アマルテア
やれやれ、何だかどっと疲れてしまった。明日も運転する予定を立てているのにどうしてくれるんだ。
「助かったよ、オカダ君。あなたは乙女を危機から救った真の勇者だわ」
「そうかい、光栄だな」
高機動車の後部ドアを開けてマリオットちゃんを乗せようとするが、意外と車高が高くて乗り降りに不自由する。マリオットちゃんは、片足をステップに掛けて乗り込もうとするが、うまく踏ん張れなかった。
「オカダ君、いいから私のお尻を押してくれるかな」
「お? おおー」
僕は気が動転してカーテンのようなネグリジェの中に手を入れ、フワフワパンツに包まれたお尻を直接押し上げた。不思議なほど柔らかくて、とても温かかった気がする。
「いや! 何するの! 手を入れないよ……普通!」
マリオットちゃんは顔を真っ赤にして、ネグリジェを押さえながら注意した。
「ご、ごめんよ……じゃあ、こうしよう!」
僕は先に高機動車にひらりと乗り込んだ。そしてマリオットちゃんに手を伸ばした。
「よいしょ! 乗れたね」
ついでに何か武器を取りに行こう。ドアを閉め、二人で真っ暗な車内を四つん這いで、ごそごそする。シートを畳んで3人分のベッドを用意してあるはずだ。シュレムを起こさないようにしなければ……。
「君のベッドはどこなんだい?」
できるだけ小声でしゃべる。急に暑くなってきたし、車内の暖房が効きすぎだな。
「私は一番手前のはずなんだけど……いつの間にか姉さんが転がってきてるわ」
そうか、シュレムは寝相が悪いんだな。思わず心の中で笑ってやった。
暗闇に目が慣れないので、マリオットちゃんが小さなランプを付ける。
すると僕の目の前にシュレムの汗ばんだ下半身が、どアップで照らし出された! しかもパジャマの下をはいてないし、片脚が開き気味!
最初白いショーツかと思ったが、よく見ると薄いブルーの高級素材で、意外と可愛らしいデザインだったのが印象的。何よりも、おへそからショーツラインまでのモチモチとした白いお肌の産毛まで確認できたから、鼻血が噴き出す五秒前の状態になった。
「……おい、マリオットちゃん……シュレムが寒そうだから、布団を掛けてやれよ」
「やや! オカダ君にばっちり見られちゃったね」
シュレムは熟睡しているのか、全く僕に気付く様子はなかった。ガン見してしまったので、これは助かったのかな?
「う~ん……」
悩ましい声を出して寝返りをした。今度は、少しむっちりとしたヒップラインが鼻先に! ショーツが小さめなので、少々食い込んでいるような……。
突如、車のドアが開いて心臓が止まりそうになる。タイミング悪くアディーが戻ってきたのだ。
「あらぁ、オカダさんも一緒にここで寝るつもりですか? 私の隣がいいですよ。今なら特別に膝枕をしてあげますから」
「だめよ、姉さんが起きたらびっくりするよ」
「もう眠くて、この場で寝たいところだが、遠慮しとくよ」
僕は適当に武器を揃えると、おやすみを言って自分のテントに向かった。やっと安らかな眠りにつくことができるのかな。
シュレムの青パンが脳裏に浮かび、マリオットちゃんのお尻の感触が両手に残ったままだよ。まいったな……。
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