ひんやりする場所
一人暮らしを初めて約ひと月。先日気づいた事がある。机の下のある場所だけが、奇妙にひんやりと冷たいのだ。
別段何かがあるわけではない。隣室側の壁の隅なので、隙間風という事もないだろう。
理由は知れないがそこへ足を伸ばすと、つま先だけがひんやりとする。まあこれから暑くなってくるし、夏場にはいいのかもしれない。
そう思って暮らしていたら、遊びに来た友人がすぐに部屋から飛び出した。
「お前の部屋、ヤバいのが居る。すぐに引っ越せ」
驚いて追いかけると、真っ青な真顔でそう言われた。
「居たってそれ、机の下か?」
気になって尋ねてみたらそうだという。
それなら怖いものじゃない。涼むのに使っているんだと告げたら絶句して、それから首を振りながら帰っていった。
その後も、別に悪い事は起きていない。
今日も足先でひんやりに触れながら、こいつは冬場、温かくなってくれたりはしないだろうかと考えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます