第六十一話『大技』

「しかたないケロ。次のスキルを使うケロ!」

ケロケロさんはそう言って次のスキルを発動した。


===

「次のスキル?」

私はケロケロさんの声を聞いてそう言った。

いままでは忍者らしい分身の術を使ってきていた。

それは対処できたので次のスキルを使うらしい。


一体何個スキルがあるのかしら。


「なにか、唱えてるな」

ライオンがいう。

ケロケロさんは両手を合わせてなにやら複雑な手話みたいなポーズをしてぶつぶつ唱えている。


「そうだね、印を結んで呪文を唱えてるね」

へびくんがいう。

忍者の漫画によくあるみたいなことだった。

呪文を唱えると不思議な術が使えるのが忍者の定番らしい。


「ちょっと待て、あのスキルずいぶん時間がかかってるな」

ライオンがいう。

毎回冷静に敵をみている。

時間をかけていることになにかピンときたらしい。


「たしかに。分身の術ですらわりとすぐ出てたもんね」

へびくんがうなずく。

彼も何かに気がついたみたいだった。

今回のスキルは時間がかかっていて、さっきのスキルはそうでもなかったということみたい。


「ちょっとちょっと?どういうこと??」

私は二人に説明を求める。

そう、よくわからない。

時間がかかるとどうなるのかしら。


「かなり大掛かりな技な可能性がある」

ライオンは言った。

つまりさっきの分身のスキルもかなりトリッキーな大掛かりな技だったのに、今回はさらに時間をかけているという。


「さすがに、四天王だからね。なにか今までの敵のスキルとは違うレベルの大規模なスキルである可能性があるね」

へびくんがいう。

今までとは違うレベルのスキル、それは一体どんなものだろうか。


「まずいな、おい、ヤギ!あのスキルを出させる前に攻撃しろ!」

ライオンは言う。

大きな技を出させる前にこちらからアクションを起こすことが大事という判断のようだ。


「ちょっとー、命令しないでよー!今やるところでした!!」

私が叫ぶ。

そう、私はできる子!

言われなくてもちゃんと出来ます!


「必殺ヤギアターック!」

私はそう言いながら、四天王ニンジャフロッグことケロケロさんに向かって猛ダッシュした。そう、これを何度もすでに当てている。お馴染みのヤギアタック!


「それは食らわないケロ!」

ケロケロさんはそう言いながらジャンプして私の攻撃を避けた!

さすがカエルだけあって、かなりのスピードで私から離れていった。


「すごい、壁にくっついてる!」

へびくんが言う。

さすがカエル!私たちにはできない、壁に立つという裏技をやってのけている。


「ずる!おりてこーい!!」

私はケロケロさんに猛講義する。

そう、壁はズル!セコ!


「降りないケロ!くらえ、水遁、大洪水の術!」

ケロケロさんはスキルを発動した。

彼は水に包まれた。


「それは・・・まずいな」

ライオンはケロケロさんのスキルを聞いてそう言った。

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