第19話 あるいは氷の森
「ど、どうしたのですか? リクさん」
「だいじょぶですか!?」
膝を突いたリク呼吸は荒く汗も大量に噴き出していた。魔力を空っぽ寸前まで使用したことで魔酸化した血液を浄化しようとする働きだった。
「ふ……普段……大口……叩いてる……割りに……ハァ……へばってるわね……ハァ……。まあ……ハァ……ざっと……こんなもんよ」
挑発するような台詞を吐きながらリクたちの元へと歩み寄るイガルガも呼吸は荒く、リクの指示した通り全力で魔法を放ったことがうかがえる。その甲斐あってリクたちを取り囲んでいた動物たちは体にビリビリと電気をほとばしらせながらひっくり返っていた。
汗を流しながら得意げに歯を見せるイガルガが一瞬鬱陶しそうな顔をして前髪をかき上げると、その隙を突くようにリクの手から小指ぐらいの大きさの何かが投げつけられた。
「いたっ」
見事イガルガの額をとらえたそれは少し上に跳ね、慌てて伸ばされたイガルガの掌に収まった。
「……あによコレ」
「見てわからないか」
イガルガは今だ汗ばんでいるというのに、既に呼吸も平常を取り戻し涼しい顔で立ち上がるほどまでに回復したリクが衣服を整えながらイガルガの方を見やる。
「プレゼントだ」
「プぅ!?」
リク以外の皆が唖然とした表情になる反面、イガルガはリクの言葉が浸透すると顔を真っ赤にして、受け取ったそれを持った腕を突き出しながらリクに詰め寄った。
「いいい、いらいらな、いららいわよーッ! あ、あんでアタシがアンタからプ……プッ、プレゼントなんかもらわなきゃならないのよーッ! きゅ、急すぎるし、キモいっつのーッ!」
どうやらプレゼントというワードが異常なまでにイガルガの含羞を誘ったらしい。耳まで真っ赤なその表情を見たリクは不快感を露わにした顔つきになる。
「魔法使いのくせに髪に集中を乱されていると頭の中まで散らかるのか? とっととそいつを付けろ。お前のむらのある魔力制御と、精度を度外視した魔法を好む傾向も少しはマシになるはずだ」
「え……あ……」
言葉を失うイガルガ。プレゼントというだけで渡されてもの自体に注目していなかったが、手元に視線を落とすとリクがイガルガに投げつけたのは髪留めだったことに気付いた。彼女の薄水色の髪に映える銀色で非常に簡素なデザインだ。そして固まったままのイガルガの傍らでオズベルはなるほどと感心していた。
イガルガの優秀な魔法威力は騎士団内でも噂として聞くことはあったが、彼女が魔術科でトップクラスの成績を上げているという話は聞いたことがない。実際に今回の任務で行動を共にしたことで噂通りの魔法威力だとも思ったが、制御、精度、術選択はいまいちだと感じていた。それは単に彼女のムラッ気の強い性格が災いしているのだろうと思い込んでいたが、そうではなかったのだ。
魔術師は魔術の使用を行う際に大変な集中力を要する。それは感覚派も理論派も同じことで、隣で小粋なジョーク大会が開催されていたら誰であろうと勉強が捗らないのと似ている。
故に、魔法使いは詠唱で噛んだり、違和感を覚えたりして集中が途切れるのを防ぐために何千何万と舌が慣れるまで詠唱を練習し、服装も身体にぴったりと張り付いて意識がそちらに向いてしまうようなものを避ける。
それほど繊細なものだからこそ、口内炎ができていたり、靴擦れを起こしていたりするだけで魔法使いは本来の力を発揮できないと言われている。具体的に言うならば、発動速度、命中率、持続時間、魔力効率など様々な要素に悪影響が生じてしまうのだ。
そして今さっき、直前までにやけていたイガルガが鬱陶し気に髪の毛をかき上げた動作で、リクは、髪の毛が彼女にとっての口内炎であり靴擦れとなってしまっているということに気付いたのだ。
