第9話

 夜、緑川邸にある洵専用の広い衣裳部屋に、洵と麗華がいる。

麗「今日はどのくらい勝つ予定?♪」

麗華が楽しそうに聞いてきた。

洵「さぁ、どのくらい勝とうかなぁ~♪」

洵もいたずらっぽく答えた。

麗「それより、春樹の正体は何か分かったの?」

洵「ああ~、それね、何にも分かんない。大学じゃ今個人情報うるさくて、卒アル見たって何かヒントになるようなこと書いてある訳でもないし。そういう麗華の方はどうなんだよ」

麗「興信所を使わないってルールを作っちゃったから何にも分からないわ」

洵「やっぱり興信所に頼るつもりだったんだな…」

麗「やっぱり春樹は普通のビジネスマンなのよ」

洵「いや、それは絶対違うと思う、つーかどこに警察とあんなに関わりのある普通のビジネスマンがいるんだよ。それじゃ、俺もう出るね」

麗「ええ、今夜もお仕事頑張ってきてね~♪」

観音開きのドアを出ていく洵の後ろ姿に麗華は手をひらひらと振った。


 『CLUB BLUE MOON』。今夜もいつもと変わらずお金持ちの客たちがキラキラした照明の店内でギャンブルを楽しんでいる。

 そのクラブの入口に仕立ての良い黒いスーツに身を包んだ男が入ってきた。

桐「いらっしゃいませ椿様!」

桐野がやたら嬉しそうである。

凌(だから態度変わりすぎだろって…)

桐「椿様、今夜の勝ちっぷりも楽しみにしてますからね~♪」

凌(俺の周りってなんでこんなのばっかり…)

凌は無言で桐野を冷やかな目で見た。桐野は相変わらず満面の笑みである。それを無視して凌はいつものカードのテーブルに着いてゲームを始めた。今日も順調に勝っている。そしてそのゲームがもう少しで終わろうとしていたその時だった。

桐「あの!お客様、こちらは会員制のクラブになっております。会員証を!」

桐野の慌てて叫ぶ声が受付の方から聞こえてきた。

男A「うるさい!ゲームをしに来た訳じゃないんだ。別にいいだろ!」

桐「あの、でも…」

ちょっと柄の悪そうな一団が入ってきた。10人はいる。入口付近でのちょっとした騒ぎに、中にいたお客たちが一斉に注目した。その騒ぎを起こしていた一団が他にはまったく目もくれず、何故か凌の元にやって来た。

男B「椿凌だな」

凌「あんたは?人に名前を聞く時は先に自分が名乗るのが礼儀だろう」

男B「お前に礼儀うんぬん言われたくないな。ちょっと顔貸せ!」

凌「断る」

するとそこにこの中では品のある男が一人、凌の前に立った。

慧「おい、それじゃあ椿さんに失礼だろう。椿さん申し訳ありません。まったく貴方の仰る通りです。私は香椎慧かしいけいと申します。私の部下が大変失礼致しました。実は貴方にご同行して頂きたくお迎えに参りました」

香椎という男が何やら訳のわからないことを言っている。

凌「お迎え?見ての通り俺はまだゲーム中なんだが」

慧「それは重ね重ねの失礼を。でも大人しく一緒に来ていただいた方が貴方の為だと思いますよ」

香椎慧は微笑んでいたが、その笑顔が冷たくてなんだか空恐ろしい。

凌「どういうことだ?」

慧「朝倉洋一あさくらよういちさん、ご存知ですね。今我々の所にいるのですが、会いたくないですか?」

凌はその名を聞いて、信じられないほど驚いた。一瞬動揺したが、それはいつものポーカーフェイスで隠した。


 同じ頃、緑川邸では緑川グループの会長である麗華の父親が大きな緑川邸で血相を変えて右往左往していた。

会長「ああ春樹くん!待っていたよ!麗華が、麗華がさらわれるなんて…!」

春「会長、申し訳ありません!我々がついていながらこんな事態に…」

会「犯人はあの時の…」

春「天宮財閥のパーティで麗華をさらおうとしてた奴ですね。ただのストーカーなんかじゃなかったんだ…」

会「春樹くん、もう君だけが頼りだ、どうか麗華を…」

春「分かっています。僕は麗華を守るためにここにいるんです。我々を信じて下さい。全力を尽くして麗華を救い出して来ます。それで、犯人からは何と?」

会「“娘を預かっている。無事に返して欲しければ、警察には連絡するな。警察に連絡しなければ、娘は無事に返す”と」

会長は犯人から届いた脅迫状を春樹に見せた。

春「金額の提示がないな。営利目的じゃないのか?どういうことだ…」


-CLUB BLUE MOON-

凌「朝倉…洋一?知らないな。誰だそれ」

凌はポーカーフェイスを貫いている。

慧「知らない?またこれはおかしなことを言う。知らない訳がないでしょう。まぁでも貴方がここで彼を“知らない”と言うだろうということは想定内のこと。それではこれではどうですか?緑川麗華さん。彼女は大変素敵な女性ですねぇ」

凌「!」

慧「やっぱり顔色が変わりましたね。私達と来る気になりましたか?」

香椎慧の空恐ろしい笑みがさらに怖いものになった。

凌「…」


 麗華は目隠しをして連れて来られた。車に乗せられ、何処かの建物に入り、何処かの部屋に入れられたのは分かる。そしてソファに座らされ、そこで目隠しをはずされた。

 部屋の中には見るからに高価な調度品が並んでいる。麗華は周りを見回して思った。

麗(営利目的ではなさそうね…どういうことかしら…)

男1「大人しくそこに座ってろ。妙な気起こすなよ」

麗「貴方、前に天宮財閥のパーティで私をさらおうとした人ね。ただのストーカーじゃなかったのね…。私をこんな所に連れて来てどうするつもり?」

男1「覚えていてもらえたのは光栄だが、黙って待ってろ」

男は麗華を睨むとそこに仁王立ちで立っている。しばらくするとそこに身なりが良く、明らかに目の前にいる男とは違うタイプの少し品の良い男が現れた。

光「おい、こちらにいらっしゃるのは緑川のご令嬢なんだぞ、態度を慎め。大変失礼致しました。私はここのあるじ室澤光むろさわひかると申します。貴女には居心地のいい所ではないかとは思いますが、しばらくのご辛抱を」

麗「私に何のご用?」

光「貴女にはある男がここに来るのを一緒に待っていただければいいのです。手荒なことはしたくありませんので、どうかそのまま大人しくしていて下さい。お茶でもいかがですか?それともシャンパンの方が?」

