ときどき思い出したように読みに来て、この間やっと読み終えたのでレビューを。
「ときどき思い出したように」とはいいましたが読みはじめたらそれこそ止まらない作品でした。毎回劇的なことが起こる面白さというよりは、呼吸にも似た、切実で、ひたむきな、かけがえのなさが綴られているように思います。
リリィは生きることに後ろ向きな子だと感じましたが、ミアに生かされて華やぎ、ミアのために心を尽くし努力をして生きる姿は決してネガティブなものではありません。
大切な人と生きることの尊さを、苦しく、そして優しく描かれた素敵な作品でした。
リリィのつくる食事を通して二人が心を通わせている様子は可愛くて必見です 笑
また読みに来ます。
とても素敵な作品でした。面白い。
この作品の魅力はと聞かれれば上述の通りです。
世界設定も、登場人物も、抒情的な文の運びも……全てがリリィとミアの二人のためにあったのだなと、読み終えて強く感じました。
行間には物語の広がりや人の繋がりを匂わせつつも、あくまでシンプルに、焦点を絞り、描き切る。
さらりと読め、非常に爽やかな読後感がありました。
と、これでは完全にただの感想なのでレビューもどきも少し。
ジャンルとしてはファンタジー。剣も魔法も出てきますが、いわゆるヒロイックファンタジーではなく、少女小説の流れを汲む作品だと言えるでしょう。
特筆すべきはやはりその純度の高い百合っぷり。二人の関係に焦点を絞る作品の構成が、結果的に百合好きの脳みそをガツンガツン揺さぶってきます。「タイトルにオムライスって入ってるからどーせオムライス関係のエピソードでもあるんだろうさ」と舐めてかかるとケチャップを吐いて死にます。
また比率で言えば控えめな、戦闘描写など動きのある場面についても疎かにはせず丁寧に描かれており、物語を引き立てています。
一方で作品紹介の通り少々ヘビィな展開も存在するため、「甘甘な百合で砂糖を吐きたい!」という人向けとは言い難い……かもしれません。
それこそオムライスのように酸いも甘いも味わいたい方はぜひお読みください。後味の爽やかさまで含めて、きっと保証できるでしょう。
こんなレビューを先見したばかりに、読む方の印象が変わってしまう可能性だけ気がかりではありますが、素敵な百合作品をお書きになっている作者への僅かばかりのお礼として置きます。堪能させて頂きました。
レビューの前に、まず自慢から。
私はこの小説を投稿の初期に見つけ、それからずっと追い続けてきた。
そして、ついにエピローグは投稿のほんの数時間後に味わうことができたのだ。どやあ!
我ながらかなりの愛読者だな、ふはは!
とか思ってたのだけど、アクセス数見たら私よりも早くこの短時間で多くの人が見ている。すげー!
うん、やっぱりファンが多いよね、この作品。
私をはじめ、固定ファンがつくような、好きな人のハートをがっちりつかむいい作品です!
では、以下レビュー。
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人と人とが想いを通わせるまでの過程には、多様な形があるだろう。
だが、せっかく物語として味わうなら、深みのある二人の想いが見たい。
簡単に出会って、簡単に好きになる。そんなありふれた過程ではなく、特別な二人の物語が読みたい。
そして、心が通い合うだけで止まらず、さらに特別をその一歩先に踏み越えた、二人の想いを感じたい。
この小説は、そんな希望を叶えてくれるステキな作品なのだ。
ファンタジーだからこそできる、二人のあの特別な関係。
異世界への召還についても、ただのアイテムとして書かれているのではなく、この物語を描くのに必然的なパズルのピースになっている。
そして、この展開!
ああ、未読の人はぜひ早く読んでください!
たとえ、途中につらくて苦しい時間があっても、その先にはどんな形であれ、あのオムライスを食べる二人の食卓のような、心温まる未来がきっと待っているはずです。
本当にいい小説をありがとうございました!
また、次の作品も期待しながら、のんびりゆっくり待っております。