鬱エロゲーの悪役に転生してしまった主人公がヒロインを救う! 物理で! という簡潔ながらも感情移入しやすい冒頭からすぐに怒涛のような肉弾戦、銃撃戦が始まります。
銃を構えた相手に素手で対峙し、腕を捻りあげるあの動き、あの……なんか、そのなんかこうなってああなってそうなってやっつけるんだよ! 分かれよ! と私のような素人では上手く描写出来ずに逃げてしまうような場面も実に見事な表現で書き表され、目の前に動きが見えるようでした。
とても気持ちが良かったです。
脇を固めるヒロイン達、仲間達もいい意味でしっかりデフォルメされキャラが立っている。それなのに一人一人に魂を、血肉を感じる。これをあっさりと両立しているのは凄い事だと思いました。
敵の拳を避けて耳に風を感じたいか?
硝煙の匂いを嗅ぎたいか?
助けを求める人のために傷付いた身体を引きずって、必死で立ち上がってみたくはないか?
ならば読みましょう。
きっと熱い心が帰ってきます。