後日譚35 ヤシロが作りたいもの

「ヤシロさん……その、なんと言いますか…………おっきい……ですね」

「まぁな」


 陽だまり亭に、巨大な土台がそびえたっている。本体はまだ作っていない。


「こんな大きなケーキを、本当に作るんですか?」

「あぁ。まぁ、土台に乗っけて大きく見せてる部分が大半だが……それでも、普通のケーキよりもデカいものを作ることになるだろう」

「ほぁ…………」


 台に載った台座は、ジネットの身長を優に超える高さになっていた。


「これが……ウェディングケーキ……」

「今、ハム摩呂がベルティーナとネフェリーを呼びに行ってる。もすぐ来るだろう」


 これまでに作ったことのない新作のケーキなので、ベルティーナに問題がないかを判断してもらうのだ。

 しかも、ウェディングケーキはこれまでのケーキと違ってデカいからな。

 異例なものはより慎重に事を進めるべきだろう。


「ケーキには卵と砂糖も欠かせないし、その生産者も呼んでおこうと思ってな」

「あれ? でしたら、パーシーさんも呼びに行った方がよかったのでは……?」

「あぁ、大丈夫大丈夫」


 ……パーシーは、ネフェリーを呼べば漏れなく付いてくるから。

 通販の押しつけプレゼント以上に絶対的な付属品だ。


「ヤシロさんっ!」


 一番乗りは、やはりというか……ベルティーナだった。

 でっかいケーキを作ると聞けば、何を放り出してでも駆けつけるだろうと思ったが……予想通り………………あれ?


「ど、どうかしたのか、ベルティーナ?」

「……どうかしたのか……では、ありませんよ」


 てっきり、エサを見つけたイヌっころみたいなキラキラした目でやって来ると思ったのだが……ベルティーナの表情は硬く、険しかった。

 何か、マズいことでもあったか?


「お話は伺いました。なんでも、変わったケーキを作られるそうですね」

「お……おぉ……。その、つもり……なんだけど…………問題あるか?」

「あります。当然ではないですか」


 グッと、ベルティーナが身を寄せてくる。

 凛とした声音はどこか厳しく、叱られているような気分になった。


 なんだ?

 デカ過ぎると教会に目でもつけられるってのか?

 サイズに規定とかあったっけ?


「確かに。ヤシロさんが生み出す料理は、どれも美味しく、奇抜で、素晴らしいものばかりです。ですが……さすがに今回のケーキは看過出来ません」

「そ、そうなのか……理由は?」

「理由…………説明が、必要でしょうか?」


 えっ、そんなにあり得ないこと、なのか?


 思わずジネットに視線を向けるが、ジネットも分からないらしく目を丸くしている。視線が合うと、慌てた様子で首を横に振った。

 なんだ?

 ジネットですら知らない理由で、ウェディングケーキがダメな理由……一体、それは……


「ちょっとヤシロ! どういうつもりなの!?」

「あんちゃんっ! 大概にしろし、マジで!?」


 なだれ込むように、ネフェリーとパーシーが店内へ入ってくる。

 あ、やっぱりパーシーも一緒に来たか……なんて、そんな悠長なことを言っていられる空気じゃない。

 なんだ?

 こいつらまで険しい顔をして……


「私はね、ヤシロ。ヤシロのやることなら、大抵のことは応援したいって思ってるの。けど、今度のはダメだよ。一線を越えちゃってるよ!」

「お、おい、ちょっと……ネフェリー!」


 鼻息荒く俺に詰め寄ってくるネフェリー。

 気迫に押され、俺は後退を余儀なくされる。

 だが、そこにベルティーナも加わり、俺は店の奥へと追い詰められていく。


「店長さんも店長さんだぜ!」

「ふぇっ!? わ、わたしですか?」

「そうだよ! あんちゃんが『ああ』なのはもうどうしようにもねぇけどさ! でも、それが行き過ぎた時はあんたが止めなきゃだろ!? そういうもんじゃねぇのか、仲間って!?」

「え、えっと……行き過ぎ…………あの、え……?」


 パーシーはジネットに食ってかかっている。

 なんだ、この状況は?

