第13話『これだけ読めばOK!総集編!』

 時に、西暦2098年。

 世界は人類存亡を賭けた最終戦争のさなかにあった。

 敵の名は、パラレイド。

 次元転移ディストーション・リープで時間も空間も問わず現れる、謎の機動兵器群……国を大地ごと消し飛ばし、何度も地図を過去の遺物へと更新し続ける脅威。それがパラレイド。

 全地球規模で戦争が日常化した中、学生たちもまた幼年兵ようねんへいとして戦っていた。

 女子供、一般人でも馴染みやすい主力兵器は、人の姿をしたパンツァー・モータロイド。通称PMRパメラは全高7メートル前後の人型機動兵器ロボット、戦場の主役である。

 少年少女たちは今、鋼の防人さきもりへと魂を灯して戦う。

 いざ、鈍色にびいろの青春を突き抜けて……未来に、あらがえ!


 皇立兵練予備校こうりつへいれんよびこう二年生、摺木統矢スルギトウヤは地獄の第三次北方防衛戦だいさんじほっぽうぼうえいせんを生き残った。

 幼馴染のわたし、更紗サラサりんなの命と引き換えに。

 消滅した北海道から青森にやってきた統矢は、数々の出会いの中で復讐心を磨く。

 そんな統矢の前に現れる謎の少女、五百雀千雪イオジャクチユキ

 青森のエースである彼女との戦いで、不思議な感覚に覚醒する統矢。授業での模擬戦、そして戦技教導部せんぎきょうどうぶと呼ばれるエース集団とのパンツァー・ゲイム……さらに戦いは突如として本当の、本物の戦場へと統矢をいざなう。

 パラレイドに襲われた青森でたけるままに戦う統矢は、謎のPMRと遭遇する。

 次元転移で現れながら、人類同盟じんるいどうめい皇国軍こうこくぐんなどで使われるPMRにも見える機体。

 動かぬ所属不明機アンノウンを守りつつ、一時撤退を余儀なくされる中で、不思議と深まる統矢と千雪の絆。だが、新たな戦友たちを得られた統矢を待っていたのは、過酷な運命だった。

 謎のPMRのコクピットで眠っていたのは……


 ――え? わたしの出番、これだけ?

 謎のパンモロから出てきたわたしがメインヒロインに復帰して、統矢とラブラブで無双するんだよね? ……違うの? うそーん、本当に総集編でしか出番がないのかあ。じゃあ謎のパンモロで眠るわたしは、どうなっちゃうのよっ!

 あ、パンモロっていうのはパンツァー・モータロイドの略称! ……の、ボツ案ね。はぁ、こんなメタな話をするだけの役割だなんて……死ぬんじゃなかったな。

 さて、統矢と戦技教導部の戦いは、まだまだ始まったばかり。

 今や日本最北の地と化した青森で、恐るべきパラレイドとの死闘が幕を開ける!

 わたし、応援してるから……みんなも統矢のこと、支えてやってよね。

 では、また次の総集編でお会いしましょう!

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