しかし、どうして魔術科という集中力を高めることに躍起になっている連中が集まる場所で生活していたはずのイガルガがこれまでそんなことも指摘してもらえずにいたのだろうか。魔法制御が下手だと自覚して、威力と範囲優先で多少狙いが逸れても敵をぶっ飛ばせるような魔法を選んで習得してきたなんてことになったのだろうか。もちろん、彼女が簡単に他人の忠告を受け取るようなタイプでないことはオズベルも理解していた。けれど、それとは別に、騎士団の女性団員に対する差別的な陰湿さがこの事態を招いたのではないかと思わずにはいられなかった。いや、もしかするとそれがイガルガを男性不審に陥らせる要因の一つとなったのではないかと考えた。
「えっと……その……」
口をもごもごとさせて俯いてしまったイガルガをアリやネルマたちは見守った。彼女の理不尽な男嫌い(リク嫌いかもしれない)がいくらか改善されるきっかけになると思ったのだ。オズベルはリクの敵対心を集める思惑に障害が出るのではと思ったが、リクとてそれは考慮しているだろうから何か策があるのだろう。おそらくはこの場でつけさせて、つけた瞬間「うわっ、似合わなッッ」などと貶すのだろうと考え、大人しく見届けることにした。
「あ……あ……」
イガルガが何か言おうと口を開きかけ、よし、そこだ! 『ありがとう』だ! と見守る全員が思ったときのことだった。
「皆さん、大変です。ご覧ください!」
突如上がったフルーナの声に、ちょっと場の雰囲気を察しなよ、という溜め息が誰からともなく響いたが、その切羽詰まった声色に皆フルーナに倣って顔をやや上空に向けて引き上げた。
「え」
皆一様にその光景に絶句した。
氷が、氷の塔が立っている。リクが目印として建てた氷の塔が、八方に立ち並んでいるのだ。
「あ、れ……? リクさん。いつの間に新しいタワーを造ったんですか……?」
「そんなことはしていない。似たものをあんなに造ったら区別がつかないだろうが」
「区別ということはやはりあの氷像は帰還の指針となるものだったのですね」
フルーナの問いに対して頷くことでリクは造形魔法を目印の役割を担わせるために使用したことを認めた。もとより隠してはいなかったが。
「ウサギを見つけるまではなかったですよね……」
ネルマが控えめに呟くとオズベルもこっくり頷いて同調する。
「そうね。いくらなんでもあんな風にどの方角にも並べられていたら気付くはず」
「……もしかして、わたしのせいかも」
「え?」
ポツリと呟いたアリにオズベルは目を見張る。
「わたし、オズベルさんに、リクさんがなんで木を凍らせたのか訊いちゃったじゃないですか。そのせいでどっかで聞いてた箱物に目印だってことがばれて……混乱させようとおんなじのがたくさん用意されちゃったんじゃ……。きっと、さっきの動物たちはわたしたちの注意を反らす箱物が送り込んだ囮だったんですよ」
「送り込んだ……って、どうやってよ」
イガルガが率直な疑問をぶつけると、アリは少し俯いて考える素振りを見せた後、意を決した様子で顔を上げた。
「たぶん、箱物は催眠術みたいなものを使えるんじゃないですかね。生き物を自分の意のままに操れるんだと思います。だからさっきの動物たちも、昨日わたしとリクさんを襲った人たちもちょっとおかしな感じだったって考えられません?」
「催眠を施したのが箱物だという根拠は何だ。支配系統の魔法によるものの可能性もあるだろう」
「えっと……やっぱり箱物は、わたしたちが箱物を探してるって気付いてて、何とか妨害しようとしてるんじゃないかって思って」
問いただすリクの言葉にアリは自信なさげに語気を弱め、再び俯いてしまった。
「それは襲撃者が箱物の手下だった場合の、箱物が俺たちにそいつらを差し向けた動機だろうが。俺は、お前が襲来者を箱物の手下だと思った理由を聞いているんだ」
「あ、いや……すみません」
「謝れなんて言ってないだろう。理由を言えと言っている」
「リクさん!」