麗「いいえ、どちらも結構よ。これのどこが手荒なことじゃないっていうのかしら?手を後ろで縛って目隠しまでされて」

光「申し訳ありません。私の部下への教育不足で無礼なことを」

麗「まったくだわ。それよりその“ある男”ってどちら様?私の知ってる方かしら」

光「ええ、よくご存知の方ですよ」

麗「よく?誰なの…?」

光「椿凌…、いや、朝倉洵と言った方がよろしいでしょうか」

光が嫌な笑みを浮かべている。

麗「洵!?どうして…?」

光「こちらで朝倉洋一さんをお世話させていただいているのですが…」

麗「朝倉…洋一…?」

光「まさか知らないなんて事はありませんよね?」

麗「…」

光「もっとはっきり申し上げた方がよろしいでしょうか?朝倉洋一は朝倉洵の…」

麗「分かっています。お父様でしょう?ただ、どうして彼のお父様がこちらにいらっしゃるのかしら?それが知りたいわ」

光「そうですね、彼にはここで仕事をして頂いてるのですよ。とてもよく働いて下さっていました」

光はまだ不適な笑みを浮かべている。

麗「何のお仕事をされてるの?」

光「貴女にわざわざお話するような仕事ではありませんよ」

麗「……。それで?朝倉洵を待つっていうのはどういうこと?」

光「彼に“朝倉洋一”に会いに来て下さいと言ったら、そんな人は知らないと言われたんですよ。言われたのは私の部下なんですけどね」

麗「それで?」

光「ここにいるのは朝倉洋一だけではなく、緑川麗華嬢も一緒だと言ったら、どうやら来る気になったようです」

光はさらに嫌な笑みを浮かべて言った。

麗「なんてことを…!それじゃ私は…!」

光「そうです、さすが貴女は頭がいい。そういうことですから大人しく私たちの言うことを聞いていた方が貴女の、いえ、朝倉洵のためでもありますよ」

光はフフフと笑った。

麗「貴方、何者なの…?」

光「私はたいした者ではありません」


 一方、香椎慧の車に乗せられた洵は、後部座席の真ん中に座らされていた。両側を慧の部下がガッチリと固めている。

洵「で?俺をどこまで連れて行く気だ?」

慧「もうすぐで着きますよ」

 しばらく走ると、とても趣味が良いとは言えない邸が見えてきた。車は邸の前で停まった。

慧「さぁ着きましたよ、降りて下さい」

洵「ちゃんと来たんだ、本当に麗華に会わせてくれるんだろうな」

慧「それは貴方の態度次第です」

洵「…」

車が邸の前で停まったのと同時に麗華をさらった男が邸から出てきた。

洵「あ、あいつ!」

慧「やっぱり覚えていましたか」

洵「ただのストーカーじゃなかったんだな…!」

慧「日本の警察は生ぬるいですね…」

慧はフフフと笑った。

 車を降りると洵は邸の玄関を抜けてすぐの部屋に通された。部屋に入って最初に目に飛び込んできたのは麗華の顔だった。

麗「洵!」

洵「麗華!良かった無事だったんだな。ケガは?」

麗「私は大丈夫よ、それより…」

麗華は洋一のことを言おうとしてやめた。洵はこの連中に“朝倉洋一”を知らないと言ったのだ。今口にしてはいけない。

洵「それより?」

麗「…それよりあなたは大丈夫?」

洵「ああ大丈夫だ」

洵と麗華の二人の様子を見ながら、光が横から入って来た。

光「感動の再会のところ申し訳ありませんが、私も感動しているのですよ。貴方が椿凌さん…いえ、朝倉洵さんですね。初めまして、室澤光と申します。朝倉洋一よりも腕が上という貴方にどんなにお会いしたかったことか」

洵「それより、俺はここまで来たんだ、麗華は帰してくれるんだろう」

光「ああ…そうですね…。でも麗華嬢にはいていただいた方がこちらも動きやすいというもの」

洵「どういうことだ?」

光「人質とはそういうものでしょう。麗華嬢のような方なら特に…」

また不適な笑みを浮かべた。

洵「おい!話が違うぞ!俺がここに来れば麗華は解放してくれるんだろう!?」

慧「おやおや、誰がそんなことを言いましたか?私はただ緑川麗華さんが我々の所にいる、と言っただけですよ。貴方が来たから解放なんて私は一言も…」

洵「何ィ!」

麗「洵、いいのよ。一人で帰るより洵といた方が私も心強いわ。私なら大丈夫よ」

光「さすが緑川のお嬢様は違いますね。それなら一緒にいていただきましょう。貴女の部屋を用意させます」

洵「部屋…?」

光「そうです。朝倉洵さんにはしばらくここにご滞在していただくことになるので、麗華嬢にも必要でしょう。朝倉さんの部屋はもう用意させて頂いてますよ」

洵「滞在ってどういうことだ」

光「日数が長くなるか短くなるかは貴方次第です。とりあえず貴方が会いたいと思っていた人に会っていただきましょう。どうぞこちらです」

洵「麗華は…」

光「大丈夫、香椎が丁重にお相手させていただきますよ。慧、お嬢様を頼む。くれぐれも失礼のないようにな」

慧「はい、心得ております」


 洵は光に連れられて長い廊下を奥まで歩かされた。光はいちばん奥にあるドアをゆっくりと開けた。暗い階段が不気味に下に伸びていた。

洵(地下室…?)

