実習期間中 回想 ~もがいてあがく日々~





 彼女は幼くして

これまでずっと【色々なモノ】を、【自らのセカイ】から【ウシナッテ】きたので




 次第に彼女は

教室の中で若干空気のような存在となり、段々と心を閉ざしていき、独りぼっちに

なっていた。







 時折

周りは気を遣って、声を掛けてくれる事があっても



 彼女の心は

既に周りとの距離があって、彼女の方から、周りとは少しだけ距離を置き始めた。





 だから自分からは、誰に対しても声を掛けにくくなってしまい

分からなくても分からないまま、聞き流してしまうようになってから



 彼女は

自暴自棄となり始めて、授業についていけずに、【おち こぼれて】いった。





 成績も、周りからの印象も、クラスや施設での居心地も、悪くなる一方で





 人の心が、『段々と離れていく』のを、彼女は観じていた。

 心が人から、『遠ざかっていく』のを、彼女は感じていた。























 父親と離れて暮らし始めてから

ずっと周りへと溶け込む為、周囲をよく観察し集団行動を心掛けるようになって、

【観察眼】と【協調性】が磨かれていったので



 人を信じられなくなっても

『誰かが居ないと、自分は、生きてはいけないと

 人からの理解や協力など、助けがなければ、生きられないと

 人は誰しもが、1人では生きられないと。』ずっと自覚して知っていたから



 周りには

知らないフリを気づいていないフリをして、【偽る為の笑顔】を手にし身につけ、

個性をなるべく消しながら、周りへと合わせて静かに生きていた。
























 だけどそれでも

密かに彼女の心の内へと【募る思い】があった。





そのウシナッてきた、反動からなのだろうか。


 最初は

【小さな感情の芽生え】だったのが、心の中で段々と大きく膨れ上がっていき



『誰かの役に立つような存在となる事

 誰かから必要とされる存在になる事』を渇望し、次第に承認欲求が高まり




 だから

そのいつかの為、芽生えつつあった感情へ応えられるよう『秘めた思い』を胸に




 いつまでも待って居ても何も起こらないから、現状は変わらないから



   『人から求められるような

    人から頼られるような』

 何でも【自分で出来るような 存在】を、彼女は目指す事にした。















 その為には

『人として優れていないといけない。』と考えていたから、できる事を増やす為に、勉強やスポーツと何でも挑戦して、自分にできる事を増やし努力を積み重ね




 少しずつ次第に

テキパキと行動して、自分で【何でも出来る人】へ近づいてくると




 彼女は人の手を借りる必要が少なくなり



 周りからは

『【川凛 冴香】は、1人でも大丈夫な強い子。』という認識になり始めていき


 より周りから孤立していく事態を招いてしまい

 より近寄り難い存在となってしまっていた。













 今までの一連の行動と努力は

彼女の心と周りとの間に、更なる隔たりを作り、矛盾を抱えてしまう結果となって








 彼女が今まで

もがきながら、必死に掴もうとしたモノは、スルリと指の間をすり抜けてしまい









 彼女はもう【人付き合いを諦める事】にした。



















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