「やめなさいよッ。誰かを探してるときに襲われたら、その誰かが追っ手を撒くために差し向けたって思うのが普通でしょーが。そんなことよりも今はこの状況をどうにかすることを考えろっつのーッ! バトったせいで帰り道がどっちかわかんなくなったのよ!?」
アリへの迫り方が強く詰問する形になると、フルーナとイガルガがそれを厳しく咎めた。特にイガルガの最期の発言はオズベルも同様に感じていたものだった。
目印があるのだからと油断していたこと、探索中何度か方向転換を繰り返したこととあって自分たちが今どの方角を向いているのかあまり意識していなかった。そこを戦闘で意識をかき乱されたことでどの氷が街の方角を示しているのか皆目見当がつかなくなってしまったのだ。
しかし、咎める二人の様相でこれ以上の追及を諦めたリクは、不愉快そうに舌打ちをしてある一つの氷を指さした。
「あれが街の外壁の脇に造った氷だ。あれを目指して進めばすぐ帰れる」
「ど、どうして断言できんのよ」
「探索の進行指示をしていたのは俺だ。自分が今いる場所、向いている方角は常に意識していた。当然、街のある方角など把握している」
「……だから、それが絶対に間違ってないってどうして言い切れんのよ! アンタ、魔力切れでぶっ倒れたじゃない」
確かにイガルガの言う通りだ。記憶というものは本人が思っているよりかなりあやふやだ。幼いころに食べたおいしいお菓子の味も、大人になってからもう一度同じものを食べるとどうも記憶と違っていることがある。歳を重ね味覚が変化したとも考えられるが、当人の心身の状態に変化があったのはリクも同じだ。
とはいえ、他にあてもないのでとりあえずリクに賛同しようとオズベルが口を開いたときだった。
「どうせそんな文句をつけてくることはわかっていた。見ていろ」
鼻を鳴らしたリクがそう言って、先ほど指示した方角に再び注意を向けさせた。
「…………」
注目したはいいが、何の変化も訪れないように思われた次の瞬間、リクがフッと短く息を吐く。同時に氷はきらりと瞬き破裂するように砕け散った。しかも、全てが崩れ去ってしまうのではなく、後には一回り小さくなった氷が残った。
「ち、小さく……?」
ネルマが目を丸くして呟くと同時にオズベルは合点がいった。
「発動後も……ずっと制御していたんですね」
「ああ。そうだ」
「ど、どういうことでしょうか?」
何もわかっていない様子のフルーナをはじめとする他のメンバーにオズベルは解説を始めた。
魔法というものは体内の魔力成分を燃やし、空気中の魔力成分と共鳴させ干渉することで形作られる。つまり、火の玉を作り上げて飛ばすという魔法を使う際は、空気中の魔力成分を火の玉の形に固め、それに運動エネルギーを込めることで想定していた結果につなげることができる。そうすることで、宙を行く火の玉となった魔力成分は、他の要素によるより密度の高い物質にぶつかるか、他の魔力で干渉されるか、時間経過によって魔力成分が薄まるまで宙を行く火の玉であり続けるのだ。
ただ空飛ぶ火の玉の魔法を使っていた場合はそれで終わりだが、ここに“自在に”や“密度の高い”などの追加効果を与えることで弾道を複雑化したり、容易に形を失うことを防いだりすることができるようになる。
そして、今回の場合、リクはおそらく“制御の継続する”“自在な”氷結魔法を使用していたため既に発動し終えてコントロール下を離れたと思われていた氷の塔を遠くから破壊することができたのだ。
「そういうことだ」
オズベルが説明を終えるとリクは正解だと告げる。
「一回りちっこいのを残したのはなんでなのよ」
「当然帰還する際の目印だ。二重にすることでこういった事態の保険にしておいたに過ぎない」
「ああ! ですから二度に分けて樹を氷結させたのですね?」
「そういうことだ」
