか……。
「ノラーン、スールーってのは、銀河系を侵略している生命体の事ね、そうなのね?」
ノラーンは返事をしなかった。苦しそうに身体を動かす。
「教えてノラーン。スールーってどういうものなの? どれくらいの力を持っているの? ノラーン、教えて!」
「だめ、ノラーンは病気なんだよ」
留美が止めた。
「でも……」
麗香は戸惑った。もしかすると重大な情報が得られるかもしれない。
「様子が変ですよ。治療した方がいいんじゃないですか?」
金井もそう言った。
「……わかったわ。ノラーン、あなたの身体を治したいの。そのためには、私と一緒に来てほしいの。いいわね?」
「ノラーン、病気を治してくれるって」
留美も言った。
すると、
「無理ダ。ノラーン……ワタシは、……損傷……してイル」
「それを治してあげるの。心配しないで、あなたに危害は加えないわ」
「無理ダ。損傷は……、オマエたちはガウェヴを判るノカ? 治すにはガウェヴがいル……」
「ガウェヴ……」
何か必要な物があるのね。
麗香は自分にいらだってきた。ノラーンを助けるには、ノラーンの言葉が理解出来ないとダメだが、それには五月機関本部に連れて行かなければならない。どう説得すればいいの?
「とにかく、本部に連絡するわ。からだが大きいし、車じゃ無理ね。輸送機を持ってきた方が良さそう」
「輸送機って……、飛行場もないのに、どうやって」
「双神山基地にティルトローターの輸送機があるから、それを持ってきてもらうわ。あれなら垂直離着陸出来るから」
「双神山って……、鰐塚山地にある山の?」
金井は宮崎の歴史を研究しているから、地名は大体知っている。鰐塚山地は宮崎市の南西にある山地帯だ。
「そうよ。山中に地下基地があるのよ。ほんとは、まだあまり目立つことはしたくないんだけど、そうも言ってられないわ……」
「あんなところに、地下基地なんて……」
金井は首をかしげたが、
麗香は構わず、携帯を取りだした。
「無理ダ」
また木田の口を介してノラーンが言った。
「ワタシの身体ハ、モウスグ止まる……」
「止まるって……、待って。そんなに時間はかからないから」
「オマエたちに、渡したい……モノがアル」
「渡したい物……?」
麗香は携帯の操作を中断した。
ノラーンの二本の副腕がモゴモゴと動き出した。背中から伸びてお腹に入っている副腕だ。
苦しそうにノラーンは上半身を動かした。その大きな目が左右に引っ張られるように細くなる。
「オマエたちに、コレを……渡したいノダ」
「渡したい?」
腹に入っていた二本の副腕が、メリメリと動き出し、腹部からボコッと何かを引っ張り出した。大量の液体が飛び散り、三人の身体にもかかった。副腕がでたあと、ノラーンの腹には大きな穴が開いていた。副腕はもともと背中とお腹をつないでいたのではなく、お腹の中に無理矢理挿入していた感じだった。穴からはドロドロと薄青い液体が出てきた。人間で言うなら、血液のような物ではないのか。
金井はその様子を見て顔をしかめた。
出てきたのは大きな銀色のかたまりだった。濡れているせいか光沢がある。
内臓、じゃないわよね……。
腕が麗香の所まで伸びてきた。渡すらしい。麗香が両腕を出すと、どさっと、その銀色のかたまりを渡された。
思ったより重かったので、麗香は慌ててドロドロの液体がかかって滑るその大きなかたまりを抱えなおした。頑丈に出来ている。
「これはどういうこと? 渡したい物ってこれなの?」
「ワタシの……子供の……殻ダ……」
子供? 卵……なのね。
「まさか卵なのか?」
と金井もつぶやいた。
「大丈夫なの? 身体の外に出しても……死んでしまわない?」
「……大丈夫ダ……。その中にいれば死なナイ……。シバラクすれば……、子供が出てクル……。子供をまもるノダ」
ノラーン……。
麗香はちょっと複雑な気分になった。
ノラーンは母親だったのか。それで、近づいてきた村人を襲ったのね。
でも、見知らぬ異星人に、自分の子供を渡すのはどうしてだろう。身体が弱っていると言っても、心配じゃないのかしら。
