最終決戦!!

 長い…長い階段を駆け上る桜花。外観の城からは想像もできない程、長い階段だった。

「ち…疲れてきたぜ…」

 ゼーゼー言いながら階段を上って行く。

 そして漸く、黒い扉が見えた。

「あそこか!」

 桜花は到着するや否や、扉を蹴破った。

「おらあああああ!!クズの親玉ああああ!!ぶっ殺しに来たぜえええおおおりゃあ!!ん?」

 桜花は辺りを見回す。そこはただっ広い部屋だった。無機質なコンクリートで出来ていて、壁紙すら貼っていない。

 広さを差し引いても、こんな質素な部屋に総王がいるのだろうか?

 桜花は警戒しながら歩みを進める。

「しっかし何にも無い部屋だな…身を隠す家具も無い…!」

 そこで桜花はハッと気が付く。

「私がこの部屋に入って何分経った!?」

 振り返る桜花!!入ってきた扉が、もう少しで完全に見えなくなる程小さくなっていた!!

「おいおい…広いにしても、やり過ぎじゃねぇか…」

 呆れながら感心した桜花。その時、部屋全体から響き渡る声が聞こえた。

【よくぞここまでやって来たなラフレシアン!!】

 瞬時に身構える。辺りを警戒し、見渡す。

【ふははははは!この総王、ダイオキシンを探しているのか?よかろう!今姿を見せてやろう!!】

 部屋に落雷が落ちる。

「うわ!!外じゃねぇのに雷が落ちやがった!!」

 モクモクと粉塵が舞い、その中に人影を確認する。桜花は目を細めて、それを見る。

「テメェがダイオキシン………!!」

 旋律した桜花!!粉塵が晴れて現れたのは、やたら厚いレンズのメガネをかけたチョビ髭の中年…頭は波兵ヨロシク、バーコードで一本だけ毛が立っていた!!

「ようこそカンキョハカーイへ!!俺が総王ダイオキシンだ!!ハァッハッハッハッハッハッハッぐあっ!?」

 桜花は高笑いしているダイオキシンに跳び蹴りをくれた。

「い、いきなりの跳び蹴りとは礼儀知らずな女だな!!」

「黙れクズ!!テメェが総王だぁ!?嘘つけ!ただのオッサンじゃねぇか!!」

 桜花の目に映っているダイオキシンは、多少メタボのオッサンだった。

 いや、そればかりではない。

「ステテコと腹巻きすりゃ、ドリフのカトちゃんじゃねぇか!!」

 ダイオキシンはドリフのコントでお馴染みのカトちゃんにソックリだったのだ!!

『ちょっとだけよ~』とか言いそうな勢いだった!!

「貴様の知り合いに似ている事など知らぬ!!それよりも…」

「知り合いじゃねぇぇえ!!」

 飛びかかろうとした桜花を手を翳して制する。

「話を聞けラフレシアン。貴様は俺に手を出してはならぬのだ。逆に、俺も貴様に手を出す事はできぬ」

 この期に及んで命乞いか?そう思い、構わず突っ込もうとしたが、金縛りにあったように動けなくなっていた。

「テ、テメェ…一体何をしやがった……?」

「最後まで話を聞くのだラフレシアン」

 金縛りをかけながら、ダイオキシンが話を続ける。

「いいかラフレシアン。惑星ドリームアイランドでは、フラワーパークとカンキョハカーイは休戦協定を結んでおるのだ」

「だからどうしたクズ!!」

 金縛りから何とか身体を動かそうともがきながら毒付く。しかし全く身体が動かない。

「この城は惑星ドリームアイランドのカンキョハカーイ基地に通じているのだ…つまり」

「ここは地球じゃねぇって訳か!?ああ!?」

 頷きながら金縛りを解くダイオキシン。

「貴様を葬るのは容易い。だが、休戦協定を破ってしまったら、ドリームアイランド内で大戦争が起こってしまう。そうなればフラワーパークとカンキョハカーイは共倒れだ。しかし、覇権は欲しい。此方も、向こうも」

「だから幌幌町で戦争をした、って訳かよクズ!!」

「言うなれば貴様等はラフレシア女王にフラワーパークの代理兵士として駆り出されたに過ぎぬ」

 ブチブチと血管がキレそうになりながら雷太夫の横っ面を張り倒して気絶から覚醒させる。

「ぐわっ!!ハッ!!わ、私は一体…ぐええっ!?」

 雷太夫の首根っこを力いっぱいギリギリと締め上げる。

「おうツチノコ!私等はテメェの主人の代理兵士だって本当か!?」

「ぐぇぇぇぇ!?な、何故それをぉぉぉ!?え?誰あれ?ぐええええええ!!」

「本当のようだな…ああああああああ!!ナメやがってクズ共があああああ!!」

 バタバタと暴れる雷太夫に真実だと確信を持った桜花は、力いっぱい床に叩き付けた。

「ぷへぇっっっ!!ま、待てチェリーブロッサム!!話せば解る!!」

「ああ?テメェと話す事はねぇぞクズ!!」

 雷太夫を踏み付け、グリグリと足を捻る。

「ごええええ!!や、やめてくれ~!!」

 雷太夫は走馬灯が過ぎる程痛め付けられた。その時、仲間達が駆け付けた。

「チェリーブロッサム!?ど、どうしたのです!!」

「なんだこのドリフは?こいつが頭か!?」

「それより雷太夫を離しなさいですの!!」

「…ブツブツ…このドリフに…ブツブツ私達は…ブツブツ…」

「まずは落ち着いて話すのら!!」

 仲間に止められた桜花は、ダイオキシンから聞いた事を仲間に話した。

「…成程…何となくハメられた感があるのら~…」

「私達を騙したのですか!?」

「オメーが言うなボケ!!」

 怒りを露わにして縁是留を床に叩き付ける梅雨に突っ込みを入れる月夜。

 利のある方に付く風見鶏の梅雨には言う資格が無いが、確かにムカつくラフレシアン達。

「理解したかラフレシアン。ここでの戦闘はドリームアイランドの罪の無い一般市民の命を奪う引き金になるのだ。本来ならば、貴様等如きの命、一瞬で奪う事ができるこのダイオキシン……涙をこらえて手を出さぬ理由がぐわいっ!?」

 言い終える前にダイオキシンの顔面に蹴りをぶち込む桜花。

「チッ、チェリーブロッサムっ!?」

 流石に慌てる白雪。何故ならば…

「…ブツブツ…戦争になったらカンキョハカーイの方が正義になるわよ…ブツブツ…」

 不可侵条約下のドリームアイランドで最初に手を出した方が悪になる。勝ては良いのだが、負けたら未来永劫非難を浴びる事になるだろう。

 しかし、桜花はキッとラフレシアン達を睨んだ。そんな事は知った事じゃねえ!!と!!

「関係あるかあああ!!元々私達がラフレシアンになったのは別の理由だろうがあああ!!」

 静まり返るラフレシアン達。ヨロヨロとダイオキシンが立ち上がり、桜花に問うた。

「別の理由だと?罪の無い一般市民の命と天秤に掛ける程の理由があるのか!?」

 今度はダイオキシンを睨み付ける桜花。

「お前等言ってやれ!私達がラフレシアンになった理由をな!!」

 桜花の号令にハッとなり、呼応するラフレシアン達。ダイオキシンを睨み付けて言い放つ!!

 梅雨が言った。

「何となく?」

 月夜が言った。

「憂さ晴らし!!」

 白雪が言った。

「正義!!」

 紅葉が言った。

「壊すため!!」

 珊瑚が言った。

「…ブツブツ…死に場所を…ブツブツ…探して…ブツブツ…」

 桜花が言った。

「そして………金!!!」

 バ~ン!!とダイオキシンに指を突き付け断言した桜花達。誰一人として迷い無く言い切った!!

「な、なんて身勝手なヒロインなんだ!!マトモなのは一人だけか!?」

「だからテメェ等が戦争しようが知った事かクズ!!テメェ倒して金さえ貰えば私はそれでいいんだよ!!」

「小娘…それはこのダイオキシンを倒さねば実現しない報酬だと言う事を忘れるな!!」

 ダイオキシンから凄まじい闘気が発生した!!

 まるでこの世界に酸性雨を降らせる雨雲の如く、それは他を圧倒していたのだ!!

「誰がドリフのコントに乗るかクズ!!行くぞテメェ等!!」

「確かに、こいつ等が戦争しようが知った事じゃねぇな…」

「全ては正義の為!!悪の総王を倒すですの!!」

「…ブツブツ…ズレてるわホワイトスノーブリザード…ブツブツ…」

「メッタメッタに壊すのら~…クスクスクスクス…」

「勝てますわよね?ね?こっちの方が強いですよね??」

 一部を除いて戦闘体制を取っている両者。

 勝つのは悪か?それとも身勝手で纏まりが無い、いや、ある意味究極に纏まっているヒロイン、ラフレシアンか!?


「何ぃ?ラフレシアンがドリームアイランドに来ているだと?」

 怪我で入院ばかりして留年が決定したマスク・ド・ドリアンこと若大路 光輝は、ご両親に叱られる為に、ドリアン公国に帰っていた。

「はい。カンキョハカーイにて、総王ダイオキシンと交戦する寸前です」

 唸る若大路…ダイオキシンには勝てる気がしないが、ラフレシアンと交戦して疲弊しきっている状態ならば、チャンスがあるかも…

 ラフレシアンは確かに強いが、ダイオキシンには敵うまい。

 つまり、両者ボロボロになる時、自分が割って入り、ダイオキシンを倒したら…!!

「ラフレシアンをお嫁さんにする事ができるかもしれないな!!」

 ラフレシアンに勝利し、嫁にする事で弱小国家ドリアン公国を強い国にする事が悲願!!

「よし!僕もカンキョハカーイに向かうぞ!付いて来い、マスク・ド・マンゴー!!」

 マスク・ド・マンゴーとは、ドリアン公国の近衛兵士の一人である。

 そのマスク・ド・マンゴーは嫌そうな顔をしながらも頷いた。

 こんなバカでもドリアン公国の王子…みすみす死なせる訳にはいかないからだ。


「あああああ!!!」

 ダイオキシンにパンチを浴びせるべく突っ込んで行く桜花。

「無謀な!!」

 ダイオキシンは手のひらを翳し、有毒物質を放射しようとした。

「…ブツブツ…殺すなら…ブツブツ…私からにして…ブツブツ…」

 モーニングスターをダイオキシンにぶち込む。

「ぬううっ!?」

 ダイオキシンはモーニングスターを払った。

「顔面ががら空きなのら~…クスクスクスクス…」

 クロスボウのトリガーを弾く紅葉。

「ちいい!」

 バリヤーを張り、防御する。

「らああっっっ!!」

 桜花の拳がダイオキシンのボディにめり込む!!

「ぐはああっ!!」

 腹を押さえて前屈みとなった。

「うらああっ!!」

 がら空きになった後頭部に膝を叩き込む月夜。

「ぐわっ!!」

 そのまま倒れるダイオキシン。

 因みに白雪は梅雨に羽交い締めされて戦闘に参加させて貰えないでいた。

「お、おのれラフレシアン!!!」

 ヨロヨロと立ち上がるダイオキシンに感心する桜花達。

「なかなか頑丈だなドリフ!!」

 桜花は立ち上がった瞬間を狙ってローをぶち込んだ!!

「ぐあ!!」

 片膝を付く。

「らあああああああ!!」

 丁度いい高さになった顔面に蹴りを乱打した!!

「ぶっ!がっ!ごっ!ぎゃあ!ぐわあ!!」

 みるみるうちにダイオキシンの顔が腫れ上がった。

「…ブツブツ…脳漿でも…ブツブツ…ぶち撒けないかしら…ブツブツ…」

 モーニングスターを脳天に叩き込む!!

「ぷふああ!!」

 脳漿こそぶち撒けなかったが、脳天から噴水のように血を噴き出した。

 仰向けに倒れていくダイオキシン!!そのバーコードの残り少ない髪を掴む月夜。

「寄ってたかってフルボッコ喰らう気分はどうだボケ!!」

 髪を引っ張り、ダイオキシンの顔を覗き込んだ。

「き…貴様等本当にヒロインか…」

 息も絶え絶えに月夜を睨み付けながら恨み言を言う。

「ラフレシアンのキャッチフレーズは『巨悪をフルボッコ』だからなぁ!!カハハハハハハ!!」

 そのまま笑いながら何度も何度も拳を顔面にぶち込んだ!!

「そろそろ壊れるのら~…クスクスクスクス…」

 クロスボウをダイオキシンの眉間に当てて妖しく笑う紅葉。

「き……貴様等……絶対に許さんからなぁ………」

「許す許さんじゃないのら~…お前は壊れて無くなるのらドリフ~…スクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス…」

 ズガガガガガカガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!

 トリガーを躊躇い無く、弾きっぱなしにする紅葉。弾が尽きるまで弾くのを止めない。

 血飛沫が飛び散り!粉塵が舞う!!

 カチッ!カチッ!

「弾切れなのら」

 紅葉はつまらないという表情をしながらクロスボウを投げ捨てた。

 ダイオキシンは正座をしながら俯きになりピクリとも動かない…

「た、倒したんですの?」

「あれで生きてれば本物の化け物ですわ」

 念の為に遠い間合いからソーサーをダイオキシンに投げつけた梅雨。遠い間合いと言うのがミソだ。

 ガッ!

 鈍い音が響き、ダイオキシンはそのまま倒れた。

「…何か弱過ぎておかしいが、取り敢えず倒したのか?」

 倒れているダイオキシンに蹴りを入れる桜花。死者に鞭打つ行為を平然と行うのがラフレシアンだ!!

「もう終わってる奴に蹴りとは鬼か?チェリーブロッサム」

「確認だよ確認」

 桜花の確認にも何の反応も示さずにピクリとも動かないダイオキシン。

「ちぇ~っ!!軽すぎてつまんないのら!!」

「…ブツブツ…私を…ブツブツ…殺してくれないで…ブツブツ…自分は死ぬなんて…ブツブツ…」

 何か拍子抜けの感があるが、とにかく総王は倒れた。これで悪臭とオサラバで、金も手に入る。早速バイト料を請求したい所だが、流石に疲労困憊だ。身体中痛むし。

「じゃあ取り敢えず帰って後から…ん?」

 伸びをしながら遠くを見る桜花。何かが勢いよく向かって来るのが見えたのだ。

「まだ敵がいたのら?」

「ちっ、面倒臭ぇなぁ」

 言いながら怪しい笑みを浮かべて構えて襲撃に備えるラフレシアン達。

「ん?あれは…」

 そしてガックリして構えを解く。

 向かって来たのがマスク・ド・ドリアンだったからだ。

「…ブツブツ…何しに来たのかしら…ブツブツ…」

「知らねーが取り敢えず…」

 桜花は向かって来たマスク・ド・ドリアンに更に向かって行き!!

「うらあああああ!!」

 と、飛び蹴りを喰らわせた。

「ぐわあああ!?」

 派手に吹っ飛ぶマスク・ド・ドリアンこと若大路。

「何しに来たんだボケ!!」

 トドメを刺そうとした月夜の前に庇うよう立ち塞がるマスク・ド・マンゴー。

「いきなり何をするラフレシアン!!」

「仲間なのら?一緒に壊されに来たのら~?」

 マスク・ド・マンゴーはビビッて一歩下がった。ドリアン公国は揃いも揃ってヘタレばかりなのか?

