第六十三話『カエルだからね』
「ケロケロ!これは勝ったケロね!」
ケロケロさんは嬉しそうに言った。
===
「がぼぼぼ、がぼぼぼ」
私は未だに溺れている。
部屋を満たすほどの大洪水。
四天王ニンジャフロッグさんの猛攻撃を受けている。
「そろそろトドメをさすケロ!」
ケロケロさんは大洪水の術を発生させ終わったのか、直接こっちを狙う感じの動きをはじめた。ただでさえこのまま水の中に閉じ込められているだけでもやられてしまいそうなのに、攻撃してくるつもりだ!ひどい!ずるだわ!!
「まずいな、へび向こうが攻撃してきたら、捕まえられるか試してくれ」
ライオンへびくんに指示を出した。
ここでへびくんがケロケロさんを捉えられれは形勢は逆転する。
むしろこちらから移動できない分、向こうからきてくれるのは助かることだ。
「やってはみるけど、この水の中、やっぱり全然うまくうごけないね」
へびくんは言う。
準備運動のような動きをして、彼は自分の現在の機動力を確認している。
そして、なかなか厳しいと判断しているようだった。
それはそう、なんせ私はまったく動けてないからね!
「こっちは水の中大得意ケロね!」
ケロケロさんは得意げに言った。
単純単純と言っているけれど、実際に彼はかなり自分に有利なフィールドを作っていた。哺乳類は水中は苦手。
「「「カエルだからね!」」」
私たち三人は心の中でさけんだ。
「行くケロ!」
ケロケロさんはそう言って水の中に入っていった。
すると、いままでとはまったく違う動きの早さを手にいれた。
ひとかきするたびに、とんでもないスピードで移動している。
「まじか!」
ライオンはそれをみて言った。
そう、いままでよりずっと早い。
そして結構自由に進路をコントロールしている。
「地上より、ずっとうごきが早い!!」
へびくんが、ケロケロさんを捉えようとしながら叫んだ。
向こうのスピードは上がり、こちらのスピードは下がっている。
これを捉えるのは難しそうだ。
「びっばーぃぃいぃぃぃ!」
私はいったーい!と叫んでいた。
水の中なので実際にはびっばーぃぃいぃぃぃ!だが・・・
「だめだ、早すぎて捉えられないよ!」
へびくんはライオンに伝えた。
この状態ではとても、なんとかできない。
ただ一方的に攻撃を受け続けることになってしまう。そしてその前に私溺れそう!たすけて!!
「水の中だと活き活きしすぎだな」
ライオンは言った。
「「「カエルだからね!!!!」」」
三人は心の中で思った。
「ケロケロ!これは勝ったケロね!散々単純単純言った報いは受けてもらうケロ!」
ケロケロさんはさんは言った。
そして、ライオンはついに覚悟を決めたようだった。
「お前の敗因は、自分のスキルに自信をもちすぎたところだな」
ライオンは言って、スキルを発動させた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます