第4話 4年後…
…なんで、こうなった?…
僕−ハヤテ オウカ−は、白い制服のうえに胸当てなどの甲冑を身につけた少女たちに囲まれながら、そう思った。
数時間前 学院都市
まだ、夜の暗さが残る時間帯ではあるが、働き始めるものもいる。少年−ハヤテ–も、その1人だ。彼はまず、「教導院」にいた時に叩き込まれた様々なトレーニングを始める。これから、戦闘をする事はないだろうが、念には念を、という言葉があるので一応しておくことにしたのだ。それが終わると、着替え、朝に弱くなかなか起きてこない相棒の分も合わせて朝食を作る。だいたい作り終わる頃に相棒が起きてこなかったら、起こしに行くのも彼の仕事だ。一度、別々に食事をとったらかなりの時間拗ねられて、まともに話してもくれなかった。
…あれは、なかなか応えたなー…
そして、だいたい食事の準備が終わった頃に、
「おはよ〜、今日のは何〜?」
「おはよう、今日は、トーストとサラダ、スープとかだな。顔、洗ってこい」
相棒−ルナリア=アルデヒルト−は、眠そうな顔で、洗面所の方に向かった。そして、その後に2人で朝食を食べる。これが、今の僕たちの日常だ。
準備頑張りますので終わったら、仕事の時間である。
「早く、いきましょ〜」
ルナの少し上機嫌な声に返事をして、僕は彼女の後を追う。
ーそこで、事件が起こったー
「きゃぁぁぁぁぁ!」
突然、悲鳴と共に、何かが壊れる音がした。
「っ?」
「ハヤテ!あそこ!」
ルナが指さしたところには、母親らしき女性と、その子供、そして、一体の魔精霊であった。
-ありえない!なぜ、魔精霊がここに?−
ハヤテの心の中では、疑問が渦巻いていたが、体はその親子のもとへ走っていた。
−僕だけでは無理だ–
それは、わかりきっていた。だからこそ、相棒に声をかける。
「ルナ!」
「わかったわ!」
僕の体に神威がみなぎる。右手の精霊刻印が熱くなり、僕の右手に漆黒の太刀が握られる。
「はぁぁぁぁぁ!」
目の前の魔精霊のもとへ、僕は転移し、太刀を振るう。
「けし、と、べぇぇぇぇ!」
一瞬のうちに三閃、僕は太刀を振るい、目の前の魔精霊を消しとばした。
後ろの親子が怪我をしていないか確かめようとすると、
「そこを動くな!」
突然、叫ばれ恐る恐る声のした方向を向く。
「今回の事件のことでご同行願おう。」
先頭に立っていた、青髪をポニーテールにした少女から、有無を言わさぬ感じで言われた。
そして、現在に至る。
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