23話「歩くような速さで」

 祭りの準備は順調に進んでいた。

「――ではエントリーナンバー8番、お隣のダリノ・ロックボートからいらっしゃった幸せいっぱい新婚新妻! レミー・アイゼン~!」

 そんなふうに司会者に紹介され、フリフリのエプロンを身に纏い遠慮がちにはにかんだ笑顔で選手が上がる。

「――盛況ですわね」

「思った以上に来てるみたいだね……はぁ、よかった~」

 街道に用意された審査会場は、その調理場として利用するため空き店舗の脇に設営されている。道側から調理場が見え、調理パフォーマンスも見えるちょうどいいそれが空いていたため都合よく利用させてもらった。

 レシピ大会の応募が思った以上に揃い、その上で基準を超えるものが多くあったため当日のみで全てを競い合わせるには厳しいという判断がなされた。そこで事前の予選大会を組むことにし、これは急遽実行することになったが小さい規模ながらも祭りそのものの予行演習として利用できるとゴーサインが出た。

 例えば、この予選会は、限りなく祭りに近い環境である。だから当日、実際にどんな客層が来るのか――出場者の家族が本当に来るのかも確認できるため、出場者自身や見物人に運営部の方々が直接確認している。その際は「どんな日取りなら負担が少ないと思いますか?」「お母さんが頑張るところを見せてあげられたら嬉しいですよね?」など、質問自体にも人を乗り気にさせるエッセンスを利かせるように指導している。この町のこちらの都合だけで人など寄せられないからだ。

 他にも、今日だけでも屋台を何店舗か路上の予選会場に出している。これは交通整備の要所を確認するためである。

 この予選自体が祭りのリハーサルなのだが。

 それらの案を出したのは……。

「ちゃんと寝てますの?」

「まあどうにか? 昨日の夜は超眼がギンギンだったけど」

「以外に線が細いですわね……」

「やる気でだよ?」

「嘘ですわね?」

「いやいや、ほんとホント」

 すべて俺が考えたわけではない。意見は出したが、そこからちゃんと具体案は彼らが自律して出した。

 ちゃんとやれる。自分たちで自分たちの面倒を見る。あの日、その意識がしっかり芽生えたらしい。もう一月も前の事だが。

「……でも申し訳ありませんわ、大会と祭りのチラシが出来て、他の街に配りに行っていたとはいえ、肝心な時にお力になれなかったのですから」

「自分の仕事を全うしただけでしょ。俺も全うしたし、出来た――と思うんだけど?」

「ずるいですわ。そう言われると、殿方を立てないわけにはいきませんもの」

「お気遣いだけでも泣けるくらいうれしいから十分だってば」

「そんなの逆に気をとがめますわよ。適度に汗ぐらい拭かせてほしいものですわ」

「そういうのはいくら親しくなっても恋人からでしょ。思わせぶりすぎ」

「それはこちらのセリフですわ」

「なにが?」

「ミーナさん、あの日を境にかなりボンドさんにお熱の様子ですわよ?」

「……そういうの言うな。やめろ」

 多少自覚はある。

 それは話半分だが、聞き辛そうに(ここポイント)好きな食べ物とか向こうの世界でのようすとか嬉し気に訊かれることがあった。顔を合わせると何か言いたげにニヤニヤして、しかし訊ねると「何でもないから!」とかね。

 うん。

 好意っぽいけど。うぬぼれだが多分あれはファン活動的な何かだと思う。本当に男として見ての好意ではないのだ。ぶっちゃけた話、彼女の性欲とか情欲対象にはなっていない。

 年上のおねーさんだが、まさか憧れとそういう現実の好意の差が分らないのかもしれない。いやまさか二十何年も生きて一度も片想いすらしたことないとか思えないし。

 正直あのほんわか満面の笑顔はやばいと思うけど。

 というか、あんな綺麗な年上落とせたら俺やべえと思う。一回り近いし、そんな人に恋愛対象として見て貰えるなんて正直無理があるだろ――

「……何を考えておいでですの?」

「……このまま上手くいけばいいんだけどなあ、祭り」

「……そうですわね」

「あと問題は……」

 ウインキはまだ祭りへの参加を表明していない。それどころか、彼が営む酒屋への客入りが若干減ってしまったらしい。

 俺が責任を問うたり責めたりしないようにと言い含めていたのを正義感に唆された誰かが話してしまい「同情するんじゃねえ!」と一時は店自体を閉めたとか。

 まあ一時的な物で、今は平常運転で酒屋は開けている。

 

