第五十四話『ニンジャ』
「ようこそ魔王城へ」
反対のドアから声がした。
===
「え?」
私はそう言いながら、声のする方をみた。
するとそこにはかすかに人影があった。
ただ、それはとても小さかった。
「ようこそ魔王城、私が四天王の一人ニンジャフロッグだケロ」
そこにいた人物(?)はそう言った。
人の子供ぐらいのサイズのモンスターがそこには立っていた。
忍者の格好をしたカエルのモンスターだ。
「カエルだ!」
「カエル忍者だ」
「カエルだな」
私とへびくんとライオンは口々にそう言った。
そう、それは明らかにカエルのニンジャ。
名乗ってくれたとおり、ニンジャフロッグさんと言うのだろう。
「ようこそ。噂はかねがね聞いてるケロ」
四天王の一人ニンジャフロッグはそう言った。
その役職からいろいろなモンスターの話を聞いているのだろうか。
そもそも話が通じるのかしら。
「えー、うれしい!」
私は素直に嬉しがった。いろんな人に褒めてもらえるのはうれしいよね。
モンスターであれ人であれ、褒めてもらえるのはうれしい。
それなりに頑張ってきたもんね!
「我々のモンスターを次々と倒している、噂のキマイラさんとお手合わせできてうれしいケロ」
ニンジャフロッグさんはそう言った。
私たちは噂のキマイラさんらしかった。
「それは、それは」
ライオンはニンジャフロッグさんに答えた。
かなり上から目線だ。
さすがライオン。
「ヤギ、ここは俺のスキルを使わずにいきたい。ヤギの力見せてやれ」
ライオンはそう言って私に委ねた。
ただサボりたいだけな気はしないでもないけど、悪い気はしない。
「確かに、あの軽さならそんなにむずかしい戦いかたは必要ない気がするね。ヤギちゃんの突進だけで勝てる気がする」
へびくんも同意する。
そう、モンスター大きいとつよいけど、ちいさければそうでもない気がする。
「よっし、じゃぁいっちょやったりますか!」
私はそういって戦闘態勢に入った。
「ふふふ、やる気があるようですね。楽しみだケロ」
ニンジャフロッグさんは戦うのが楽しいようだった。
私はそんなに野蛮なことは好きじゃないんだけど・・・
もうそろそろそんなことも言えなくなってきたみたい。
「よし、いけ!ヤギ!」
タイミングを見計らっていたライオンから合図がでた。
今が戦う時らしい。
そのタイミングに合わせて私は動き出す。
「いっくぞー」
私はそう言いながら突進していった!
そしてニンジャフロッグさんに突進して攻撃があたったかに見えたが、感触はなかった。
これは・・・いったい・・・?
「あれ?消えた??」
私はつぶやく。
「なかなかいい突進ですね!」
全く別のところからニンジャフロッグさんの声が聞こえた。
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