実習 1日目~7日目
平成〇〇年6月4日(月曜日)~6月10日(日曜日)
実習期間中 第1週 1日目
平成○○年 6月4日(月曜日)
朝から初夏らしい澄み切った快晴で、少し熱を持った体育館の中。
彼女は大勢の生徒と先生を目の前に、緊張していて
朝の全校集会で、『進行役の先生』から
「教育実習生の皆さんは登壇して下さい。」と呼ばれ、教育実習生は速やかに登壇すると
彼女は緊張して震えそうになる身体を抑えようと、登壇する前に拳を『ギュッ』と握り、握った拳に意識を集中する事で、少しでも緊張を紛らわそうとした。
登壇して他の教育実習生と共に、壇上の椅子に座り並んで待って居たら
『進行役の先生』から
「では、川凛冴香さんから順番に、簡単な自己紹介をお願いします。」と呼ばれて、
彼女は元気よく「はいっ!」と返事をしてから、マイクの前に立った。
これから3週間お世話になる、先生や生徒に向かって一礼して
「本日から23日土曜日までの3週間、教育実習生として御世話になります。
国立 禾生大学 学校教育学部 教育学科 4年 川凛 冴香 です。
数学を担当します。宜しくお願いします!」
緊張して表情は強張っていたかもしれないけれど、何とか無事に簡略で手短な自己紹介を済ませた。
最初の一週間は
全学年・全クラスの授業風景を見て回る事から始まり、彼女は教育実習の期間中、『山田先生』の下で実習指導を受ける事となっていた。
実習指導を担当して下さる『山田先生』は
黒髪ショートカットでサッパリしつつ、少し小柄なふっくらとした体型、シルバーの眼鏡を掛けた50代の女性で、優しく温かい雰囲気のベテラン先生でいらしたから、多くの生徒や先生から厚く信頼されて、2年3組の担任と学年主任を兼任しながら、2年生の『数学担当』をしており、 教育実習期間中は『山田先生』の存在がとても心強かった。
山田先生の指導の下
各クラス担任・各数学担当の先生方から、教室での授業風景や授業の進め方に準備の仕方、クラス担任や部活顧問としての仕事、そして学校の職員室で行っている日常業務について学びながら、山田先生から指示を頂き、授業に必要な資料の作成や授業の準備に、先生が作成してきた、授業を進めていく為に必要な資料を見せて頂き、授業以外の資料の書き方や日常的な事務作業を割り振られ、資料の確認・作成・準備等とやるべき学ぶべき事は沢山あり、常に正確で迅速な作業を求められて、黙々と自分の成すべき事に勤しむ日々だった。
月曜日から金曜日までの平日は
授業を終えて放課後になると、先生方は、各自のなすべき業務に打ち込みながらも、部活の顧問をしており、学外で出来ない作業もある為、学内に居る限られた時間内で仕事をしなければならなかった。
自宅で作業できる範囲は、帰宅してから、翌日・翌週・翌月分の授業や行事日程の準備に追われて、日々の仕事は激務でそれがほぼ毎日となり
覚悟をしていたつもりだったが、いざ始まると、やはり現場は大変だとすぐに実感した。
放課後の職員室にいる時は、山田先生から指示された仕事をしながら、時には自分からすべき事を見つけ山田先生に相談をし、常に考えながら【報・連・相】を意識しつつ、自主的に行動していた。
そして毎日その日に見学させて頂いた、先生方の授業風景を見て
『何を感じたか。
どう思ったか。
どこを注目したか。
どういう工夫や配慮に気付いたか。
どこを注意してみるように着眼点を置いたのか。
各先生方はどのように授業を進行していたのか。
各先生方の違いに気付けたのか。
授業中の生徒の様子はどうだったのか。』等を、山田先生へと報告していて
これは山田先生から、毎日放課後の作業中に、効率良くその日の出来事を、口頭で報告するように言われていたからであり、その後もう一度きちんと紙面へ細かく内容をまとめて、再度提出するよう指示をされていたからである。
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