第二章 第二の世界

0、コンビニ店員、ままならぬ現実に絶望する


 人生とはかくも思い通りにはならないものだと、俺は最近とみにそれを思わずにはおられない。

 突然だが、ここまでの流れを説明しておこう。

 俺の名前は依田一誠よだいっせい。今をときめく二十三歳。

 昭和の名優・長谷川一夫と田宮二郎を足して二で割った上で、もう少しバタ臭くし、今風にアレンジしたような色男だ。(例えが古くてすまん。)

 超一流大学を卒業後、超一流企業に入社した俺は、不思議な声に呼ばれたと思ったら、なんと異世界に召喚されてしまった。

 一緒に巻き込まれたポニテ、どじっこ、ロリ貧乳の幼馴染と、俺を召喚した三つ編み、天然、眼鏡っ娘の神官と、金髪縦ロールのつんでれ、巨乳のお姫様との四人で魔王退治の旅(ぽろりもあるよ)に向かうことになったのだ。

 チートな能力を与えられていた俺だったから、旅は楽勝、きゃっきゃうふふで問題なく進んでいたものの、ここでなんとトラブル発生。

 旅の途中で返り討ちにした魔王の娘(猫耳)が、俺に一目ぼれして付いてきてしまったのだ。

 火花を散らす美女達に囲まれて、俺はいったいどうすればいいの!?

 次回、『イッセーのわくわくハーレム帝国、危機一髪!?』、お楽しみに!






 ……という夢から覚めた俺は、気付くとむくつけきマッチョメン(複数形)に取り囲まれていた。

 ゴメン、ほんと勘弁して。

 ていうか、いったい何が起きたのか、誰か俺に説明してくんね?


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