オズベルはフルーナの問いに頷くリクの周到さに薄気味悪さすら感じていた。橋を渡るのにいちいち棒で叩いて安全確認する人がいると言うけれど、この人は自分で橋を立てて渡っている。いつどこでだれが何をどうするのか全ての可能性に警戒の目を光らせている。この男の裏をかくなど不可能なのではないかとさえ思えた。
「あ、あの~……」
不意にそれまでずっと黙っていたアリがおずおずと手を挙げた。皆の視線が集まると控えめに口を開いて言葉を紡ぎ出す。
「ところで、偽物のアイスタワーっていつ造られたんですかね……?」
「そりゃバトってる間でしょ」
イガルガの言った以外考えられないというように誰も声を上げなかった。遥か以前から作って視覚へ影響を与えるタイプの魔法で隠されていた可能性も無くはないが、リクが氷の塔を建てるという事柄を予測していたとは考えにくいので結局は本物が造られたとき以降に建造されたことに変わりはない。
アリは質問を続ける。
「それじゃあ、作ったのは誰ですか?」
「……箱物?」
「待って。それはおかしいわ」
悩んだ末にイガルガは最も妥当と思える回答を導き出したが、オズベルがアリの予感している事柄に気付いたそれを否定した。
「イガルガは噴火の魔法を一度に七発撃てる? 順にじゃなくて同時に七発よ」
「ベバーネットエンドを? 無理に決まってんでしょ。乱発系じゃあるまいし」
魔法は同時に発生する有効範囲数に関して一発が規定数の単発系、術者の力量で数に上限の無い乱発系、必ず複数個……ただし数が決まっている群発系に分類される。
シルファングと戦った時にイガルガの放った魔法を引き合いに出したオズベルの問い掛けに対して発数区分を理由にイガルガは首を横に振った。イガルガ個人としては魔力量的にも不可能だがそうは言わないのがイガルガらしい。
「氷結も噴火と同じで単発魔法……つまり超巨大な一つの魔法だった場合を除いていきなり複数の氷の塊を出現させるのは不可能よ」
「ですが、箱物がそれほど大きな一つの魔法を使える存在であるならば、街が無事で……いえ、失礼いたしました。街という機構が成り立たなくなるほどの被害が出ていないことが不自然に思えませんか?」
行方不明者に配慮して言い直すフルーナに視線を向けてオズベルははっきりと頷いた。
「その通りよ。箱物が子どもばかりを狙って大人を全く行方不明にしない以上、行商などが遠ざかることを避けて餌として街の機能が停止しないよう配慮しているとは考えにくい。街の機能停止を心配するだけなら老人なんかも行方不明になってなければおかしいもの。敢えて老人を行方不明にしないことで街の機能停止を防ぐために大人を行方不明にしないという意図を隠そうとしているのなら、むしろ子供よりも老人を対象にしている方が自然よ。街の未来を担う子供の減少は長い目で見れば街の機能の低下を招くことになるのだから。短期間に一定の頭数を行方不明にしたいのならば、やはり町全域を襲えばいい」
「えーと、つまりどういうことなのよ?」
長々と語られたせいで重点を見失ったのかイガルガが総括を求める。
「つまり、箱物があれを……偽物を造ったとは考えにくいってことよ」
「はぁ? そんなこと言ったって、現にあっちこっちに氷結タワーが……あれ?」
腕をいっぱいに広げて自分たちを囲む遠方の塔らを示そうとしたイガルガは口をあんぐりと開けて目を瞬かせる。
「き、消えた……?」
先ほどまで森の景色に紛れ込んでいた氷の塊たちは影も形も無くなっていた。同じくそれに気が付いたフルーナ、ネルマ、アリもざわつくが、リクとオズベルの知性派コンビは分かっていたかのように頷きあっていた。
「どうやら私たちは幻覚を見せられていたようね」
「そっか……幻惑魔法なら私たちのいる範囲に一つだけでいいんだ……」
オズベルの言葉に感応されたのかネルマが独り言のように呟くと、視線が彼女に集まった。
その、よく知っているなと言うような視線に気づくとネルマは慌てた様子でしろどもどろになりながら釈明を始めた。
