16:畜生には劣らない

 和久内、林道、矢口。その三人が、先日幽刻内で、交輪にマヨネーズをぶっかけられた三人組の名前である。

 ちゃんと調べれば下の名前もはっきりしたのだろうが、交輪自身がこの三人に対してそこまでする意欲がなく、結局覚えたのは苗字だけだった。

 五月六日。短かったゴールデンウィークが早くも明け、憂鬱な学校が始まってすぐ、交輪は嫌々ながらもその三人の名前だけは調べておいた。

 なかなか人の名前を憶えない交輪にとって、不快な相手の名前を覚えるというのは苦行以外の何物でもないのだが、しかし幽刻のあの影、その発生源かもしれない三人の顔がわかっていながら、名前はわからないというのもさすがに都合が悪い。記録につける必要もある関係上、いつまでもわからないままにもしておけず、教室について早々名簿に目を通しておいたのだ。

 名前だけ把握して、後は何もすることはない。

 交輪としては青衣に手を貸すだけならやぶさかでもないが、それに際して嫌がらせの矛先が自分に向くのは願い下げなのである。

 卑怯な保身かもしれないが、そこまで身を投げうつ意思は交輪にはないし、そんな責任や義務もない。義理なら多少あるかもしれないが、それとて被る実害を考えれば躊躇するのもやむなしと考えられる程度だ。

 だから青衣には、放課後待ち合わせの場所だけを伝えて、その後は不干渉を貫いた。

 青衣の方もそれを望んでいたのか、交輪の態度に対して特に不満な様子も見せず、幽刻の約束だけを頷き一つで受け入れた。

 だから何の問題もない。そのはずだ。


「……ちっ」


 放課後の屋上で壁際に腰掛けながら、手帳を見つめて交輪は思わず不機嫌な舌打ちを漏らす。

 理由は別に青衣のことだけではない。休日中ネットで色々と探って見たのだが、幽刻についても裏サイトについてもろくに収穫がなかったことがその原因だ。今もスマートフォンでネットに検索をかけているが、どちらについてもろくな情報が出てこなかった。


(やっぱ素人の検索じゃここらが限界か)


 交輪はIT機器にも高い耐性を持つ現代人ではあるが、かといって特筆するほどその能力が高いわけではない。パソコンを勘で操るセンスこそあるが、専門的な知識や技術にはとんと縁がないのである。

 だから、ネットの情報も地道に探して見つからなければそこまでだし、学生が作ったサイトのセキュリティだとてパスワードがなければお手上げだ。

 幽刻についての仮説や検証も行き詰まっており、今日の幽刻で色々と試して見なければ前に進めないのが現状だ。

 幽刻に向けてなにがしかの準備をしなければいけないとわかっているこの状況で、しかし交輪はなにもできないがゆえに苛立っている。理由はそれ以外にありはしない。

 それ以外には、無い。


「にしても、妙に遅いな」


 時刻はすでに十六時半を過ぎて、幽刻までの時間はすでに残り三十分を切っている。当初の予定では青衣の掃除当番が終わり次第この屋上で彼女と落ち合い、その後学校の外で幽刻を迎えてその幽刻時間内にいろいろと実験を行うつもりだった。件の文字の影が学校の裏サイトやらクラスメイトやらと繋がりが疑われている現状、リスクを抑えるならとにかく学校の外で幽刻を迎えるべきだろうという考えである。

 だというのに、肝心の青衣がいつまで待っても待ち合わせの場所にやってこない。


「……ったく。なんであいつ携帯電話持ってないんだ」


 ぼやきながら、どうしたものかと少し悩む。

 仮に探しに行ったとしても、もしそれで行き違いが起きてしまえば目も当てられない。かと言って、残り時間が三十分を切ってしまっている現状、合流するなら早い方がいいのも確かである。最悪人前にいる状態で入刻してしまったら、幽刻が終わるまでにその場所に戻らなければ瞬間移動が発生してしまうのだ。幽刻内での自由度を考えるならば、最低でも人気のないところまで青衣を誘導しておく必要がある。