「生まれた子供はどうするの? 食べ物は?」
「ワタシと同じダ。ソノ殻が子供を……育てる。……出てきた子供ニハ腕が生えてクル。あとは……、コレを……食べさせレバいい」
と木田の体を揺らした。揺らされながら、しゃべっているのである。
「えっ、いや、それは……」
と金井が言いそうになったが、麗香はそれを制した。余計なことは言わない方がいい。ノラーンがどういう意味で木田の死体を揺らしたのか、仮に人の肉で問題ないのであれば、人間を与えなくても、ほかに方法はある。
「でもどうして、子供を私に?」
「ワタシは……長くは……動ケナイ」
「大丈夫よ、治してあげるから。お腹の傷だってすぐに」
「チガウ……。ココに……落ちた時、ワタシの中で……障害……起きタ。少しずつ止まり……、全体に拡がっテいるノダ……」
墜落の衝撃か。どこかを損傷したって事ね。そう言えば、副腕のひとつはここに来た時すでに力なく横たわっていた。
「治すことは出来ないって言うの?」
「デキナイ……。モウすグ、ワタシの……キュスク……、止まルのダ。ワタシが止まれば……、フネは止まらなくナリ、消えてしまウ。フネの中にある……ギネディルはワタシによって抑えラレている。ワタシが止まれば止まらなくナリ、……スベテを放出シテ消えてシマウ。ココも……コノアタリもみな終わりダ。オマエタチも終わりナノダ」
損傷が激しい木田の口を経ているせいか、それとも操っているノラーンの身体が弱ってきているからか、ノラーンの言葉はぎこちなかった。理解しようと耳を傾けていた麗香は気付いた。
「それって……、あなたの宇宙船が爆発するって事?」
「バクハツ……。ソウダ。ソウイウコトダ。ワタシトフネ、同じナノダ……バクハツでシヌ。……ココカラ去レ。子供ヲ、マモレ」
「どういうことだ?」
金井が麗香の方を見た。
「おそらくだけど、ノラーンの体と宇宙船は機能を共有しているのよ。彼女が死ねば、宇宙船はコントロールを失い、たぶん機関部分が暴走して爆発するみたいね」
金井は呆然として異星人の大きな体を見た。
「この辺り一帯はみな爆発に巻き込まれるのね」
「ソウダ。フネのチカラは、……五千……メビュースヲ……コエル。マワリニアルモノミナ……スベテキエル……ノダ……」
メビュースというのがどのくらいの単位かは判らなかったが、事態の深刻さは理解できた。
ノラーンの言葉はとぎれがちになってきた。大きな体が苦しそうに時々動く。
どさっと、木田の身体が倒れた。支える力もなくなったようだ。
それでも倒れたままの木田の口は動いていた。
「……ワタシノ……コドモヲ……マモレ。ソシテツギノ……ノラーンヲ……」
「最後に一つだけ聞かせて。スールーってのはどんな種族なの?」
ノラーンはすぐには答えなかった。苦しそうに身動ぎしていたが、
すーっと、手を伸ばすと、麗香のおでこに触った。
その途端、麗香の頭の中に、情景が広がった。宇宙だ。その中に浮かぶ巨大な物体。手前には表面にびっしりと輝いた点が見える惑星らしきもの。
「こ、これは……」
さらに、奇妙な設計図のようなもの、不思議な文字の列、星図のようなもの、次々と膨大な情報が麗香の頭の中に流れ込んだ。麗香は身動きしないまま、その情報を注がれ続けた。
「れ、麗香さん……」
金井が不安になって声をかけるが、反応がない。
数分してノラーンの手が離れると、麗香は我に返った。今のは一体……。
「麗香さん、大丈夫ですか……」
「う、うん……」
ノラーンの指から麗香の脳へとインストールされたと思われるデータの数々は、頭の中で渦巻いていた。しかしすぐには消える様子がない。頭が混乱する。若干吐き気がした。
「……イソゲ……。ジカン……ナイ」
麗香は、ぎこちなくうなずいた。そして頭を振った。意識をはっきりさせよう。教えてもらった情報は大事だが、いまは生き延びるほうが先だ。ノラーンの卵細胞が入った銀色の殻を背負っていたデイパックにそっと入れた。大きさはギリギリだ。
全く予想外の連続だけど、考えている暇はない。