 何気に尾を引いていた。

 個人的にだ。仮に、彼の息子が返ってきたとして、彼ら家族はここで普通に働いたとしてそれで幸せになるのか。それはきっと、同じよう家族が帰って来なかった人たちもだ。

 そうでない人達も、この祭りが成功した後それで何かが変わったり、幸せになるとは限らない。目標が出来たり、生活に張りが出たり――

 この問題は街興しで解決する問題ではないと思うのだ。個人的な問題だ。仕事や公の場にそれを持ち込むなと言いたい。あの時は事は収まったが、もしこれからも同じことが繰り返されたら皆やる気など失くすだろう。

 どれだけ優しく正しくしようと無駄になる。善意で動けばそれにたかり利用しようとする人間が現れる。

 そこから人が腐っていく。

 その先で、町は必ず廃れていくだろう。

 じゃあどうすればいいのか。

どうにもならない人間を、どうにもならないからと放っておくとこうなるのだ。切って捨てるしかない。しかしそれが最善だけど最良ではないみたいな。

 あの人たちはどうすればいいんだろう、死ねばいいのかな?

 善意で動けば動くほど、別の人の目的や悪意や欲望に絡め取られる。

 善意だけの善意は何もなさない。善意が勝てば人になんでも譲ってしまいたくなる。

 他に自分の意思や目的があろうと関係ない、その方が人が喜ぶから、人の邪魔にならないならと席を譲ってしまう。

 我儘な人間な方が願いを押し通せる。

 我儘の我慢の仕方と、我儘の通し方の両立は難しい。善意の実行もだ。

 この町をどうにかすればいいだけなのに。一番変えなくちゃいけないのが、人の心って。金を稼ぐとか技術開発より難しい世界の問題なんだけど。

 どうしたもんかね。

 

 そして――


 町役場の会議室、ベアマートはその中央、並べたテーブルの上にいくつもの芋を並べる。

 その周りには農家や料理人の面々が揃い、一つ一つ手に取り鼻に近づけ品評をしようとしていた。

「これは?」

「蔓生りの芋、地面の中じゃなくて伸びた蔓の上に出来る。水洗いして泥を落とさず調理できる奴だ」

「ちょっといいかい――香りが弱いな、洗うのが楽なのは良いが、根菜は土と皮の香りが何より大切だからな」

「高級品種には出来ないってことですね」

「収穫の手間暇が掛らなそうってところでは助かりそうだがなあ」

 とりあえずキープ。と、その種芋として箱に分別する。

「こいつらは――」

「剥いて煮るとチーズかホワイトソースみたいになる。そのまま焼いても良いが、スライムの核と山羊の乳、長芋をベースにしたものは摩り下ろすだけでフレッシュな香りも立つし一番舌触りが――」

「じゃあちょっと拝借」

 早速少量を摩り下ろし小皿に分ける。

「……うん、こりゃあトロッとしてつるっと舌触りもいいな」

「甘みも優しいし、離乳食にも出来そう」

「じゃ採用、と」

 量産体制に持って行くための籠へ――

「これは――」

「煮込めばほろほろでトロトロ、冷ますとコンビーフ状になる。芋にそうめん南瓜と、牛とスライム核の掛け合わせたんだが、ただ魔物の性質が強く残ったのか大きくなると地面から抜け出して人を襲う。いま食虫植物と掛け合わせて人には無害化できるか実験中だ」