 と、交輪が探しに行くべきかどうかを考えていたちょうどそのとき、屋上の扉のドアノブが回り、扉が開く音がする。


「やっと来たのか。ったく、この前はやたらと早く来たと思ったら――」


「――あれ、工和君?」


 振り返り、予想と違う声の主を視界に収めて交輪は頬を引き攣らせる。

 てっきり青衣だと思って話しかけていたら、まったく別の人物だった。しかも相手は交輪の名前を知っているクラスメイトで、確か名前は――。


「――あずまだったか?」


「“あ”しか合って無いよ!? なんで、なんで覚えられないの!? 私の名前って滅茶苦茶憶えやすいはずなのに!!」


「“あ”はあってるのか。だとしたらなんだ? 赤川? 安藤? ああ、そうだ。暗多例巣アンタレスだ!!」


「絶対わかってるよね!? わかっててボケてるんだよね!? 私卵の話で自己紹介したもんね!?」


「わかったわかった。覚えてるよ。確かシラ――」


「シ・ロ・ミですッ!! 愛川、シ・ロ・ミッ!!」


 肩を怒らせて憤慨しながら、ようやくそのクラスメイト、愛川白美の名前がはっきりする。

 まあ、交輪とて別に忘れていたわけではない。ただ彼女が使った『愛されるかわいいシロミちゃん』などと言うキャッチフレーズに逆らって見たかっただけだ。


「って言うか、工和君はこんなところで何してるの? もう授業終わってから結構たつけど、帰らないの? それとも部活?」


「別に、ただ人を待ってるだけだよ」


「待ってる? だれを? もしかして、わ・た・――」


「お前誰だっけ?」


「名前のくだりからのやり直しは勘弁してください!!」


 交輪の冷たいあしらいに、白美は本当に忘れられるとでも思ったのか高速で頭を下げる。流石に土下座まではしなかったのでリアクションとしてはいまいちだったが、まあ流石に女子がリアクションのためだけに土下座を始めたら交輪としてもドン引きなのでそこはよしとすることにした。工和交輪と言う少年は非常に寛容なのである。


「なんだろう。今すごく理不尽なことが起こっていた気がする」


「気にするな。どんな理不尽や不条理も、この世界では別に珍しくもない」


「確かにそうかもだけど思いのほか重い返しが来たよね!?」


「ってか、そっちこそなんで残ってんだよ。それこそ部活かなんかか?」


「いや、私はまあ待ち合わせまでの時間つぶしだよ。掃除当番で潰れるかと思ってたんだけど、意外に時間が余っちゃってさ」


「……なに?」


 こいつも掃除当番だったのかと思いながら、同時に交輪は彼女のもの言いから知りたかった情報を意図せず受け取る。

 白美の言動から推察するに、どうやら掃除当番はすでに終わっているらしい。だとしたら、どうして青衣は今ここまでたどり着いていないのか。


「……いや、でも考えてみりゃ掃除場所が同じとは限らないのか。別のところでは長引いてる可能性だってあるもんな」


「工和君の待ち合わせ相手も当番の人なの? でもどこの人だったとしても流石に終わってるんじゃない? いくらなんでも場所によってそこまで作業量に差が出るようにはなってないだろうし」


 確かに、白美の言うことは一理ある。

 やる人間によって多少の差は出るかもしれないが、それでもこういった当番で場所によって大きな作業量の違いが出るということはないだろう。そんな場所によって当たりはずれのようなものが露骨にできてしまえば、それを決める段階で揉める事態になるのは容易に想像できる。誰だって面倒な当番など楽な場所で済ませてしまいたいはずだ。

 だがだとすれば、なぜ掃除当番が終わったはずの時間になっても青衣は現れないのか。


(流石にそろそろ探しに行くか)


