第4話胃の中にて

ネチョネチョ、ネバネバ、グチュグチュという音を立てながら俺と駄女神は今お互いに全裸で抱き合っていた・・・キメラの胃の中で。

なんか噛まれず飲み込まれたおかげか五体満足のまま井の中に入るという素晴らしい経験をしている。

だがこのキメラはおよそ体長4メートルは超えているが5メートルは多分超えているかいないかという体長で駄女神と一緒に入ってるせいか結構ギリギリである。

それと胃液のせいなのか少しずつ俺は着ていた白衣が、駄女神は羽衣なんかのもろもろ女神っぽい服が徐々にだがとかされていた。

それに気づいた時の女神はとにかく混乱していた、そして混乱の果て先ほど言ったように抱き合って見えないようにするという謎の結果になった。

そしてここは胃のなか、当然中の匂いと座り心地は最悪。

脱出を試みる駄女神が先ほど胃を蹴ったがキメラが暴れだして胃の中はグルングルンと掻き回されてそれで酔った駄女神は蹴るのをやめたと思ったら突然吐いた。

漏らしの次はリバースとは本当にあきれたが、

神でも胃の中のものを吐くのかと思ったが口から出てきたのはなぜかキラキラと光って認識ができなかったので聞いてみたところ。


「これは女神の威厳を守るためのシステムの、主神ゼウス様の遊び心よ。」


と言っていた。

女神の威厳?なんだそれは、とりあえず漏らさなくなってから言ってくれ。

というかゼウスというのが主神らしい。

詳しく聞いてみるとゼウスはシステムと言われる世界のルールのようなものに干渉できる権限を持っているらしい。

一応アポロンも少し権限は弱まるが持っているには持っているらしい。

そんな神様の事情も少しわかってきたころだが。

忘れてはいけない、焦らなくてはならない。

自分たちが胃の中にいることを。

忘れていたころだがついに俺と駄女神の衣類がすべて溶けていた。

もう一度言おう。

衣類が溶けた。

つまり全裸である。

それを認識したとたん駄女神は暴れることもなく、恥じることもなく。

謎のどこかの宇宙人のようなものと話していた。


「☆♥◆△○✖▽●□★♡」


正直何を言っているのかすらわからないが今はそっとしておいたほうがいいと思った。

そして俺も今の状況には危機感を抱いていた。

キメラたちは俺たちを食べた後も移動を続けているようで、胃の中から出ることができないうえに、ついに胃液が服だけでなく少しづつだが肌を溶かしてきているのか、肌がひりひりしてきた。

そろそろまずい、さすがの俺も胃の中は素晴らしく興味があって今は柔らかい二つのリンゴが俺に当たっているとしても異世界に来て早々こんな死に方で死ぬのは嫌だ。

死ぬということ自体には興味がある。

前世で味わった時にはあまりにも唐突すぎるのとドラゴンに興奮していたのに瞬殺されたため実感がわかなかったからだ。

だから死ぬのを味わってみたくはなるがこれは嫌だ。

というか駄女神と一緒に死ぬとかいやすぎる。

なぜ俺が漏らし女と一緒に心中しなければならないんだ。

まあ、そんなこともあり脱出方法を考えてみるが、こいつが寝てる間に出るというバカな方法しか思いつかなかった。

あれ、前世ではここまで脳が腐っていなく回転も速かったんだが?

やはり駄女神と会話したせいで俺の脳は退化したのかもしれん。

それにしてもこの駄女神いつになっても宇宙人との会話をやめない。

もういっそのことこの二つの柔らかいリンゴを無理やりにでも引き離して俺だけでもこいつが寝た瞬間に逃げようか?

まあ、その時が来たらその時の気分に任せよう。

そんなことを思い3時間後、そろそろ異世界にきてだいぶ時間がたっているためお腹が空いてきたころ、ついにキメラたちの動きが止まってから30分がったって寝息が聞こえてきた。

それと同時に女神の暗号も。

どうしようか?さすがに俺としては不本意であったが一回は助けられた恩があるので、やはり助けようか。

そう思い裸の女神を抱いたままもそもそとキメラから出る。

そうしてキメラを見るとすやすや10体全員が寝ている。

そしてキメラの体毛に目が行く。

それを見て俺は思ってしまった、ちょっとなら体毛とかひげとかもらってもばれないかもしれない。

そう思った瞬間俺は体毛を50本ほど、ひげなどのほかの部位から生える毛を20本ずつ採取して逃げようとしていたところ、なぜか1匹のキメラのしっぽにいる蛇と目が合う。

とりあえず慌てずアイコンタクトをとる。

(静かにしてくれないか?)と伝えると。

(じゃあそこにいる女の髪を頂戴。)と伝えられたので、駄女神のを差し出すと、きれいに頭の上はうさ耳以外の髪を食べ始め、3分後には髪は残っていなかった。

ちらりと駄女神のほうを見ると前の美少女顔は何とも悲しい感じになっていた。

こいつが正気に戻ったら大変そうだなと思ったがそんなことよりもうサンプルにできそうなものはないのでキメラたちから離れることにした。

やっぱり一体だけでもモルモットにしたかったな~そう思う主人公だった。




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