階段は思ったより長く、途中にドアがいくつかあり、そのドアには全部鍵が掛けられていた。おかげで随分と深いところまで下りた気がした。

洵「こんなところに何があるっていうんだ」

光「そう急かさないで下さい、もうすぐですよ。ほら見えてきました」

下に下り切るとそこは割と広い部屋になっているらしい。暗くてよく見えないが、部屋の向こうの方がぼんやりと明るくなっている。

 そして、そこに人がいる気配がした。

光「朝倉、お前の大事な人がわざわざ会いに来てくれたぞ」

光がぼんやりと明るくなっている方に向かって声を掛けた。光はそのまま人がいる気配のする方へ歩いていく。洵もその後をついていった。だんだんとその人の輪郭がはっきりと見えてきた。

洋「大事な人…?俺にはそんな人…」

その人は言い掛けて洵を見た。幽霊でも見たかのような驚いた顔をしている。

洋「もしかして、洵か…?」

洵「父さん…?」

洋「お前、どうしてここに?今どうしてるんだ?母さんは?」

洋一は座っていた椅子から立ち上がって洵に向かって数歩歩いた。

光「安心するといい、彼は今一流のギャンブラーとして活躍中だ。腕はお前よりもずっと上だ」

洋「洵、お前、ギャンブラーなんてしてるのか!」

洵「ああ、あんたと同じだろ」

洋「それは…」

洋一は光に向き直った。

洋「お前、息子に一体何をした!!」

光「これは心外だな。俺は何もしていない。会いたいだろうと思ってわざわざ連れて来てやったのに」

洋「何が“連れて来てやった”だ。俺がそろそろ使い物にならないと踏んで連れて来たな!今度は洵で稼ぐつもりだろう!」

洵「どういうことだ?」

洋「洵、借金はどうした?そのままにして家を空けてしまったことが心残りで仕方なかった」

洵「あんたが作った借金なら、俺の高校の先輩のおかげでもうすぐで完済するよ」

洋「そうか…本当に申し訳なかった…」

洵「父さん…?借金が返せなくて逃げたんじゃないのか…?」

洋「いいや、違う!俺がちゃんと完済するつもりでいた。だがその途中でこいつらにさらわれてここに閉じ込められたんだ」

洵「え!?」

洋「全部、こいつらに騙されたんだ…。カードのイカサマで大負けさせられ、指定された闇金から返済用の金を借りるように言われた。5億くらいすぐに返せるはずだった。それが闇金から借りた途端にさらわれたんだ…。本当に悪かった……、苦労しただろう?母さんはどうしてる?」

洵「俺が『BLUE MOON』で稼いで、今は楽に生活してるよ」

洋「そうか、良かった…」

洵「それで、父さんはここで何をさせられてるんだ」

洋「それは…」

洋一は俯いて口を噤んでしまった。

光「それは、彼の才能を活かした仕事をしていただいています。それはそれは役に立ってくれていますよ」

洵「賭けか」

光「本当に我々の為に尽力してくれました」

洵「それを今度は俺にやれって言うんだな。断る」

光「そうですか…残念です。貴方がそのようなお考えならこちらとしても色々と考えがあるのですが…よろしいのでしょうか?」

洵「何だ?」

光「お忘れですか?ここには麗華嬢がいることを」

洵「!」

光「せっかく楽な生活をなされていたお母様もどうしたらよいでしょうねぇ」

洋「お前、俺の時と同じ脅しだな」

洵「父さんの時と同じ?」

洋「そうだ。俺がこいつらの仕事を手伝わなければ、洵と母さんがどうなってもいいのか、と」

洵「それで俺達の前からいなくなったのか…」

洋「本当に悪かった…」

洵「もういいよ。真実が分かったんだし。それより今はこっちの話だな。分かった、それなら俺と勝負しろ。俺に勝てたらお前らの仕事を手伝ってやる。だが、俺が勝ったらもう俺の周りの人たちには金輪際手を出すな!」