「保留か」

「さっきのチーズっぽい奴、焼く方は焼き芋と同じでいいのかい?」

「いや。フライパンで油を引いた方がいいだろ、溶けたのが流れ落ちるんじゃねえか? それか揚げだな。小麦粉をまぶして表面サクサクの中はトロトロ。今向こうで――」

「上がりましたよー?」

 ミーナがフリフリのエプロンに三角巾でやってきた。

「酒あるか?」

「何言ってるんですか。まだ話の途中でしょ」

「はい、ボンド君の分」

「あ、ありがとうございます」

 キラキラした視線が痛い。しかし特にあざとく何か意図した様子ではないようで、彼女はすぐに他の人の所にも回っていった。

 俺はちょっとほっとしながら、周囲を眺める。

「何言ってるんだ? こういうのはまず酒と合うかどうかだろ」

「ああそれならワインにもビールにも合うぞ」

「いつ食ったんだよ!」

「ふん、誰が作ったと思っているんだ。生産者の特権という奴だろうこれは」

「お酒冷えてる?」

「あ、上げたのにはしっかり塩利かせてくださいね」

 途中からほぼ飲み会のそんな感じで、ざっくばらんに評価は続いた。ベアマートの畑に植えた試供品は上手く行ったと言える。食べると爆発する芋は危険なため見送ることになったが会議で集まった案の芋も大体が出そろった。

 そんな評価で試食会も終わり、そこで改めて確かめる。

「……で、どうですか、みなさん? 手応えは」

「そうだねえ、これならイケるんじゃないかい?」

「取り合えず、畑二、三枚分作って、祭りで宣伝して」

「仕入れの注文にも寄るが、これまで放っておいた畑も手入れしといて損はねえだろうな」

「あくまで芋ってところから出てねえし、これなら肉屋やミルク屋、他の連中との食い合いも薄いだろう。それと多分他の町からも注文が取れかもしれない、祭りの宣伝用に二、三個貰えるか? 知り合いの料理人に渡してみたいんだが」

「それぐらいなら大丈夫なはずです」

「芋だけじゃなく他の野菜でもおもしれえもんが作れねえかな、ベアマート」

「アイディアと素材さえあればどうにかなるだろうが、俺はまず休みが欲しい。ここ一月、窯に張り付いてレードルをかき回しっぱなしだったんだぞ」

「あら、ご苦労様ね?」

「いえいえいいんですよマーベさん! 街の為ですから!」

「デレデレしやがって、下心が透けてんぞ」

 巫女派ではなく単に女好きだったのか? 酒が回ってるなあと思いつつ。

 今ここにいる面々は、俺が何か言わなくても自発的に行動するだろう。少なくともこの祭りの運営についてと、その後の芋の扱いについてはだが。

 自分から発想して、そして意見が出ているのは、あの一方的に俺だけが建設的意見を投げ掛けていたときに比べれば安心できる。

 あとは売り上げ次第だが、まあそう大きく転ぶことだけはない筈。当日の予定もだいぶ詰まってきた。

 俺は残る課題をベアマートに確認する。

「まあとにかく、それで本命は?」


「……とりえあえず作れるだけ作ってみたが……」

いたずら黒ウサギの幻獣石と一緒に落ちてた謎の木の実――二種類あるその一つを使ったものだ。それぞれ二粒ずつあったので、一粒ずつ魔法の芋として、新品種として運頼りに錬金して貰ったのだ。