 どうなってやがるんだ?


 くそ……っ。屋台の様子を見に行ったマグダとロレッタがいれば、もしかしたらこの状況を客観的に見てもらえたかもしれないが……


「……ヤシロ」


 祈りが通じたか、いてほしいと思ったヤツが――マグダが、今まさに帰ってきてくれた。

 が…………嘘だろ?

 マグダまでもが難しい表情を浮かべていた。……マグダ、お前もか?


「……ハム摩呂から聞いた」


 ハム摩呂……

 

 そうだ。

 この状況になったのは、ハム摩呂がこいつらを呼びに行ってからだ……


 思い出せ。

 あの時、何があった?

 俺はなんと言った?



 ウェディングケーキの土台を作るのに昼過ぎまでかかり、店内に戻るとジネットとハム摩呂しかいなかった。マグダとロレッタは屋台への補給に向かった後だった。

 そして、土台を店内へ持ち込んだら……ジネットが「それはなんですか?」と聞いてきた……

 だから俺は、ウェディングケーキについて話をしてやったんだ。ジネットと、ハム摩呂に。

 でっかいケーキを作って、新郎新婦が初めての共同作業でこいつを切り分けて…………ジネットもハム摩呂も「それは素敵です」と、瞳をキラキラさせていた。

 それから、ハム摩呂に頼んで関係者を集めてもらって…………


 何もおかしなことがない…………

 一体、何が問題なんだ!?


「……じきに、ロレッタがハム摩呂と共に戻ってくると思う。説明は、それからしてもらいたい」

「説……明?」

「……今回、ヤシロが作ろうとしていた物…………それについての説明を」


 マグダの声に、ベルティーナが、ネフェリーが、ついでにパーシーまでもが「うんうん」と明確に首肯する。

 今回作ろうとしていた物ったって……俺はただ、ウェディングケーキを…………


「……戻ってきた」


 マグダの耳がピクリと動き、ドアの外へと向けられる。

 その言葉の通り、ドアの向こうから凄まじい足音が聞こえてきた。

 間もなくして、ロレッタが血相を変えて店内へと飛び込んできた。


 ――こんな言葉を叫びながら。


「お兄ちゃんっ! 乳首ケーキを作るってホントですっ!?」

「作るかっ!」

「「「「えぇっ!? 作らないのっ!?」」」」

「「えぇっ!?」」


 声を揃えて驚いたマグダ、ベルティーナ、ネフェリー、パーシーに、俺とジネットが声を揃えて驚いた。

 じゃあ、なにか?

 お前らは全員、揃いも揃って俺が乳首ケーキを作ると思ってたのか?