 幽刻まで残る時間はあと二十分。いよいよもってそろそろ時間が無い。もしも青衣が何らかの事情で来られなくなっているなら、今どういった事態に直面しているのかだけでも確認しておく必要がある。

 その事態を前にして、何かをするかどうかは別として。


「あれれ。行っちゃうんだ」


「ああ。とりあえず探しに行ってみる」


「実はもうすっぽかされて帰っちゃってるんじゃないの?」


「事情が事情だからそれはないと思うが、まあ先に下駄箱の中は確認しておくかね」


 言って、挨拶がわりに手をぷらぷらと振りながら交輪は屋上を後にした。


「さて、と。私はみんなが来る時間まで、なにして時間潰そうかな」


 そんなふとした、クラスメイトの呟きを残して。






 その光景に出くわしたのは、完全に偶然と言うわけではなかった。

 しいて言うならただの感。あるいは経験則が導いた結果である。以前同じようなことをしていた、人気のない場所に行って見たら、性懲りもなく同じようなことをしていたという、ただそれだけの話だ。


「なあ、いいじゃん貸してくれよ。あたしちょっと今月ピンチなんだよ」


 人気のない校舎の隅の教室で、確か和久内と言う名だったはずの女子生徒が猫なで声でそう語りかける。周囲には同じくクラスメイトの女子、林道と矢口の姿もあった。

 そしてその中心。林道と谷口に逃げ道を塞がれ、壁際で和久内に肩の後ろに手を回してもたれかかられるようにして捕まった状態で、藍上青衣が俯いたまま立っている。


「ねぇ、いいじゃん。私等友達なんだからケチケチしないで貸してあげてよ」


「別に今すぐじゃなくてもいいよぉ。手持ちがないなら明日持ってきてくれればいいからさぁ」


「なあ、いいだろう? あたしこの前いきなり携帯壊れちゃってさぁ。買い直すのに結構かかっちゃってお金ないんだよ。哀れなあたしに少しくらい融通してくれても罰は当たらないだろ?」


 どこまでも露骨な、あからさまなまでの恐喝だった。やけに親しげな態度でありながら、有無を言わせぬ口調で三人が青衣から金をせびっている。

 対して、それをやられている青衣の対応はやけに弱々しい。


「で、でも……、私も、今……」


「ああっ!? 聞こえなぁい。もっとはっきりしゃべれよ。下向いてないでこうやって――」


 言うが早いか和久内は容赦なく青衣の顔面に手をかけると、彼女の防壁である眼鏡を奪い去り、さらには反対の手で前髪を掴んで無理矢理自分の視線を彼女の目の前に突きつけた。


「――ちゃんと私の目ぇ見てハキハキとさぁ」


「――う、あ――」


 その一言で凍りつき、胸の下の辺りで服を掴んで硬直する青衣の姿に隠れてそれを見ていた交輪は深く嘆息する。

 あんな態度では、そりゃ、あの手の連中にも狙われる。先日会った時も思ったが、青衣の纏う雰囲気は完全に弱々しい獲物のそれだ。

 あれでは、むざむざ食い殺されるのを待っているようなものだ。背中を丸めて身を守ろうとしているように見えて、実は背中に背負ったネギを捕食者に見せつけているようなもの。

 あの様子では彼女に自力での状況打破など期待できそうにない。


(まあ、だからって俺が助けなきゃいけない理由もないけどな)


 そう判断し、交輪は意図的に目を逸らして、その光景に背中を向ける。

 薄情な判断だったが、しかしここで助けに入って嫌がらせの矛先が自分に向かうのは交輪とて願い下げだった。仮に助けるにしても、先日交輪が幽刻の中でやったように、絶対にバレないように卑怯に卑劣に立ち回るのが交輪の流儀である。

