実習期間中 第1週 4日目~6日目
平成○○年 6月7日(木曜日)
↓
6月9日(土曜日)
朝から土砂降りで、雨が降りしきる放課後。
いつも通り職員室で作業している最中、どうしても【大瀧河君の事】が気になって近くで作業していた山田先生へ【彼の事】を相談してみると
山田先生の表情が少しだけ変わり、渋い顔をされながらも
「あぁ、【大瀧河君の事】ね。
そうね。冴香先生も、ウチのクラスにずっと居れば、彼の事は気になるわよね。
私も彼の事は、いつも気にしているのだけど、彼にも色々と複雑な事情があって、周りも彼に中々歩み寄れないというか、彼自身が人を遠ざけているようで、自分から周りに関わろうとはしないのよね。
彼の事はあまり深く気にせず、他の生徒と同様に接してあげて下さい。」
それだけ言うと、あとは何も仰らなかった。
「はい、わかりました。」と彼女は答えたが
山田先生の返答には、何だかまだ違和感があり
すぐに
『あっ、しまった。生徒の個人的な事に、触れてはいけなかった。』と察して
「山田先生。
生徒の個人的な事を、訊いてしまいまして、申し訳ありませんでした。」
彼女は自らの行いを深く反省し、頭を下げて謝罪した。
「冴香先生、大丈夫よ。
ごめんなさいね。
生徒の事は、詳しく言えないから。」
山田先生はそう言ってこの場を収めると、作業の続きに戻った。
彼女の実習先の中学校は、月曜から土曜の午前中まで授業があって、土曜も朝から学校に通い、土曜の午前中で授業が終わると、平日と同じように職員室へ行き、山田先生から指示された作業をしていると、後から山田先生がいらして、一緒に遅くまで作業・準備をしていた。
実習生としての1週間目は、何事も問題なく無事に実習生活を過ごす事ができた。
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