「俺がそんなもんを作ると思うか!?」

「「「「「思う」」」」」

「おぉっと!? まったく嬉しくない信頼感が!?」


 これにはジネットも苦笑を漏らすしかないようだ。

 俺は片頭痛を訴えたいね。


「ですが、どうしてそのような話に……」


 ジネットの言葉を遮るように、「バターン!」とドアが開け放たれ、……諸悪の根源が帰宅する。


「ケーキの、にゅうとうやー!」

「お前が原因かっ、ハム摩呂!?」

「はむまろ?」


 無邪気な顔をこてんと左へ傾けて「ぉ?」みたいな声を漏らすハム摩呂。


「ほら! ハム摩呂が言ってるです! 『お兄ちゃんが乳頭ケーキを作る』って!」

「……『乳頭』といえば、それすなわち、『乳首』っ」

「キリッとした顔でなに言ってるんですか、マグダさん!? ダメですよ、女の子がそんなこと言っては!?」

「……しかし、『乳頭』といえば、それすなわち……せーのっ」

「「「ちく…………言えるかっ!」」」


 ベルティーナとネフェリーとパーシーが思わず言いかけて、ギリギリのところで踏み留まった。


「も、もう! マグダったら……。へ、変なこと言わせようとしないでよねっ!」

「……変? え、ネフェリーのは、そんなに変なの?」

「変じゃないわよっ!? 失礼ね!」

「……では、証拠を」

「見せないわよっ!?」

「……ちっ」

「ヤシロ! ヤシロの影響でマグダがおかしくなっちゃったじゃないのよ!」

「俺のせいじゃねぇよ……」


 マグダはもともと、十分過ぎるほど『素質』を持ってたんだよ。お前らが知らないだけだ。


「それで、ヤシロさん……その、にゅ…………それは、一体どのようなものなのでしょうか? おかしなものでないのであればご説明いただきたいのですが」


 ベルティーナが言葉を濁す。

 完全に乳頭だと思ってるな……


「『刀を入れる』で『入刀』だ。切るんだよ、二人で」

「……乳を、切る?」

「乳から離れようか、マグダ!?」


 その俺の言葉を聞いて、マグダが俺から半歩遠ざかる。

 ……誰を乳扱いしてくれてんだ、オイ。


「でっかいケーキを作って、新郎新婦がそれをカットするんだよ。一刺しだけして、あとはこっちで切り分けるんだけどな」

「なんでそんなことするの? 最初からジネットがやれば早いじゃない」


 分かってないなぁ、ネフェリー……


「新しく夫婦になる二人が、夫婦になって初めてする共同作業だぞ?」

「あ……」


 ハトが豆鉄砲を喰らったような顔……というより、豆鉄砲を喰らったハトのような顔……つかもうハトみたいな顔をしてネフェリーが口を押さえる。


「…………初めての共同作業を……結婚式で……」

「そうだ。仲間や親族が見守る中でな」

「…………素敵」

「こ、こほん! じゃ、じゃあネフェリーさんも、その……いつか、そのうち……そういうことを……ごほんごほん!」

「パーシー、うるさい」


 きっぱりとプロポーズ出来ないならしゃべるな。中途半端は大火傷を負うぞ。


「あの、ヤシロさん。よろしいでしょうか?」


 俺の話を聞いて、落ち着きを取り戻したベルティーナ。

 遠慮がちに挙手をして確認を取るような口調で聞いてくる。


「つまり、普通のケーキを作るのですか?」

「あぁ。ただまぁ、ちょっとばかりデカいけどな」


 そう言って、台の上の台座をぽんと叩く。

 すると、一同の視線がそのデカい台座に注がれ、同時に首が傾いて台座の大きさに目を丸くする。


 どいつもこいつも口をぽかんと開けてその大きさに驚いているようだ。


「サイズが従来とは違うからな。教会的に何か問題がないか確認してほしか……」

「問題ありません! さぁ、作りましょう! すぐ作りましょう! そして食べましょう!」


 食い気味に食い意地を張るベルティーナ。

 他の面々も期待に満ちた顔でうんうんと頷いている。


 いやいや……


「今日は作らないぞ?」

「「「「「えぇっ!?」」」」」

「こんなデカいもん、そう何度も作れるか! 今日は、このサイズのケーキを作るための打ち合わせだよ!」

「…………生きる気力を失いました」

「心を強く持てよ、教会関係者!?」


 お前らの心の拠り所は精霊神なんじゃないのか!?

 ケーキに命運かけちゃダメだろうに!


