第7問目 デジタル思考とアナログジレンマ


腹がいっぱいになってふと考えた

あの2択って野草の知識が有る人だと2が正解なんだろうか?

確実に殺しにくる問題に遭ってもおかしくないと言う事か?

それとも思考パターン読み取りなのか解らないな

「なぁナコ」

「はい~?」

「このゲームってシナプス管理と言う事は思考パターン読み取りはしてるのか?」

「多分してますね~今までのプレイヤーにあんな選択肢出なかったですから~」

やはりか

「このゲームをクリアした者は居ないけどクリア出来る様になってるのか?」

「ん~理論上は可能と答えるしか無いです~」

理論上か・・・

机上の空論はキツいなぁ

でもクリアしないと死ぬ事になるからな

まだ俺にはやりたい事が沢山有る

そのためには問題の傾向と対策が早期に纏める必要が有る


まずこの制作陣は何を考えているんだろう?

殺す為だけのゲームを作ったとは考えにくい

脳に直接作用する効果で発動するゲームだから偶発的に死んでしまっただけ

これが正しいんだろうな

と考えを纏めてる内に太陽が沈み始め夕暮れになって来た

ベンチに長時間座り続けて朝を迎えるのは嫌だな

飯の為に此処まで歩いたけど家から近いはずだけどこの公園は初めてだ

然し知ってる人が今まで出て来てないな

出て来てもそれが2択問題になったら嫌だし

ああ考えてると出て来る可能性高いんだった

色々と深く考えたいけどさせないジレンマはこのゲームの意図的な所だと思う

上手く作ってあると深く感心したい所だ

プログラマとしての俺も真っ向から戦いたい

「さぁ帰ろうかナコ」

「随分深く考えこんでましたね~」

「そりゃ命が掛かっているからね・・・出来る事は考えて試したいのさ」

帰り道は漠然とした方向しか解らないな

携帯で調べるか

ってこの世界で携帯は意味を成すのだろうか?

でもパソコンが使えたから使えるだろう

地図確認っと

家は・・・こっちか

携帯を見ながらトボトボと歩いて行くと・・・地面がポッカリ空いてて驚く!

何で此処崖みたいになってて縄で出来た橋が有るの!?

「なぁナコこれって」

と聞きかけた瞬間頭の中に!


1:諦める

2:信じて進む


ん?

何か違和感を感じる

普通なら諦めるじゃなくて遠回りするじゃないか?

それに『何を』諦めるんだ?

深く考えたい所だがリミットは30秒となってる


焦るな


この橋で落ちたら間違いなく死ぬだろうが縄でも橋が有る

選択肢はただ『進む』じゃなく『信じて進む』と出てる

つまりはだ


「2の信じて進むだ!」

と言って不器用ながらも縄の橋をゆっくりと歩み出す

穴の深さは解らないが縄の橋の距離は約30mと言った所か

信じろ

自分を

このゲームを


・・・そして何とか渡りきった!

「正解です~御影さん!このゲームを信じてくれたんですね~!」

「ああ良かった・・・今回の選択肢は漠然とし過ぎたからなぁ」

「そうですよね~」

「因みに諦めるを選択してたらどうなった?」

「ん~このゲームを完全に諦めたものとみなし排除される・・・です~」

「よく解らないな」

とにかく今回もクリア出来た!

危なかった~

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