バンベルガ
僕とシュレムはスタリオン高機動車に乗り、奴隷解放革命の戦況がどうなったのか視察に向かった。天井のハッチにはスケさんが陣取り、攻撃してくるアマゾネスに対しミニミ軽機関銃で応戦している。
「あのブエルムとかいうS級奴隷はどうなったのかしら」
シュレムは四つんばいになり、スタリオン後部に乗せている医薬品や応急キットを確認しながら言う。
「とどめは刺さなかったけど、あれだけのダメージを受けたらタダでは済まないだろう。後は逃げるが勝ちだ。君でも知っているほどの有名人だったのか」
「あの顔を見た時には凍り付いたわよ。TVで何度も報道されている殺人鬼みたいな奴だからね」
彼女は短いタイトスカートのお尻でうまくバランスを取りつつ、スケさんに外部の状況を訊いた。
「あちこちで、小競り合いが続いている状態ね。戦いが終息するには、まだまだ時間が掛かりそう」
スケさんに頭部を保護するヘルメットとゴーグルを借りたシュレムは周囲を見回しながら叫んだ。
「……あっ! あれは!」
「どうしたの? シュレム」
シュレムは、遠方にオオカミらしきアニマロイドが走り抜けていく姿を発見したのだ。しかも一頭や二頭ではなく集団だった。
「私、オーミモリヤマ市のひどい有様に頭がどうかしちゃったのかしら?」
ちょうどその時、聞き慣れた間抜け声が聞こえてきた。
「お~い! オカダ君、それにスケさんとシュレムさん。えらいこっちゃ、大変やで」
カクさんがケプラー22b総督府前からスタリオンを見かけるなり、大急ぎで走ってきたのだ。
彼からの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます