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数ヶ月前に、僕はとある文学系の新人賞を受賞した。まだ十八の頃だ。早生まれの僕は今年の三月で十九になり、高校を卒業した。両親には大学は行かず、専業作家として生きていくと告げた。叔父の存在を知っている両親は、何の反対もせず、了承してくれた。それしかないのだと、悟っていたのかもしれない。叔父に似ていると。それは人間として扱われていないと同じだが、花を差して花じゃないと言うのはどんな論理だって成り立たない。
だから、人じゃないというのは、イコールで、僕を認めているに等しい行為だ。
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初めて館に来た日は、近くのカプセルホテルで泊まることにした。数十年も放置された館の中ではホコリが散乱し、この中で眠れと言うのは永眠しろにしか聞こえない。
翌日、業者に来てもらい一日掛けて館内を清掃してもらった。なるべく時間を掛けずに綺麗に掃除しろという無理難題を押しつけたため、金額はとても高かった。しかし、幸いにも僕は他にもいくつかの賞でお金をもらったので、金には困っていなかった。
「僕は叔父に似ているのだろうか」
お前は叔父に似ていると、両親に言われたことがある。とても悲しかったが、僕は叔父と同じ種族の生き物なんだろう。人生で起こる全ての事象が小説のためにあると思い込んでいる。小説を書くのはあくまで人生の一部でしかないのに、小説のための人生になってる。結婚も、結婚して子供が生まれることも、全て小説のためと思っている。きっと、僕はそんな人間なんだ。
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