実習期間中 第2週 12日目





                     平成○○年 6月15日(金曜日)







朝から土砂降りの雨が降っていた、放課後の作業中。







 山田先生との何気ない会話から

「来週からは、いよいよ冴香先生の授業が、始まりますね。」と言われて


「はい、とても緊張しています。」

 彼女は、少しだけ緊張していた。




 先程行われた、帰りのホームルームで

生徒に『先日、山田先生からのお話にありましたが、来週からこのクラスの数学の

授業を、担当させて頂きますので、宜しくお願いします。』と話していて

その時の事を思い出してしまい、思わず拳を握る手に、『ギュッ』と力が入った。






 山田先生は

彼女の緊張を見抜いて、緊張をほぐすように

「緊張するのは、まだ早いですよ。


 冴香先生なら大丈夫!

 私と今までじっくりと、来週の為の準備をしてきたのだから。

 それに、授業へ口出しをしなくても、教室の後ろから、サポートには入りますし

冴香先生の授業を、ちゃんと見守っていますから。


 もしもの際やどうしようもない時は、授業を代わりますので、安心して下さい。

 一先ずは、何事も挑戦ですよ!

 生徒も私たち先生も、応援していますから!」と、優しく包み込むような笑顔で

励まして






 彼女も

だいぶ落ち着いてきて

「はい、有難う御座います!」と、明るい笑顔で応え、何だか自信が出始めてきて『自分ならきっと大丈夫。』だと思えるようになった。

















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