「行こう金井さん。時間がないわ」
呆然としていた金井も我に返るとうなずいた。
「留美ちゃんも行こう」
留美は首を横に振った。
「いや、わたしはここにいる。どこにも行かない」
「ここにいたら死んじゃうわよ」
「いい。一緒に死ぬ」
「バカなこと言わないの。さ、行こう……」
「ノラーンと一緒にいる。ノラーンと……」
留美は泣きそうになった。
自分を大事にしてくれた両親が亡くなり、この村に来て以来、彼女に家族はいないのも同じだった。祖父母からいじめられることこそ無かったものの、その関係は無機的なものだった。村人もそんな留美をどこか扱いかねていた。
だが、ノラーンは別だった。少なくとも留美にとって、ノラーンは心の通う相手だった。そのきっかけが、ノラーンが唯一の子供だった、すなわち他の村人と違っていた留美に興味を持ったとしても、留美にとっては同じことだった。
結果的に留美はその不気味な異星人と心を通わせたのだから。
離れたくないのは当然だろう。
だが、麗香にしてみれば、はいそうですか、と置いていくわけには行かなかった。
麗香が留美の手を取ると、留美はいやがった。
二人のやりとりに金井がそわそわしだした。
ノラーンが卵を取りだした二本の腕も力を失って床に横たわっていた。もうかなり弱っている。
麗香は腰を下ろすと、留美の目線と同じにした。
「留美ちゃん、ノラーンはもうダメなの。でもね、ノラーンの子供達はここにいるわ。私はノラーンから子供を連れて行くように頼まれたの。それはね、あなたも同じよ。ノラーンは、あなたに生きるようにいっているの」
留美はノラーンを見た。
と、その時、ノラーンは手をゆっくり動かして、留美の頬にその長い指を当てた。
留美はびくんと体を震わせた。
ノラーンは何も言わなかったが、留美には、行きなさい、といわれているような気がした。
留美は首を横に振る。
ノラーンの指が、留美の頬をなぞったあと、おでこにそっと触れた。
数秒が経過した。
留美は涙をぽろぽろと流して小さくうなずいた。
そして、一歩二歩と後ずさりすると、涙を拭い、パッと向きを変えて部屋を飛び出していった。
少女は半壊状態の屋敷の中を走り抜け、外に出た。そこではじめて振り向き、傾いた家を見つめた。
金井は留美に続いて走り出そうとして二、三歩歩き、それから、振り返って異星人の姿を見た。ノラーンと目線が合う。
金井もひとつうなずくと、部屋を出た。
「ノラーン、後は任せて。あなたの子供は必ず助ける。だから、もう少しだけ頑張るのよ」
「……」
ノラーンは苦しそうに体を動かした。
「ごめんね……情報ありがと」
麗香も部屋を飛び出した。
外に出ると、留美は坂の下に停めている車の方へ向かって走っていた。金井は文字通り足踏みしながら麗香を待っており、彼女が出てくると口を開いた。
「古文書を取ってくるよ」
それが言いたかったらしい。
二人は坂を駆け下りる。先に降りた留美は車のドアを開けた。
「ちょっと古文書って……、あっちの屋敷によってく気? そんな時間ないわよ」
「時間無くても、あれは持っていくんだ」
「どうして、たかが古文書じゃない。この村はもうすぐ爆発消滅しちゃうかもしれないのよ」
麗香が走りながら呆れると、
「この村が消えてしまうのならなおさらだ。村人もみな死んだ、村も消えてしまう。なら、すこしでもこの村の歴史を残さないと」
麗香は沈黙した。金井の言うことに必ずしも賛同したわけではないが、おとなしいだけの学者さんだった彼が、このようなことを力説するとは思わなかったのだ。その気迫に何となく押されたような感じで、うなずいた。
二人は車の所にたどり着いた。
「わかったわ。乗って。急いで取りに行きましょう。ただし、時間は一分よ」
「充分だ」
金井はうなずいた。一分に根拠などないが、時間はそこまでせっぱ詰まっているような気がしたのだ。
麗香は運転席に座ると、エンジンをかけ、ギアを入れて、急発進した。速度を上げながら坂を下り、交差点を横切り、古い石橋を渡り、金井のいた屋敷の方へ続く坂道を上がっていく。
