脱皮
叔母の様子が突然におかしくなった。
身だしなみのいい、上品な人物であったのだが、突然髪を振り乱し、粗暴で乱暴な振る舞いをするようになった。
昼は部屋に篭もりきり、夜になるとのっそりと出てきて冷蔵庫を漁る。家族も怯えて近づかない。
何か悪いものがついたのに違いないと、懇意の寺にお祓いを頼んだ。
お坊さんが来る日は、頼まれて私も同席した。
叔母の家に着くと、しかし皆困り果てた顔をしている。部屋に居るはずの叔母が、どこにも見当たらないのだという。
部屋を覗かせてもらうと、わっと生臭い匂いがした。しかしどこにも人が隠れている様子はない。見回した目が、ふと和箪笥の引き出しに止まった。
そこから何か、ビニール袋のようなものがはみ出ている。
引っ張り出して広げてみると、ぐにゃぐにゃのそれは、ぴったり人の体の形をしていたのだった。
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