 それにそもそも、あと十分もすれば幽刻である。あと十分で、和久内たち三人組の時間は停止し、彼女たちは物言わぬ幽霊へと変わる。

 もちろん、幽刻時間中にこの場を離れてしまえば、通常時間に戻った後に和久内たちは目の前にいた青衣がいきなり消えてしまったように感じることだろうが、しかし逆に言えばそのリスクさえ受け入れられるのならばこのまま幽刻内を逃げてしまうというのは有りな選択なのだ。あと十分。たった十分我慢しているだけで、後は時間ならぬ幽刻がこの場の問題を解決してくれる。

 だから、この場でわざわざ交輪が首を突っ込んでやめさせるまでもない。

 そう思っていた。


「なあ、ちょっといいか」


 そう思っていた、はずなのに。


「悪いけどそいつとは俺の方が先約があるんだよ。時間も迫ってるから、そろそろ譲ってくんね?」


 あろうことか、気付けば交輪はそう言って、和久内たち三人と青衣の間に割って入っていた





 いったい何をやっているのだろう。

 ガラでもない。似合もしない。後先考えないにもほどがある。

 そんな声が頭の中で響くのを聞きながら、交輪はその感情を悟られないようにポケットに手を突っ込み、無理やり笑って三人の前に立つ。

 笑って見せたはずなのに、一瞬だけ三人に怯まれた。なんだこの失礼な反応はとそう思い、思ったことでわずかながらも心に余裕が戻って来る。

 余裕。あるいは反発心が。


「……ああ、えっと、なにあんた? 確かうちのクラスの……、クワ、だったっけ?」


 どうにか名前を言い当てた和久内に、交輪は内心で一度舌打ちをする。こちらの名前を知られていなければとそう思っていたのだが、しかし考えてみれば同じクラスである以上ここで解らなくても同じことだった。


「で、あんたいったい何の用よ。あたしら今取り込み中なの見て分かんない?」


「悪いがこっちも時間が迫っててな。そろそろこっちに譲ってほしいってのは今言ったはずなんだが?」


 にらみ合う。火花が散る。

 普通ならば怯んでしまいそうな和久内の物言いだったが、しかしこと交輪に対しては完全に逆効果だった。

 へそ曲がり、ひねくれ者、天邪鬼、そして生涯反抗期。親兄妹、そして数の少ない友人から寄ってたかってそう酷評される交輪の性格は、和久内の高圧的な言いぐさに怯むどころか逆に反抗心を湧き上がらせていた。

 和久内たちもそんな交輪の態度に押しきれないと判断したのか、まったく別の角度から攻めてくる。


「なにあんた、ひょっとしてコイツと付き合ってんの?」


「うわ、マジ!? よりにもよって“これ”と?」


「マジ引くわぁ。あんたいくらんでも見る目――」


「とりあえずその見る目をまず返せ」


 と、不意を突き。交輪は和久内たちのセリフを全部無視して、彼女が手の中でもてあそんでいた青衣の眼鏡を素早い動きでひったくる。

 和久内たちも流石に予想外だったのか、しばし言葉を失って硬直し、交輪がそばに立つ青衣に眼鏡を押し付け返したのを見てようやく我に返った。

 とたんに、猛烈な勢いで怒り出し、三人そろって交輪に詰め寄って来る。


「ちょっと何よあんたさっきから――!!」


「なに? あんたもしかしてあたしらにケンカ売ってんの?」


「さっきから人を見下したようなことばっかり――」


「――見下して、ねぇ」


 言葉を反芻し、交輪はわずかにその場で上を、夕日が差し込んで影になった天井を見上げる。

 これを言ったらもういろいろな意味で戻れないだろうなと思いながら、しかしそれでも交輪の言葉は止まらなかった。


「別に見下しちゃいねぇよ」


 吐き捨てるように言い放つ。一番最初、あの校舎裏で青衣に絡むこの三人を見た時から、ずっと抱えてきた不快の感情が、今言葉と言う現実へ変わって交輪の口をついてでる。


「ああ見下しちゃいない。別に俺はお前らのことなんざ、これっぽっちも!!