麗香の四輪駆動車が走り去る音は、ノラーンにも聞こえた。
内部から崩壊していくような異様な感覚が拡がっていく中、ノラーンは、金井との話の中で出てきた「歴史」という考え方を思い出していた。
ノラーンの種族の間では遠い昔に失われてしまった思想。
彼女はそれを自分の人生に当てはめてみた。
それは長い長い旅。
もう、その始まりを思い出すこともない。
思い出されるのは、豊かだった時代。
繁栄した星々の海。巨大な宇宙船の列。きらびやかな宇宙都市。
個を極限にまで尊重し、その生存のため、生体と機械の融合した銀河でも有数の大文明。
機械の翼を身体に付けて空を飛び、
惑星を覆う幾層にも重なった巨大都市を巡り、
光の河に身をゆだね、
時々、思い出したように、同族と生体子を交換した。生まれた子どもたちは、機械と融合し、都市の中や宇宙へと飛び立っていった。
数百年の時が過ぎ、
そして、
栄光の時代は突如終わりを迎えた。
暗黒の宇宙の彼方に現れた膨大な光の点。
死と破壊だけをもたらす謎の侵略者スールー。
交渉も通じず、一方的に始まった戦争。
ノラーンの種族には理解できなかった。
社会と技術を極力「個」のために作り変え、国家というものすら存在しないノラーンにとって、恒星間宇宙文明を築きながら、古びた本能と社会性も残したままのスールーの侵略は、ありえないことであった。
戦いに次ぐ戦い。しかし固有の武力を持たず、急遽作られた兵器も、スールーの前では殆ど役に立たなかった。ノラーンの種族は組織を作って戦うことができなかった。生態としてもはやそれは失われていたからだ。
燃えながら恒星に落ちていく宇宙船。食い尽くされてしまった故郷の惑星。滅びていった同族。残った同族と生体子を交わし、宇宙船と融合して炎に包まれる都市から飛び立つ。惑星ほどもあるスールーの母殻船から逃れ、群がり追ってくる戦闘船をかわし、星々の海へ。
何十年もの孤独の逃避行。
その果てに現れた暗黒の中の青い惑星。
長い年月で動かなくなっていた装置。
かろうじてコントロールしながら不時着を試み……。
少女の顔が浮かんだ。
この星の奇妙な種族。自分たちよりもはるかに原始的な文明。
墜落の直後、次々と現れたこの星の種族におびえ、殺し、あるいはその身体を乗っ取り……。
そして留美に出会った。
そのあとに生まれた奇妙な心の交流……。
ノラーンに、人間が感じるような意味のおかしみはない。しかし、この時ノラーンは、自分の生きてきた歴史と、最後に出会った三人の地球人との交流を不思議なものに感じた。
不思議な感覚と苦しみが交差し、ノラーンは身じろぎした。
腹部に開いた穴から体液が流れ出る。そこは自分の卵のあった場所。
他の星の種族に自分の子供を託することは、ノラーンにとって最初で最後の事だった。他の生物を信用しないノラーンが、最後にしたこと。
それは、生物として、自らの分身、自らの証を残すことだった。破滅的な戦争によって壊滅的な打撃を受けたノラーンの種族に、あとどれだけ生き延びた者がいるかわからない。個々に宇宙へと逃げ去ったものや、元から恒星間宇宙を旅していたものだけが、わずかに放浪していることだろう。そして今、その一人だった自分も終わろうとしている。
だが、子供たちが生き延びてくれれば、再び復活することもあるだろう……。
あと少し、あと少しだけ、この体よ、保ってくれ。
そう思いつつ、ノラーンの意識はゆっくりと暗黒に包まれていった。それは宇宙と同じであり、そこには、もはや何もなかった。
ノラーンの体が力を失い壁にもたれかかると同時に、宇宙船の船室に高周波の警報が鳴り響いた。人間にはかろうじて聞こえるか聞こえないかの高い音である。
それは破滅が目前に迫っていることを意味した。
ノラーンの生命によって安定していた宇宙船の動力炉は、急激に出力を高めていった。
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