第31章 神々の黄昏
ルーペルト・カローラ
第三十一章 神々の黄昏
ゴールドマン教授率いる革命軍が総督府の最後のバリケードを突破した時、すでに中はもぬけの殻の状態で、一部の幹部を残すのみ。デュアン総督はすでに逃亡した後だった。
僕は今、ゴールドマン教授達と合流し、お互いの健闘を確認し合った。何だか怪我する前より力がみなぎっている気がする。
「噂によると長大な地下通路があり、オーミモリヤマ駅まで続いているという」
戦火でヒゲを少し焦がした教授が言った。
「後は我々に任せておいて大丈夫です、教授!」
革命軍のB級奴隷達は、もう現場の後処理に入っているようで極めて優秀だ。僕はゴールドマン教授と相談した後、共にオーミモリヤマ駅へと小走りで向かった。
「オカダさん、あれを見てください」
先回りしたアニマロイドのタッキーとキャプテンの翼が叫ぶ。駅裏の巨大偽装石油タンクから爆音を響かせて、ヘリがふわりと飛び立つのが見える。大型のティルトローター機だ。
この地区でアマゾネス及びキラーTファージと戦っている最中であった、アニマロイドの安寿とスシローが驚いた。
「あれは、V-22オスプレイかしら。なんてクラシックでパワフルな機体なんでしょう」
「どこに逃げるつもりなんだ。こっちには無人戦闘機もインディペンデンス号の備砲もあるというのに」
腕組みをしてゴールドマン教授はしばらく考えた。
「あの方角は……ビワ湖方面に向かっている可能性が高い」
「パイロットとたった数名で何をしようとたくらんでいるんだ?」
僕は疑問に思った。ゴールドマン教授は小心者だが、経験からくる知識量と判断力はすばらしい。
「分からないが、ビワ湖に浮かぶチクブ島宇宙センターからシャトルを復帰させようと目論んでいるのかもしれん」
「30年前の機体か……厳しすぎるだろう。宇宙にでも逃げだすつもりか」
「そのまさかだ……可能性は十分にあるぞ」
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