第8話変態

門をくぐり町に入ってみると・・・なぜかそこには裸のムキムキなおっさんがこちらを見てウィンクしてきた。

身長は推定2メートル10センチほどの巨漢。

腹筋は8つに割れておりなぜかとてつもなくけばいメイクをしている男。

そして何より裸であったことに俺たちは戦慄していた。


「「へ?」」


そんな変態を見て言葉が出ない俺と駄女神。

そんな俺たちを見て変態はなぜか足を開く動作をしようとした動作を見て、

その先に起こる悲劇を察知した俺はさっと目をそらした。


「い、いやぁああああああああーーーーーーーーっっ!!」


隣にいた駄女神の悲鳴が聞こえるということは駄女神はきっとそこにある地獄を見てしまったのだろう、俺のと合わせて一日に2度も男のあれを見る女神ってのはお前が初めてじゃないかと思った。

そんな駄女神に今回は同情しつつ、目をそらして視界に収まらないいようにして変態に話しかける。


「なあ、なんで服を着てないんだ?」


「服?

あぁ、あんなものは必要ないよ!!

だって僕には筋肉があるからね。」


ん?なぜ服を着てないと聞いたはずなのに筋肉があると問題ないんだ?

筋肉至上主義か、前の世界でもいたけどこいつら話が通じないタイプの人間だからいやなんだよね。

それと、ついさっき自分たちも服を失ったから服のありがたみを改めて知ったはずがさらに服というものの素晴らしさに感心していた。

本当に服って素晴らしい!!


「ところで君たちは顔ぶれからして初めてこの街に入ったのかな?

ではとりあえず私の自己紹介をしよう。

私はこの町の町長でエドワード・ジョン・ボディー。

よろしく頼むね、皆この街では変態と呼んでくるがボディーって呼んでほしいな。」


こいつが町長だと!?

それとこいつ変態ってやっぱり呼ばれているのか・・・なんで変態が町長なんてやってるんだ、大丈夫なのかこの町は!?

俺と同じことを思ったのか、はたまた先ほどの地獄の光景のダメージが残っているのか,駄女神の顔は真青になっている。


「じゃあ、この町は初めてだろうから僕がこの町を案内してあげよう。

結構町長てのは忙しくてね、さっき仕事を放り投げてきたからやることがなくて暇なんだ。」


「「結構です!!」」


なぜか変態から町案内をされる提案を本能的に即答で拒否した俺と駄女神だったがその答えを聞いて変態は、


「ハハ、遠慮なんかしなくていいよ。

ほんとに暇だからね、とりあえず最初ならあそこに行こうかな。」


「「いやいやほんとに要りませんって!!」」


つい敬語になってしまったのはなぜかわからないがここでしっかり否定せねばという謎の生命本能が呼びかける危険信号がいま俺たちを動かしていた。


「大丈夫だよ、こう見えても町長だからね。

町のことには誰よりも詳しいよ。

だから安心して案内させてくれ。」


どうしよう、本気で拒否してるのに遠慮しているようにしかこの変態には見えてないのだろうか?

というか別に今大事なのは町を詳しく知っているかよりも服を着ているかどうかなんだ!!


「じゃあさっそくだけど最初は冒険者ギルドでも行こうかな。

この町の冒険者ギルドは有名でね、王都のギルドにも負けないぐらいなんだよ。」


そういって話を聞かない変態は俺たちの手を引っ張って冒険者ギルドとやらに連れて行こうとしたので手を放そうとしたが、離れない。

やはり筋肉マッチョなだけあって握力が半端ない。

だが必死に手を放そうとしている女が横にいた。

駄女神である。

何かやばい施設にでも連れてかれそうな顔をして必死に手を放そうとしている。

確かに謎の施設に連れてかれるわけだが、なぜかこの変態姿はともかくそこまで悪いやつではなさそうなので、もうどうせ助からないだろうと諦め、俺は引っ張られるままついていった。


「い、いやよ。

ダメ、連れてかないで、お願いします何でもするから~・・・」


もう諦めればいいのに、あきらめない駄女神に対して変態が振り向き笑顔を向けると泡を出して意識を失った。

それを見て変態が、俺のほうを見て笑顔を向ける。

突然とてつもない不快感に襲われた俺はこれから起こるいろいろなことを想像してその惨さにショックで意識を失ってしまった。

意識が失う前に聞こえた変態の言葉はこう言っていた。


「美味しそう。」


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