エルツフ・パイパー 狼の見た夢

狼の夢

この世が憎い。この世の全てが憎い、一切の合切が憎い。誰が生んでくれと頼んだ、誰がそうしてくれと願った。

俺は誰だ、何なんだ！祝福されずに生まれた、この俺は一体何だと言うのだ。

何がどうであれ、例えそれが正しさであっても俺は断じて認めない。お前達は何を望んだのであろうが、俺はそうは望まない！

俺の拳は決意で震え、気力がはち切れんばかりだ。この宿命の全てを背負って、この世界と殺し合ってやる！

灼熱の業火に包まれようとも、四肢を捥ぎ取られようとも、最後を喉元に喰らい付いて噛殺してやる！

どんな犠牲を払おうが、屈辱を味わおうが、血肉を貪り生き延び、俺の支配する在りとあらゆるものでお前達を腐った屍として葬ってやる！

もはや俺に逃げ場は無い。俺は追い詰められた、崖際に追い込まれた。お前達は俺が心底疲れ果て、崖に自ら飛び込む事を待ち望むだろう。

だが俺のやり方は一つだ、ただ殲滅前進あるのみ。

お前達は俺を完璧に屈服させようとするだろう。俺の肉体を痛めつけ汚し、恐怖で心を汚物で満たしたいのだろうが、忘れるな！

俺はまだ死んじゃいないぞ。この肺を空気で満たし、轟叫び恐怖で空を燃やし尽くしてやろう！この牙と爪で強固な大地を打ち砕き、引き裂いてくれよう！！

もはや勝者には誰も生れない。シンプルに行こうぜ。俺が死ぬか、そしてお前達を皆殺しにするかだ―