 残りは街で管理している空き果樹園に植えて、素の状態での収穫用に栽培中である。

 最初のダンジョンアタックから一月近くたった今なのは、現状ではまだ素材自体が少ないため、失敗が許されずせめてと錬金に使用する芋の方を厳選していた為だ。

 それぞれ芋として最高品種のものをガストの商会に頼んで遠方から取り寄せて貰ったのである。

「まずこれだ」

「……なんですか、これ」

「さあ? 何故かこんなものが出来てな……一体何を願っていたんだ?」

「さあ? 森のダンジョン入ったときはほぼ無心で、なにが出るかな~?的なワクワク感がいっぱいでしたけど――まあ普通に街の為にと思い入りましたが」

 ショッキングピンクだ。それも自然の色ではなく明らかに人口着色料染みた桃色の芋?だ。

 それも綺麗なハート型。何やら花のようにその外周をフリル状の皮覆っている。なんかこういう枕があったような。

「これ……食べられるんですか?」

「さあな。昨日出来上がったばかりでまだ何も試していない。とりあえず茹でてみたらどうだ」

「じゃあ茹でてきますね」

「なるべく小さく切り分けてくれ。水に晒しただけのものも用意してくれると助かる」

「生食ですか?」

「見た目がギリギリ果物っぽいからな。それとどの時点まで毒性があるのか確かめられる」

「それ、食べる前にわからないんですか?」

「冗談だ。それくらいはさすがに調べておいた。成分の詳細までは調べていないが人体に有害な反応は出ていない」

「じゃあゆで上がるまでの間に他を見ましょう」

 調理を自主的に請け負ったミーナに任せ、

「残りは――」

 ベアマートが箱からそれを取り出し、テーブルの中央に置いた。

 そこには、なんか、半透明の芋がある。

 向こう側が透けている。幽霊というか幻というかクリアボディだ。今までの芋も結構な非常識だったがこれはすでに物質として疑わしい。

「……じゃあとりあえずこれも茹でてみますか?」

「茹でられるのか?」

 何せ向こう側が透けている。色というか、物質として否定的存在だ。

「それはおそらく無理だな」

「え? どうしてですか?」

「これで切ってみろ。ああ、テーブルに置け、芋は手に持つな」

 そう言いベアマートは作業用のちいさなナイフを放ってくる。俺は受け取り、鞘を外してテーブルに置いた謎芋に刃を添えた。

 スカッ。うん?

 手に芋を切る感触が無い。しっかりナイフは芋のそこに刺さっているのに。

 引く。スカ、スカ、スカッ。やはり包丁が芋を切ることなく通り抜けている。周囲に困惑が、そして動揺が走るが切れていない、

 芋を押さえる手の平にはそのごつごつとした感触があるのに。

 改めて手に取り実は切れてるんじゃないかと角度を変えてみるが、何の異常もない。

「……なにこれ」

「見てのとおりだ」

「……幻の芋?」

 珍品とかレアものとかそういう意味ではない。

「分らん。もしかしたら芋の精霊とか神とか精神的な芋とか色々考えたが、分らん」

「……ええ?」

 一同でその微妙な物体を見る。切った筈なのに切れていない、手に持てるのに包丁はすり抜ける。まるでそこにあるのに存在していないかのようだ。

 でもまあ、

「ある意味、ものすごい、魔法の芋ですけど」

「一応手で掴めるのよね? 他はどうなの?」

 マーベがベアマートに尋ねると。

「ああ。どうも人や生物はこれに触れることができる、テーブルにも置ける、水に浮かび、しかし包丁や加熱といった作業だけを通り抜ける、というところまでは分った」

「調理工程だけは受け付けないのか?」

「――まさに煮ても焼いても食えない、と」

「あ、じゃあ生なら?」

「ああ、むしろこのまま丸かじりか」

 丁度手に持っていた俺は口を開け、謎の芋をそこに入れようとした。

 ガチン! キーンと額の奥で音叉が鳴っている。

「……文字通り、歯が立たないですね」

「煮ても焼いても生でもダメか」

「もうそういう謎の物体として扱うしか無さそうだね」

 芋ですらなくなったか。そういえば安納芋とかあるから未確認芋アンノウンとでも命名するか。調理できたらうまそうだし。

 くだらない話はさておき、しかし確かにこれは絵に描いた餅と思うよりほかない。そしてただの芋をこんな物体にする元凶となった実はいったい何なのか気になるところなので、果樹園を管理している人に俺は訊ねる。

