第2話 闇の中で

4年前 オルデシア帝国辺境 「教導院」

少女は寂しかった。

暗く狭い部屋の中、1人で長い時を過ごしていた。たった1人の友人である闇精霊の彼女とあったのも、もう何年も前になるだろう。少女をここに封印した教導師の者たちもここに立ち入ることはない。

…外にでたいなぁ…

それは少女の本心であった。

少女にはとても強い力があった。大昔の戦争を生き残ったことだってあった。初めの頃は、教導師たちも少女を手に入れたことをとても喜んでいた。

しかし、少女は強すぎたのだ。

契約を結んだ者は1日も持たずに廃人となり、当時、かなり力のあった者でさえ、少女の力に耐えることはできなかった。

…少し、加減をまちがえたのかな……

…けど、あの人たちは弱すぎる…私を…扱え

るほどじゃない…

少女は、いつか自分にふさわしい者が現れるのを待っていた。

そして、その日少女は出会った。己を使うのにふさわしい存在を。

だから、少女は問いかける

「ねえ、私と契約しない?」



この日、紛い物の魔王として作られた少年と紛い物の聖剣として作られた少女が出会った。

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