実習期間中 第1週 2日目





                       平成○○年 6月5日(火曜日)







 今日は1日快晴で、段々と日が長くなり出して、外がまだまだ明るい放課後。







 彼女がいつものように職員室で、山田先生から指示された、今日の反省やまとめと翌日の準備や指示された作業をしていたら


 山田先生から

「そうそう、冴香先生には、翌週から私の下で数学の授業見学をしつつ、サポートに入ってもらいますから、宜しくお願いしますね。」と今後の教育実習スケジュールを伝えられた。




 彼女は緊張した表情で

「はい、わかりました。

 宜しくお願い致します!」

 背筋をピンと伸ばしてから、山田先生へ深々と頭を下げて一礼した。




 翌週からは、授業中もマンツーマンの付きっきりで、みっちり指導して頂けるのである。




「あぁ、あとそれとですね、研修前にお伝えしていた事ですが。

 冴香先生に、実習の3週間目となる18日の月曜日から、私の代わりに教壇へ立ち『2年3組と4組の数学』を担当し、1人で授業進行してもらいますので、そちらも宜しくお願いしますね。

 これが授業日程のスケジュールと授業範囲ですから。

 よ~く目を通して確認しておいてください。

 実際に先生となれば、冴香先生が全て一から準備して授業を進めていきますので、こうして現場での良い実践を学べる機会なのですから、頑張って下さいね。」

 笑顔で山田先生はそう言って、彼女に資料を手渡した。




 彼女は緊張しつつも、真剣な表情で

「はい、有難う御座います。頑張ります!」元気よく返事をして答えてから、資料を受け取り、自分にできるのかと不安を感じる間もなく、ただひたすら、今まで以上に何でも全て吸収しようと、集中して気を引き締めた。











 1人で授業をする事は、事前に山田先生との打ち合わせで聴いていた。

『例年通り、今の授業の進み具合だと、多分この辺りの範囲になると思うから、冴香先生は事前に予習・復習をして、準備をある程度しておいてください。

 また詳しい話は、実習が始まったら指示しますから。』と。


 だから彼女は

山田先生からの指示通り、実習前からできる範囲の事を全て準備していて


 そして

自分が担当するとされた授業の範囲から、少し広めに予習・復習をしつつ実習に備え授業の進め方や授業の雰囲気に慣れる為、時に講義の合間の休み時間や講義を利用し同じ学部の仲間や教授・職員を相手に、生徒の代わりと想定した練習をしていた。







 その日から放課後は

今まで通りの通業作業に加え、山田先生との作業中、事前に用意していた書類を少しずつ修正しながら提出して、担当する範囲の相談と確認をして頂き、今まで見てきた先生方を参考に、授業の仕方を頭の中へと叩き込み、イメージトレーニングを何度も何度も繰り返し、本番を目指しているたら


 時折

山田先生は時間のある時に空き教室を利用し、自らの作業をしつつそばで授業進行の大まかな流れを実演するよう仰り、横目に見ながら助言や注意をして下さった。







 こうして彼女は、授業の準備を急ピッチで進めた。





















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