第2話
でも、良い事もあったのよ。
俺=乳毛がすっかり定着していたからね、俺が女の子を見ると皆顔を赤らめるんだよね。多分、俺を見ると乳首を想像するんだと思う。噂で耳にしたけど、「乳毛君に見られると乳首に毛が生える」っていう都市伝説みたいな話があったからね。聞いた俺がビックリだよ、どうよ、見つめるだけで乳首に異変を起こす男、毛根刺激しますよ。増毛メーカーからスカウトが来るかもしれないな。
え?誰に挨拶してるって?
そんなの決まってるだろ。
それは勿論、神ロリマイエンジェル声優まりなたんだよ!
神ロリマイエンジェル声優まりなたんだよ!
大事な事なので二回言ってみましたYO。
こうやってイヤホンを耳につけて、スマホに入っている俺厳選「BESTまりなたんボイス集」を聞く前には必ず語りかけるのよ。「まりなたん、おはよう!」って挨拶してから自分語りするのが、たまらん!たまらんのですぞ!
そうすると体感あがるんだよね、まるで本当に会話してる気になる。俺程の上級者になると幻聴聞こえますから。「おはよう!」って挨拶すると、「おはよう」って頭の中のまりなたんに返されますからね、マジで。
俺だけのまりなたんが、今のこの中にいいいいいい!スマホをぽちっとな。
耳にかけたイヤホンから聞こえるまりなたんボイス!
『お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、だいちゅき』
うほっ!、もう一度。
『お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、だいちゅき』
ぬふっ!、もう一度。
『お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、だいちゅき』
ぐふふ!、さらにもう一度。
『お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、だいちゅき』
ここじゃないなぁ、我の耳はごまかせませんよ~、ここですね!
スマホのボタンをぽちっとな。
『お兄ちゃん、だいちゅき。お兄ちゃん、だいちゅき』
まりなたん、はぁ~はぁ~。俺もだいちゅきだよ~、ちゅきちゅき。
んぱっ(←自分の腕にキスした音)
んぱっ(同上)
ちゅぱ(←さらに激しく自分の腕にキスした音)
ちゅぱ(同上)
んちゅんちゅ(←自分の腕にキスしながら舌を動かす)
んちゅんちゅ(同上)
んわんわしゅしゅ(←■※■※■※■※■※■※)
んわんわしゅしゅ(↑18禁版以外では文字で書けません)
妹が部屋で隠れて自分の腕にキス練習をしていたのを私は見ていたのですよ。そこからこのプレイのアイデアきました。妹見て、「うわぁ!きしょ」っと思ったのは内緒だけど、珍しくいい仕事したよ、内の妹は。
それより、まりなたん甘甘ボイスで耳が溶けて溶解して穴がなくなっちゃうよぉ~。
溶けたらまりなたん、責任とってくるかな?俺の耳代わりになって一生つきそってくれるかな?まりなたんは優しいからきっとしてくれるなぁ。彼女ならいつも手帳を持ち歩いて丸っこくてかわいい字で筆談してくれるはず。なんたって人間超越して天使だから。んぱんぱ。
んぱっ(←自分の腕にキスした音)
んぱっ(同上)
どうしようか、どうしまっしょっか~。
まりなたん、たんたんたんたん、まりなたん。
腕を吸い過ぎて唇が渇いてきたので、舌で唇舐めて水分補給、ペロリ。
イヤホンから耳に響く神声優の甘いロリボイスを聞きながら全身を震わせギシギシともだえ、保健室のシーツを掴みながら胸を震わせ、声が出ないように唇を噛みしめる。
だめだ、心がざわつきすぎて、声が漏れる。うほっ!うほっ!
「おっふ!」
今は4時間目の途中。
「朝食抜いて体調不良」というオフィシャルな表向き理由で、華麗に授業さぼって保健室直行。ここで女子なら「生理うんぬんで」ぐだぐだOKだが、男の俺はちゃんとした理由がいるのです。上手くいかなくても保健室に行ったもん勝ちよ。ちゃんと約束を守る友達に頼んどいたから多分大丈夫だろう。俺の存在は行方不明にはなっていなはず、奴はやってくれるはず。なんたって、眼鏡かけた委員長だからね。
それにしても、皆が授業を受けている間にまりなたんボイスで魂を震わせながら授業をサボるのは最高すぎる。まさに人生を生きている感じだ、今こそ生の感覚、ユニバアアァァァァース!
特に、「皆が授業を受けている」という点が最高だ。たまらん、たまりませんなぁ~この特別感で心が高揚する感じ。まさに選ばれた民。
胸がざわつくのでそれに合わせて乳首を摩る。変なあだ名がついてしまったので、あれからつい乳首を気にしてしまい事あるごとに触ってしまう。名前が人をつくるというのは本当なのかもしれない。
僅かに乳首が大きくなった気がしないでもない。今度から毎日大きさを測った方がいいかもしれないなぁ。それか、次の体育の時間でクラスメイトのそれと比べてみよう。何気なく横にならんで見れば上手く比較できるだろう。どの男子生徒のそれを見るかは要検討だな、事故を装って触っても「くっきー、なんだよwww」っという感じで笑って許してくれる奴にしよう。感触も比べておきたい。
おっ、それより、また乳首から毛が生えている、正確には乳首ではなく乳輪からだが。
そういえば、何故乳首なのだろうか、乳頭はあるのだろうか?先っぽの一点だろうか?
語句の起源だから、今度国語の若い女性の先生に聞いてみようかな。先生、どんな反応するかな~、お人よしの先生だから案外真面目に教えてくれるかも。もしかしたら、もしかしたら、もしかしたら、実地解説付きかもしれませんな、でゅふふふふ。
おっといかん、変な笑い声を心の中で出してしまった。
まぁ、そんな事あるわけないよな。さすがに高校生にもなれば分別付きますよ。
それにしても、女性にも乳輪に毛が生えるのだろうか?
気になるなぁ~、今度、教室で女の子の座ってる前で男友達にこの話をしてみよう。俺が乳首関係の話をするのはこの学校では最早治外法権用になっているからな。普通の人だったら「お前、どうした?」(キモッ!)だが、乳毛の俺ならごく自然な事だ・・・
やばい、自分で自分が悲しくなってきた・・・
でもそれだからこそ可能な事だ。俺と友達の会話を女の子に何気なく聞かせて反応を見る。直接話さず、友達に話して聞かせるのがみそだ。さすがに乳毛の俺も、直接女子にその話をするのはまずい。間接的ならセクハラではなくグレーゾーン、彼女の表情からそれを察する。まさに神の発想、知能犯。
っと、横でごそっと動く音がする。
カーテンで区切られている隣のベッドからだ。
んん?なんぞ!
なんぞ!なんぞ!
誰かいるのか?まりなたんの声に集中しすぎて全く隣に気づかなかった。
まりなたんはいつも別世界に飛ばしてくれるからな、導く者まりなたん。
そのままトレーディングカードになれるな。
勿論ウルトラレアです、即決定!ネットオークションで高値で取引必須。
カーテンで区切られていてよく分からないけど、やっぱり誰かいるのかな?
ちょっと、ちょっとだけ横見て見ようかな。
ちらっと、ちらっと見るだけなら問題ないだろう、ちら見は犯罪ではないはず。
好奇心に急かされて、カーテンの隙間からそっと隣を伺う。
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