「あ、あの! でしたら、サイズは普通ですが、みなさんでショートケーキを食べながら打ち合わせをするというのはどうでしょうか?」

「ジネット。……私は、あなたを誇りに思います」

「賛成っ! 私もケーキ食べたくなっちゃった」

「オレも、ネフェリーさんに賛成だぜっ!」

「……店長が言うのなら、異論はない」

「あたし、ショートケーキ好きです!」

「満場一致の、大好物やー」

「……お前らなぁ」


 ベルティーナはもちろん、ネフェリーにパーシー、おまけにマグダとロレッタとハム摩呂までもがケーキの亡者となった。

 そして、ジネットは「ダメでしょうか?」みたいな目で俺をジッと見つめている…………この必敗パターン、なんとかしなきゃな、いい加減……


「……分かったよ。ケーキと紅茶を出してやれ」

「はいっ!」


 嬉しそうに頷いて、軽やかな足取りで厨房へ向かうジネット。


「あ、俺はコーヒーな」

「はい。分かってますよ」

「あっ! はいはい! お兄ちゃんのコーヒーはあたしが淹れるです! もう覚えたです!」

「……では、マグダがケーキを食べさせる係を」

「マグダ。それはウチの業務に含まれてないから」

「……なら、たこ焼きを提供する」

「いや、ケーキ食うから……」


 マグダも何かしたいのだろうが……今は大人しくしててくれ。


 ジネットとロレッタが厨房に入り、間もなくケーキと紅茶、そしてロレッタ作のコーヒーが二つ出てくる。ジネットも、ロレッタのコーヒーを飲むようだ。


「ロレッタさんのコーヒーも、美味しいですよね」


 まぁ、飲めるようにはなったかな。

 俺に言わせればまだまだだけどな。


 ケーキが行き渡り、並んだ顔が一斉に幸せ色に染まる様はなかなか壮観だ。

 みんなが一口二口食べるのを待って、俺はウェディングケーキの概要を説明する。


 夫婦初めての共同作業で、幸せのお裾分けって意味合いもあるらしい。

 由来としてよく言われてるのは、ギリシャだかどっかの神話で、愛し合う二人が一つのパンを分かち合って食べたことだ……とかなんとか。

 そんな、女子が食いつきそうな話をたんと聞かせてやる。


「ってわけで、とにかくデカいケーキを作ろうってわけなんだ」

「胃袋の限界への、挑戦やー」

「うん。そういう話じゃないんだ、ハム摩呂。一人で食うわけじゃないし」

「甘いお菓子の、争奪戦やー!」

「奪い合うな! 配るから!」

「賄賂が活きる、裏取引やー!」

「みんな平等に分けるよっ!」


 ハム摩呂が話を理解していないことはよく分かった。

 大きなケーキが食いたいと、そんなことで頭がいっぱいなのだろう……お子様め。


「ヤシロさん……争奪戦は、武器の携帯が許可されますか?」

「何物騒なこと言ってんの、このシスター!?」

「私、腕力には自身がありませんもので……」

「配るから! ちゃんと平等に食えるから!」

「このサイズのケーキを二十個作るというのはどうでしょう?」

「会場に入らない! そして、そんだけ作るとニワトリがストライキを起こすぞ」


 どんだけ卵使わせる気だ。

 小麦や砂糖も有限なんだよ。


「なら、もっと大きな……っ!」

「要するに、デカい規格外のケーキを作っても、教会的には問題ないんだな」

「ありません。あったとしても握り潰します。シスターの名にかけてっ!」


 シスターの名にかけるなら、どんな不正も見逃すなよ。

 まぁ、問題はないのだろう。

 一週間でパンを作る量とか規定されてたみたいだから念のために尋ねてみただけだ。

 陽だまり亭で焼く分には問題はないとみて間違いないだろう。


「はぁ……でもいいなぁ……入刀、素敵だなぁ……」


 結婚に憧れでも生まれたのか、ネフェリーがうっとりとした表情で呟く。

 だが……


「『入刀』の前に『ケーキ』ってつけてくれるか? 乳首の話をしているように聞こえる」


「乳頭が素敵」って……

「でも、もっと素敵な乳頭があるんだよ……それはね、君のさ」とか言われたいのかと思っちまうだろう。


「そ、そそそそ、それじゃ、ネ、ネフ……ネフェリーさんっ、お、おぉおおおオレ、オレと…………」