 そもそもお前らのやってることなんざ、別段おかしなことでもねぇんだからなぁ」


 そう、おかしなことだとは思っていないのだ。

 聞く人が聞けば非難されるかもしれないが、この三人の行動は“おかしなこと”では少なくともない。


「お前らのやってることなんざ生物として考えりゃ、むしろ当然のことだ。

 弱そうなやつを狙って襲う、足手まといや自分たちと違うものを群れから排除する。どれも野生に生きる生き物なら至極当然、生き物としての本能だ。それこそ“自然界なら”珍しい事でもなんでもねぇ。ましてやそれを避けようなんて考えんのなんざ、この世では人間くらいのもんだろうよ。

 ――だから安心しろよ。俺は別にお前らのことを、畜生にも劣るとまでは思わねぇ」


 痛烈な皮肉、これ以上ない侮蔑の言葉。

 そんな言葉を最後に鼻を鳴らして、交輪は青衣の手を掴んで、呆然とする三人の残る教室を後にする。

 クラスメイトの中でも近寄りがたい、空気読めなそうなやつがいきなりキレて、訳の分からないことを喚き倒して出て行った。結局のところ彼女たちが最初に受けた印象はその程度だっただろう。

 だがそれでも、言われた言葉の意味を一度理解できてしまえば、流石に自分たちが盛大に侮辱されたことくらいは理解できたらしい。

 遅れて聞こえてくるのは、ようやく交輪の言葉の意味を理解した三人の甲高い怒号。


「――ハ、――っ、く、工和君――!!」


 交輪に手を引かれ、速足で歩く彼に引きずられるようにしながら、青衣がそれでもどうにか声を上げる。後ろをしきりに振り返るその顔色には、今すぐ戻って謝るべきだという、そんな考えがありありと表情に浮かんでいた。

 だがそんな青衣の様子を一瞥しても、交輪は若干歩調を緩めこそしたが、足を止めるようなことはしなかった。


「ま、待って、工和君ッ。今の、あ、あんなの……、まずいよ。あれじゃ、工和君が――」


「――ハッ、知ったことかそんなこと。あんなけだもの染みた連中に頭下げるくらいなら、そのけだもの共と全面戦争でもした方がよっぽどましだ!!

 上等じゃねぇか。矢でも鉄砲でもネットでも、何でも持ってきやがれってんだ!!」


 予想される三人による、裏サイトからの標的認定の報復すら、今の交輪を思いとどめるには至らない。

 ほとんど破れかぶれの暴走状態と言ってもいい交輪の思考回路だったが、しかしことがここに至ってしまった以上、それ以外の方法でも状況がよくなるとも思えなかった。

 それにそもそも、今の交輪たちには他にも考えなくてはならないことがある。


「んなことより、もうあと一分もしないうちに幽刻だ。できれば学校の外で入刻したかったが仕方ねぇ。とりあえずそこ、その教室で時間になるまで待つぞ」


 言い放ち、近くにあった教室の扉を乱暴に開いて青衣共々強引に中へと入り込む。

 扉を閉めて席へと座り、持っていた荷物が幽体化しないようにしっかりと抱え込むと、交輪は腕時計で時間を確認して青衣の方にも一度注意を促した。


「おら。あと十秒程度で幽刻だ。荷物はしっかり持ってろ。下手に手放したりすると幽体化して持ち運べなくなるぞ」


「で、でも工和君、さっきのあれは――」


「うるせぇんだよ今さら。ほら時間だぞ。三、二、一――」


 交輪のカウント通り。予想していた時刻に寸分たがわず、世界は形を失い、世界は幽刻へと突入する。

 時が止まり、物体すべてが実体を失い、後には変わらず教室に立ち尽くす青衣と、誰かの席に足を組んで座る交輪の二人が、まるで疎外されたようにその場に残された。

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