第7話門番にて
服を手に入れた俺たちは、先ほど服を奪っ・・・拝借したところから先ほど見えていた町へと歩いていた。
「ねえ、服とフードってこんなに素晴らしいものだったかしら?
人類の英知が詰まってる気がするわ。」
「あぁ、人間には毛がそこまで発達してないのはやはりこの服の存在がでかい。
本当になんて素晴らしいんだ!!」
「毛が発達してないって言わないでよ!?」
俺手に入れた服の素晴らしさを、女神は何やらスキンヘッドを隠せるフードを噛みしめながら先ほど服を拝借させてもらった行商人らしき男の荷物を調べていた。
マジックボックスに入っていた通貨は日本円でいう1400万程度で、最低限の生活でよければ10年は持つといっていた。
その大金となかなか便利な道具が入っているようで、累計2500万ほどするらしい。
だが、マジックボックスというのはそこまで小さい物でもなく、バックもないのでむき出しのまま歩いているとどうしても狙われそうで怖いようで先ほどから草が少し揺れるだけで駄女神が威嚇をしている。
そんなあほなことをしているうちに町が間近ところまで来たところで、
「そこの者、止まれ!」
と言って門番の人が指示をしてきた。
指示通りに止まってると駄女神が抱えているマジックボックスを見るなり不審そうな目で見て、
「なぜマジックっボックスという高価なものをそのような目立つように持っている?
それはお前たちのものか?」
「はい。
ですが、旅の道中でこれを入れていたバックが破れてしまい、こうして待っているんです。
良ければ何か入れる袋をもらえないでしょうか?」
そうすらすらと嘘を吐く俺を駄女神は「なかなかやるわね。」となぜか感心している。
そんな嘘に門番は何やら考えるそぶりをした後に「まあ、それならあり得るか。」と言って俺たちのほうを向いて。
「疑ったような言い方をして悪かった。
最近ここらへんに盗賊団ができて商人が襲われる事態が増えているからか少し疑ってしまったようだ。」
そういって申し訳なさそうにする門番に駄女神は「まあ、いいわ。」ととても偉そうに言ったがなぜお前はそんなに偉そうなんだ。
「では、ステータスボードを提示してくれるか?」
「「はぁ?」」
俺と駄女神は同時に疑問の声を上げた。
俺はだめが身に視線で「何のことだ?」とアイコンタクトしたが駄女神は頭の上に?マークを付けている。
「おい、早くステータスボードを出してくれ。」
俺たちがアイコンしているのを見て門番が急かすように言った。
駄女神もわからないようなので正直に聞いてみることにした。
「ステータスボードってなんだ?」
そういうと、門番の目が先ほどの不審そうなものを見るような目で見てきて
「お前、本当に言っているのか?」
「あぁ。」
「ステータスボードってのは、生まれたときに女神から祝福されて赤ちゃんの時に持っているものだぞ。」
そういったので女神である駄女神を見るが、「なんのこと?」と顔に書いてある。
どうしようか?
というかどうゆう仕組みで生まれたときに赤ちゃんが持っているんだ?
だがそれよりも俺はこの世界で生まれたわけではないのでそんな大切なものは持ってない。
先ほどの商人のものを使おうとしたが、さすがにそのステータスボードとやらが偽物だとばれてそこから殺人がばれたりするとめんどくさい・・・詰んだかもしれない。
そう思ったとき駄女神が何かを思い出したような顔をした。
そして小声で何かを言った瞬間俺の口の中に何かの感触が感じられた。
口を開けて出してみるとそこからカードのようなものが出てきた。
「なんだあるじゃないか!!
でも、どうして口の中なんかに入れているんだ?
まあいいか、でそちらのお嬢さんは?」
なんと駄女神の奴はステータスボードを出せたのだ。
出せたのかよと思ってみると舌を出してごめんなさい的な感じで上遣いで見てきたがお前今スキンヘッドってことがわかっているのだろうか、全然かわいくないぞ。
だが門番に言われてまた女神が小声で何かを言うと女神も口を開けてそのステータスボードとやらを出した。
「君もなぜ口の中に・・・いや突っ込むところではないな。」
そうして何かを悟ったのか、俺たちのことに対して少しあきれた表情で見てきた。それでも俺たちのステータスボードとやらを見て問題ないと判断したらしく「よしこれならいいな。」と言って俺たちのほうを向いてステータスボードを返してこう言った。
「では、まあいろいろあったがとりあえずは、迷宮都市ルミナスにようこそお二人さん方。」
こうして俺たちは町に入ることになった。
でもなぜか駄女神がどや顔で「私だって役に立ったでしょ。」と言っていたことにはいら立ちを感じた俺は悪くないと思う。
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