●会話文によるテンポよいやり取りが読みやすい。
ちょっと読もうと思ったら1章、2章と読み進んでいるほど軽妙に進んでいく会話文。気付けばいつの間にかその文章力に引き込まれてたほど。
●会話を重ねることはお互いを知ること。
それを見事に描く会話文。人物たちの『人間』らしさが徐々に明かされ物語は進んでいきます。
生徒である月島霧子に迫られる教師の国立との関係がリフレインになっている7章ラストは、会話文を私がこれほど評価することにきっと納得できるでしょう。
●1人1人の会話に出てくる言葉が帯びたリアリティー
教師から生徒への言葉、人から人への言葉、言葉への恐怖、不安、期待、信頼。
言葉を扱う小説だからこそ、深く心に突き刺さるものが他の読者にもあったのではないでしょうか。