光「それは…困りましたね…。うちで一番腕の良いのが貴方のお父さんだ。でも貴方は彼より腕が上だと分かっている。こちらに分が悪いのが分かっていて仰っているんでしょう?その申し出、お受けする訳にはいきません。それでは貴方は麗華嬢がどうなっても良いという判断なんですね。承知いたしました」

洵「何だって!?俺はそんなことは一言も言ってない!」

光「それでは、我々に手を貸して下さるということでいいんですね?勿論そうなればタダとは言いません。貴方が我々について下さったら貴方のご両親にもお友達にも誰にも手は出しません。どうですか?」

洵「それ、本当だろうな」

光「勿論、貴方に嘘をついても仕方ないでしょう」

洵「分かった。俺はあんた達の言うことを聞こう。その代わり父と麗華を今すぐ俺の目の前で解放してくれ」

洋「洵!なんてことを…!」

光「分かりました。そのように洵さんが仰っていたとボスにお伝えしましょう。私に解放の権限はありませんから」

洵「何だって?ここはお前の家じゃないのか?」

光「確かにここは私の家です。でもここもボスの手中なんですよ」

洵「ボスって誰だ?」

光「そうですね、貴方がここで仕事をして下さることになった報告に行かなければなりません。近いうちに会いに行きましょう」

洵「……」


 麗華はそれなりにいい部屋に通された。人質用の部屋にしてはそれほど居心地が悪い感じはしない。ただ監視付きなので、それは居心地悪いことこの上なかった。

麗「ねぇ、確かここって私用に用意して下さったお部屋だったわね?どうしてあなたがここにいるのかしら?」

麗華は自分をさらってきた男に言った。

男「見張りだ。当然だろう、あんたは人質なんだから」

麗「私はお嬢様なの、こんな処から1人で逃げられる訳がないじゃない。安心してどこかへ行ってくれていいわよ」

男「これが俺の仕事なんだ。あんたの傍を離れるなと命令されている。大人しくしてろ」

麗「あなたがいたら全然リラックスできないじゃない、だいたい知らない男性と二人で同じ部屋にいるなんて、私にはあり得ないことだわ」

男「今は普通の状態じゃないんだ、我慢しろ」

麗「あら、普通の状態じゃないなんて、自分でも分かってるみたいね、ちょっと見直したわ」

男「おい!どれだけ俺を見下してりゃ気がすむんだよ」

麗「あら、見下してなんていないわよ。これが私の普通ですもの」

男「人を上から目線で見ることが普通なのか」

麗「そうよ。だって私より上の人は私の両親だけだもの」

男「……そうですか……」

麗「ねぇ」

男「今度は何だよ」

麗「お腹が空いたわ。何か持って来て」

男「はぁ!?」

麗「お腹が空いたって言ったでしょ。何か持って来てちょうだい」

男「だから今は異常事態なんだから少しは我慢しろよ」

麗「あら、だってこのままじゃお腹が鳴っちゃうじゃない。相手はあなたであっても男性の方と一緒にいるのに私のお腹が鳴るのを聞かれるなんて、あり得ないわ。そんなことなら死んだ方がマシよ!だから何か持って来てちょうだい」

男「はぁ~、分かったよ(どこまでお嬢さんなんだよ)」

ブツブツ言いながら男は部屋から出て行った。

 麗華は男が出て行ったのを確認し、急いで自分のハンカチを窓の外にくくりつけた。

麗(私はここよ~!洵もここにいるわよ~!お願い、誰か見つけてね!)    



~第9話 終わり~



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