「――実をそのまま植えた方はどうなってるんですか?」

「ようやく芽が出たところだ。二つとも間違いなく樹木として育つだろうが、無理やり成長を促進させても最速でもあと半年は掛るだろう」

「それまで正体に見当もつかないか」

 そうだろうか。ソラトパレスにいたキリット氏ならその鑑定能力でこれが何かわかるかもしれない。しかしいまはそこまで足を延ばしている時間も惜しいし――連絡を取って来て貰う事が出来ればいいのだが。

 あとは、この不思議物体の同類項として――

「神様なら何かわかるかな……」

「……そうだな。試しにボンド、これはお前が持ち帰ってくれ」

「分った、何かわかったら知らせるよ」

 俺はベアマートからその謎芋を預かり、ポケットに直接仕舞い込んだ。そこに、

「茹で上がりましたよー」

 そう言いながら彼女は皿をテーブルに置く。皆その上に乗った串切りのピンクな茹で芋に楊枝を指し、そして、

「……普通だな」

「そうね、少し栗の花みたいな香りがするけど、果物酒みたいにフルーティーな感じも」

「ちょっと酸味があるか?」

「茹でたせいかもしれないが、これもとろっとしてるな」

「無味無臭っぽいんですけど、なんか、不思議な味ですね」

 皆が口々に感想を言う中、ミーナに礼を言ってから。

 遅れて頬張る。

 確かに。皆の感想に合わせて――俺は清涼飲料というか栄養ドリンクの匂いに似ている気がした。それもごく薄味で不味くはないが微妙な味である。

「生は――」

「一応水に晒してあく抜きをしました」

 こちらは輪切りだ。それを摘まみ口に入れるとサクッとした。生食できるジャガイモやヤーコンに近い。そのままさくさく噛む。リンゴっぽい微かな甘みが広がる。

 サラダに出来そうな気がする。

「……刻んでアイスに混ぜたらいけるか? 色は良いし、ヨーグルトに混ぜるか煮詰めたものを潰して冷まして……上手く風味が出るか?」

「でもこっちの方が味がはっきりしてるわね」

「それでも微妙だな。俺は砂糖が欲しい」

「摩り下ろして絞ってみます?」

「とりあえず方向性はスイーツですね」

 メモる。一応謎の木の実を配合した謎の魔法芋なのだが。

 が、あまり魔法とか幻想不思議の気配がしない、ただ単に不思議な芋だ。

 どんな魔法っぽいものが出来るかと思ったら、幻の芋と果物みたいな芋、ゲームみたいに体力が回復するとか怪我が治るとか異常にデカくなるとか面白野菜でもなくて。

 拍子抜けというか期待外れというか、肩透かしな結果に終わったが。

「――ミーナはどう思う? 若い男ばっか見てないで」

「え? あの……ええっと……うん、風味はあるから、皮を剥かずに煮てから剥いて、ほぐして、砂糖を入れて、餡子にしたりしても良いと思うわね」

 しかしクスクスと綺麗なお姉さま(BBA・年齢ではない)がこちらを揶揄するよう見ている。ミーナさんは顔が赤くなっているが、それはこの会議室に入って来た時からなので、多分調理で火元に立ち過ぎたのだろう、ちゃんと水分を取らないと。

 眼が合った。お姉さんはほんわかふわりと苦笑いした。耳まで赤い。うん、こんな年上女性いないと思う。大概オラついてるかガハハかワハハではぁはぁ(仕事疲れ)できつきつだ。男より漢らしい漢女オトメだ。

 キレイで優しいお姉さんなんて幻想の存在だ。

 ? と言うようにとぼけた笑いを返すとほっとしたように女の輪に戻った。そこでまた揶揄われているが仕方ない。

 この二つの芋が、街の問題を解決する種になるのだろうか?

 それとも、まだ気づいていないだけで。

 魔法の芋にふさわしい何かが、はじまっているのだろうか?

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