第五十五話 『分身の術』
「なかなかいい突進ですね!」
全く別のところからニンジャフロッグさんの声が聞こえた。
===
そして、蹴られた。
「いったーい!!」
私は叫ぶ。
ニンジャフロッグさんに攻撃しようとしたところ、その攻撃は当たらず
別のところから声が聞こえて、私は蹴られて吹き飛ばされて
さらに、壁にぶつかってしまったのだった。
「忍術か」
ライオンは冷静につぶやいた。
ニンジャフロッグと名乗っているだけあって、ニンジャでカエルなのだろう。
ニンジャだったら忍術を使うのは当たり前だと言わんばかりにライオンは考察した。
「あー、それはやっかいだね」
へびくんもつぶやいた。
そう、実際にニンジャフロッグさんは私の攻撃を避けて、後ろから現れて蹴ってきたのだ。
「「ヤギ(ちゃん)と相性がわるい」」
ライオンとへびくんが同時に言った。
確実にいい意味じゃない!
それは私にもわかった!女子のカンを舐めないでいただきたい!
「どうゆうことよ!!」
私は二人に猛抗議する。
愛のない言葉には断固反対する私である!
「ヤギ(ちゃん)は素直(単純)だから」
ライオンとへびくんがまた同時に言った。
ほとんど同じ意味だが、へびくんの言葉の方がかなり優しかった。
「せっかくへびくんがオブラートに包んでいるのに、ライオンが全部だしちゃってますけど・・・」
私は二人に突っ込んだ。
なんて失礼なライオン!プンプン!
「絡め手を使ってくる相手は苦手だからねぇ」
へびくんは冷静に言った。
オブラートに包みながら、私とケロッグさんの相性の悪さを説明してくれた。
つまりインチキをしてくるってことね!
「ケロケロ!分身の術だケロ!」
ニンジャフロッグさんはそう言った。
分身の術らしかった。
たしかに彼は消えて突如違うところからあらわれた。
「あ、教えてくれた」
私が言った。
親切なモンスターだった。
「あいつ技は複雑なくせに、中身は単純な気がしてきたな」
ライオンが冷静に分析している。
たしかに、技が複雑でも中のひとがシンプルならやりようがあるかもしれない。
「ちょっと蛇。毒で攻撃してみてくれ」
ライオンはへびくんに指示を出した。
毒はへびくんのスキル。
唾に猛毒がふくまれていて、当たるだけでイチコロなのだ。
「なにか考えがあるんだね。やってみよう」
へびくんは、そういって動き出した。
反動をつけて、スキルを発動させた。
「蛇毒 - ポイズン」
へびくんはそう言って、ぴゅっと毒を吐いた。
「それは効かないケロよ!」
そう言ってニンジャフロッグさんは印を結んだ。
あらかじめそれをやってくることを知っていたような動きだ。
そして、ドロンと音がして、フロッグさんは消えた!
「消えたー!」
私は叫ぶ。
「なるほどな。ヤギ横に飛べ!」
ライオンは私に指示をだす
「横?これでいい?」
私はそう言いながら横にピョーンとジャンプした。
「あれ?いないケロ!」
ニンジャフロッグさんは、私が元いた位置の後に現れた。
「だいたい仕組みはわかったぞ」
ライオンは言った。
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