閑話休題その四


   ○閑話休題○ ~ミタマレポート~




 ミタマですよ!

 今日はかばねちゃんの家に来てます。

 宿題で友達の家をレポートしてこいと言われたんで来ました。

 かばねちゃんの家は地味な建売住宅です。

 超狭い土地に、コピーペーストしたような建物がいくつも並んでいます。

 日本の住宅事情に絶望したくなるような光景です。


 しかし諦めるのはまだ早い!

 コピペ建売住宅は仮の姿!

 かばねちゃんの家には巨大ロボが格納されているのです。


 有事の際には屋根がかぱっと開いて決戦兵器が飛び出します。

 かばねちゃんのお父さんは一見地味などこにでもいるサラリーマンですが、実は優秀なロボの整備士です。スパナ一本でなんでも作ります。外見はブルドックに似てますが、とても人当たりがよく穏やかな性格です。しかし人面犬と呼ぶとキレます。

 かばねちゃんのお母さんは悪の組織で働いていましたが、かばねちゃんのお父さんに出会って改心し、今では巨大ロボのパイロットです。日夜、謎の組織やら異星人やら暗黒教団やらと戦っています。嘘のような話ですが事実です。


 かばねちゃんはロボの維持費を稼ぐべく、毎日バイトしています。

 学園はバイト禁止ですが、かばねちゃんは、

「校則が怖くて呪術科やってられっか! 文句あるならかかってこいダボが!」

 って言ってました。


 かばねちゃんのとりえは巨大な胸だけですが、そのとりえを生かして海女さんのバイトをやっています。海中で何かあっても胸の浮力で安全に浮上できるのです。

 かばねちゃんは、呪術で髪を自在に操れます。

 胸の浮力で海面にぷかぁと浮かび、長い髪を海藻のようにわさわさと操って水の中を探ります。その姿は客観的に見ると恐怖です。

 偶然通りかかった観光客はあまりの恐怖に失禁するそうです。


 かばねちゃんは真珠取りの達人です。

「奥さん、いい真珠入ってますぜ……へへ」

 というのがかばねちゃんの口癖です。

 そのスキルを生かしてロボの維持費を稼ぐのです。


 かばねちゃんの家では、ごちそうと称して普通のハンバーグが出てきます。スーパーで売っているパック入りのものを茹でただけです。

 おそらくロボの維持費にお金がかかりすぎて、とても貧しい生活を強いられているのだと思います。

 かわいそうなので帰りにかばねちゃんの貯金箱に百円入れておきました。

 以上です。

 ミタマレポートでした!




「ミタマちゃん……レポートに嘘書いちゃだめだよ……っていうか、ハンバーグのくだりだけリアルな事書くのやめてね……あの日、わたし数年ぶりにお母さんとけんかしたよ。ハンバーグをごちそうって呼ぶのやめてって……あと、貯金箱見たら百円じゃなくて一円だったよ……」

「かばねちゃんはかわいそうな時が一番輝くね!」

「びっくりするほど嬉しくないよ……」

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