「ん? なぁに、パーシー?」

「なんでもないっす!」


 ……ヘタレめ。

 出来もしないなら口を開くな。


「けれど、こんなに大きいと、ウチにある包丁では切れませんね」

「あぁ、それはそれ用のナイフを…………あ、しまったな」


 ケーキ入刀用の長くて真っ直ぐなナイフを頼んでなかった。

 ケーキに刺さればそれでいいので、切れ味はどうでもいい。見栄えが最重要事項だ。


「明日にでも、ノーマに頼みに行くか」

「おにーちゃん、年寄りの情報ー!」

「……『耳寄り』って言いたかったのか、ハム摩呂?」


 年寄りの情報など欲しくもないのだが……


「おにーちゃんの伝言、しっかりきっかりお伝えする所存ー!」

「やめとくです」


 張り切るハム摩呂を、ロレッタが羽交い絞めにする。


「ふぉぉおっ! 姉の特技、『当てている』やー!」

「そんな特技持ってないですよ!? あんたに当てても意味ないです!」


 じゃあ、誰になら当てる意味を見出せるというのか……俺にならいつでも当てていいぞ。


「あんたのせいであたしたちが変な誤解をしちゃったです。説明不足です!」


 ロレッタの意見にうんうんと頷く一同。

 が、……待てよ、おい。

 お前らの早とちりも原因の一つだろうが。


「お兄ちゃんと『にゅうとう』って言葉が並んだら、それはもう乳首以外の何物でもないです!」


 先ほどより一層強くうんうんと頷く一同。

 ……よぉし、上等だテメェら。表出やがれ。


「僕…………ちゃんと出来る…………よ?」

「ダメです。騒ぎが大きくなるだけです」

「……出来……る、のに…………?」

「う……な、泣いたって………………うぅ…………ちらり」


 こっちを見るなロレッタ。

 弟に厳しく出来ないなら、最初からしなきゃいいのに……


「あぅ……あの…………ヤシロさん……ちらり」


 ジネット、お前もか。

 まったく……こいつらは子供にほとほと甘いんだから……


「よし分かった。説明は俺がする。だからハム摩呂。お前はノーマをここに呼んできてくれ」

「まかせて! そういうの得意ー!」


 ハム摩呂の顔がぱっと明るくなる。

 単純だな、ホント。

 で、ハム摩呂が元気になって、ロレッタとジネットの表情も明るくなる。

 ……お前らも単純だよな、ホント。


「うふふ……ヤシロさんは、子供にはほとほと甘いですね」


 ベルティーナが見当違いなことを言う。

 甘いのはジネットたちであって俺ではない。

 むしろ俺は、どっちかって言えば子供嫌いな方だ。うるさいし、言葉が通じないし、理論だてて物事を考えられないし、わがままだし…………なんだかんだで言うこと聞かされちまうしな。


「それじゃあ、ハム摩呂さん。よろしくお願いしますね」

「店長さんの、お任せサラダやー!」

「……サラダでは、ないですよ」


 ジネットがハム摩呂を優しく送り出す。


「初めての、おつかいやー!」

「いや、お前何度もおつかい行ってるだろう!?」


 これまでのはノーカウントか?

 精霊神にも縛られない自由人め。


 ハム摩呂が陽だまり亭を飛び出していったので、俺たちはしばらく休憩することにした。

 ケーキを食って、くだらない話をして時間を潰す。


 ――と、突然。


「ヤシロはいるさねっ!?」


 怖い形相でノーマが陽だまり亭に飛び込んできた。


「ヤシロ、あんた! アタシに『夫婦初めての共同作業(意味深)をみんなで見るために、乳首用のナイフを作ってほしい』ってのはどういう了見さねっ!?」

「なんて伝えた、ハム摩呂!?」

「ありのままの、言葉やー!」


 それから、ノーマを相手に俺はもう一度同じ説明を繰り返す。

 なんて無駄な時間だ……浪費以外の何物でもない。

 つか……『夫婦初めての共同作業(意味深)』ってなんだよ…………みんなで見るかよ、そんなもん。


 ……しかしまぁ。俺も、もう少しおっぱい発言を控えようかと思う。(思うだけで控えるとは言っていない)




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