「君達子猫ちゃんがダイオキシンに苦戦しているかと思って応援に来たんだよ~。それをいきなり酷いじゃないか」

 若大路はスックと立ち上がりマスクで隠れている髪をかきあげる仕種をする。この回復力だけは認めたい。

「ダイオキシンはもうぶっ倒したんだよクズ!!」

「何?もう?」

 キョロキョロと見渡す若大路。

「……ダイオキシンなんかいないが」

 イライラした桜花は先程倒したダイオキシンに指を差した。

「おら!あそこにぶっ倒れてるだろダイオキシンがよ!!」

 若大路は桜花の指差す方向を見る。

「確かにオッサンが倒れているけれど…あれはダイオキシンじゃないよ?」

 ギョッとするラフレシアン達!!

「ダイオキシンじゃねぇ…って…」

 雷太夫が声を低くして呟いた。

「だから誰あれ?と言ったじゃないか…」

 確かに言っていた。桜花が聞く耳を持っていなかっただけで、あの時は怒りが大きくて他の事は耳に入らなかったのだ。

「それより、アレが人違いなら本物は…?」

 どよめくラフレシアン達…

「王子!それよりヤバいです!ダイオキシンは無傷って事になります!」

 慌ただしくバタバタするマスク・ド・マンゴー。若大路の手を引っ張り、逃亡を促す。

「確かに…ダイオキシンが無傷なら、僕が居ても何もならないなぁ~」

 そんな訳でとダッシュする若大路とマスク・ド・マンゴー。逃げ足の速さは一流アスリートですらも凌駕している。

「おいクズ!!ダイオキシンはどこにいるか教えていけ!!」

「この広い惑星ドリームアイランドのどこかに居る筈さぁ~。アデュ子猫ちゃん達!またどこかで会おう!!」

 若大路はマスク・ド・マンゴーと共に、肉眼で見えなくなる程小さくなった。マジ速い!!

「ちくしょうクズが!!捜し回わらなきゃならねぇのかよっ!!」

 八つ当たり気味に床を思い切り殴りつける桜花。

 ボコオオオッ!!

 クレーターができあがり、そのまま城が崩れ落ちる。ラフレシアン達もそのまま落ちて行く。

「きゃぁあああ!!」

「…ブツブツ…チェリーブロッサムに殺されるなんて…ブツブツ…」

「おい!?何すんだよボケ!!」

「うわあああん!なのらぁ!!」

「悪りぃ悪りぃ…って最下層まで落ちたらヤバいな」

「私は怪我には慣れているですの」

 慣れている白雪以外は命にまで関わりそうな高さからの墜落……

 桜花達はそのまま意識を失った…………


「……んんっ…はっ!?」

 目が覚めた桜花達。ここは幌幌町の空き地…ダイオキシンの城があった場所だ。

「生きてるですの」

「いたた…ラフレシアンにチェンジしてなかったらヤバかったのら」

 全員無事の様子。ラフレシアン達は何とか立ち上がる。

「…ブツブツ…また…ブツブツ…死ねなかった…ブツブツ…」

「いてて…おい、どうするチェリーブロッサム。ダイオキシンがくたばってなきゃ、また面倒な事になるぞ?」

「ま、まさか、わざわざ捜すとか言わないですよね?ね?ねね?」

 何か必死な梅雨を無視しては握り拳を地面に叩きつける。

「また雑魚共と小競り合いかよ!!臭ぇ匂いとオサラバする為に敵地に乗り込んだってのによ!!」

 悔しさMAXの桜花!!しかし、ダイオキシンの勢力は激減させた。それは大きな成果だろう。

「仕方ねぇ。取り敢えず一歩前進って事で良しとしようぜ」

「私は、まだ壊せるから嬉しいのら」

 前向きな月夜と紅葉に多少救われた気がした。

「面倒だが仕方ねぇ。取り敢えず明日から暫くは学校休まなきゃならねーけどな…」

 桜花達の身体には激戦の爪痕と言っていい、凄まじい匂いがこびり付いていた……


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