「えっと、あのあの……実はその、盾術科ではバッドステータスへの対抗法も教えられてて……それであの、ホントは治療魔法を簡単に教わるだけなんです、けど……」
魔法は攻撃するためだけのものではない。防御魔法があったように支援魔法と言うものもこの世には存在する。この支援魔法はその用途によっては妨害魔法と呼ぶこともあるのだが、その妨害魔法の中には対象をバッドステータス……状態異常に陥らせるものもある。ポイズン、サイレンス、ストーン、アングリー、スタン、フリーズ、スリープ、チャームなどが主な例だ。
仲間を守る盾術を教える盾術科では、これらに対抗するための知識を教え込まれる。そのためどんな妨害魔法があって、どんな特徴があるのかなども教えられていたネルマは前衛職であるにもかかわらず妨害魔法の知識を持っていたのだ。
「お前……」
それを聞いたリクが呼びかけると、その冷たい視線――それがリクのデフォルトなのだが――に晒されたネルマは震え上がって縮こまるように身体を丸くしながら「なな、なんでしょうか……?」と返事を返した。
「妨害魔法は使えるのか」
魔法は仕組みを知ってさえいれば、特定の条件(例えば目も耳も不自由な場合など)にあてはまる場合を覗き、誰もが使うことができる。
もちろんそれなりに練習を積まなければならないが、とりあえず知識があれば第一条件をクリアしていることになる。リクは、彼女が魔法を使えるようになるための知識を教わっているかが知りたかった。
「ご、ごめんなさい……私は使えないです、けど、盾術科で使える人はいるのに、私は使えないです。ごめんなさい……」
故に、滅茶苦茶な文法ながらも盾術科に妨害魔法を使うことができる人がいると言うネルマの答えはリクにとって充分な収穫をもたらした。
「謝る必要はない。初めからお前に期待などしていないからな」
「は、はい……ごめんなさい……」
あまり虐めるようなことを言うならば先程のように制止しようと身構えていたフルーナは、彼女の視点から考えてネルマがリクに責められるような回答をしたにもかかわらず、リクがあっさりと会話を切り上げたことに拍子抜けしてしまい、開いた口を別の話題のために動かすことにした。
「ところで、そろそろこの場を離れませんか。じっとしているとまた敵がやってくるかもしれません」
放電で敵を全滅させたとはいえ、第二陣がやってくるかもしれない。
皆、フルーナの言葉に異論はなかった。従ってリクに注目が集まる。とりあえず彼がリーダーなのでこの後の方針が発表されるのを待っているのだ。
リクは少し長めに息を吐いて間を置く。そして存分に引き付けてから言葉を発した。
「南南西。最初にウサギが現れた方角に進路を取る」
「え? 帰還するのではないのですか?」
フルーナの問いに対してリクは当たり前だろうと鼻で笑った。
「誰一人として負傷していない。緊急に別部隊と共有すべき情報が見つかったわけでもない。まさか少し先制されたから怖気づいたんじゃないだろうな」
「いえ、そのようなことは……」
「何故ウサギがいた方角に?」
「最初に現れたということは先行していたということだからな。それがわざわざ標的の背後以外に回り込んでいたとは考えにくい」
つまり、獣たちはウサギの現れた方角から現れた。現状箱物の居場所に繋がる手掛かりがない以上、そちらに何かがあるという可能性に沿って動いた方が成果を得られる可能性が高い。
ウサギが間違いなく先行していたとは限らないし、偽装の可能性もあるが、他に明確な基準を得られないのだからやはり無難な目標であることには変わりない。
リクから得られた返答から自ら保管を行ってオズベルは納得したように頷いた。
他に声を上げる者がいないかを確認すると、リクは隊列を整えさせて進行を号令した。
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